トトラの馬

元々はエコロジーやスローライフについて書いていましたが、とりとめなくなってきた。

大学のときのアパートを探して

2005-03-01 00:16:39 | できごと
この間、大学の頃の話を書いたのでふと懐かしくなり、散歩がてら大学のとき住んでいたアパートを探してきました。

もう10年以上も前ですから、周りはすっかり様変わりしています。
「あ!ここだ!」
と、曲がり角に気づくことができたのは、小さな酒屋がそのまま残っていたからでした。
大学のときは、よくお金がなくなるとその酒屋にかっぱえびせんを一袋買いに行き、それを食べた後たらふく水を飲んでおなかを膨らせるという、不摂生なことをやっていたのです。

住んでいたときにすでに30年くらい経っていたアパートなので、正直に言ってそのまま残っているとはほとんど期待していませんでした。
ところが、見つけた酒屋の角を曲がり、細い道に一本入ると、大学の頃と全く変らない道の風景が広がっていました。
まわりの建物や家々は変っているのに、その道は、住んでいたアパートも、道路まではみ出した向かいの家の鉢植えも、周りの家々も、そっくりそのまま残っていたのです。

わたしの住んでいた102号室には表札がありませんでした。
誰も住んでいない様子。へんな造りのアパートだったから、借り手がいないのだろうか。


部屋は、4畳半~5畳くらいの台所と、和室をフローリングにして洋風の内装にした6畳の部屋のいわゆる1Kでした。
お風呂はないのですが、外壁の一部を壊し、ベランダ横に出っ張ってブースシャワーが増築されていました。
ブース全体がサウナにもなるという代物でしたが、とにかく狭い上に故障が多かった。
ベランダは、幅は普通でしたが奥行きが50cmくらいの極細タイプ。
これも後から付けたらしく、ベランダに出るには腰の高さの窓を乗り越えなくてはなりませんでした。

トイレは明らかに和式の便器の上に、洋式便座の形をしたプラスチックの椅子型のかぶせ物がのっていました。これのおかげで、掃除が大変でした。
写真を撮って帰ってきたのですが、載せるわけにも行かないので、当時のことを思い出して間取り図を描いてみました。
うーん、トイレと物入れの位置がちょっとあやふやです。

狭い部屋なのにいつも人が大勢集まって、一番ひどいときには10人が雑魚寝したこともありました。
上の部屋の人の音が筒抜けで、新しいゲームを買うとBGMで「おー、ファイナルファンタジー買ったのかあ」と分かったりもしました。
1階だったので、洗濯物はひんぱんになくなりました。

ところが何より変だったのは、閉め忘れたと思ったトイレの窓が閉まっていたり、帰宅時に中の様子になんとなく違和感を覚えることがたびたびあることでした。
そんなことがある度、「気のせいかなあ?」と思っていましたが、明らかにおかしい時もあったのです。

そんなある日。
帰宅すると、ちゃぶ台の上にポット、お茶、急須、お菓子などのお茶セットが乗っていたのです。
夜でしたがそれを持って大家のところに行くと、
「ああ、きょうはたまたま工事の人が来たから、お茶のセットを忘れてきちゃったわ。おほほ」
というのですが、なにも工事なんてされた様子はないですし、なによりそんな話、普通なら事前に住民に伝えるはずです。

真相は藪の中。
でも、3室ある1階の左隣は大家の娘、右隣は親戚。
真ん中にあるわたしの部屋で、お茶を飲んだりしていたというのが、わたしの勘です。
現に、窓や部屋の中の違和感などは、その日以来ぴたりとなくなったのですから。