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月曜日トヨタグループ「レクサスISのリアデザインの進化」

2013-03-04 | トヨタ
  まだ日本のサイトでは正式な発売がアナウンスされていませんが、新型ISのデビューが迫っています。デザインはすでに米国のデトロイトモーターショウで公表されていて、LSやGSと同じようなスピンドルグリルを採用した前面になっていますが、女性ユーザーをかなり意識しているようで、ヘッドライト周辺の意匠から繊細でしなやかな印象に仕上がっています。先代モデルと大きく違うところは、車体後部のデザインはさらに進化していて、側面から後方にかけての円周をイメージさせるラインからリアライトの造形へとつなげているデザインがとてもインパクトがあるところです。トヨタ車(レクサス車)でこれほどまでに後方まで行き届いたデザインは珍しいように思います。いままでは、中高年男性がメインユーザーという意識が強く、そこまでデザインすることへの抵抗感もあったのかも知れません。

  このデザインはレクサスLFAやLF-LC(コンセプトカー)を作ってからブランドのイメージに近い位置づけになっているように思います。もともとが2ドア車のデザイン意匠を多く使っているので、このISもまた本命のボディタイプは来年登場予定のハードトップのクーペになるような気がします。いままでのトヨタのセダンとは出自が異なるクルマが生まれたことで、レクサスのブランドイメージもかなりオリジナリティが出て来たと思います。そしてこの新型ISのようなデザインのクルマを1000万円以下で買える(500万円程度)ようになったことは、かなり革新的なことじゃないかと感じるのですが、このアンバランスさ(マセラティみたいなデザインを500万円で売ってしまうこと)が無事に受け入れられるかどうかが心配ではあります(それまでトヨタが我慢するか)。

  このレクサスISは「レクサスのメンツに懸けてもマツダ(アテンザ)よりもダサいセダンを作るわけにはいかない」という背水の陣の中で、見事に結果を出したのではないでしょうか。クラウンには盛り込みきれないより「ポップ」な部分をたくさん導入して、出し切った感があります。国内のみで戦うクラウンよりも世界市場で売り上げを伸ばす必要があるレクサスISのデザインは、アテンザのそれを大きく意識しているようです(結果的にGSやLSのデザインよりも立派になってしまった感もありますが・・・)。北米ではドイツプレミアム(メルセデス・BMW・アウディ)と日本プレミアム(レクサス・アキュラ・インフィニティ)がほぼ同等の勢力を持っているようですが、北米シェア40%の日系メーカーの方が販売網は強力なので、車種さえ揃えばドイツ勢を圧倒できると思います。その意味でこのクルマの登場は日本勢を一気に活気づける(日本車のイメージを変える)ものになりそうです。

  今やプレミアムブランドといえども実力のないクルマはすぐに不人気になるようで、常にライバルを上回る存在でなければいけません。アキュラは次期NSXとレジェンドでアウディA6とのプレミアム4WD全面対決に備えていて、インフィニティGクーペ(スカイラインクーペ)とBMWの新車種の4シリーズクーペが来年に激突します。レクサスISは具体的なライバルとして、北米で孤高の地位にあるメルセデスCクラスとの対決になりますが、ISと同時期にデビューするメルセデスCLAがコストパフォーマンスでこのISの刺客になるかもしれません。レクサスとしてはNAエンジンの良さであるとか、HVの経済性をどれだけアピールできるかポイントになってきそうです(いかにダウンサイジングターボやディーゼルターボがダメダメなのかを知らしめる必要もあるかも・・・)。

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