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ROMA | Netflix -- 映像が美しく、飽くこともなく見ていられる映画。

2019-02-25 09:52:17 | 映画
本年度アカデミー賞の最有力候補と聞き、見た映画です。



この映画、一言で言えば「身勝手な男達に翻弄される女達の話」で、まあ、よくある話なんですが、それなのに最初から最後まで飽くこともなく見続ける事が出来る作品になっています。そして、映画の最後には心を揺さぶられて涙が流れ、「ガンバレ、クレオ❗️負けるな、ソフィア❗️」とエールを送りたくなるような気持ちになります。画面では色がないのでわからないのですが、おそらくスッキリとしたメキシコの青空を見上げながら、爽やかな気持ちになり、更にもう一回見てみようという気持ちにもなってしまう。そんな映画。

最近の映画にはあまりないような落ち着いた気分で見ることが出来る作品だと思います。

前編白黒ですが、昔の白黒作品とは違ってとっても綺麗。なんでもAlexa65とかいう超高性能カメラで撮影されているということです。そのため、「灰色の配色をきめ細やかなグラデーションで映し出すことに成功」したんだとか。ですから、白黒と言っても綺麗な映像になっています。
そして、カメラも右から左へとか水平に長回しで撮影している場面が多く、そこに俳優さん達の自然な演技があり、日常の生活音があり、そういう描き方に、みんな普通の生活の中で色々な問題を抱えて生きているんだ、と言いような事を表現しているような感じに思えます。
音響にはDolby Atmosというものを使用していて、その効果は圧倒的なんだそうです。

また、映画といえどもすごくリアリティがある。つまり1970年のメキシコが普通に映画の中にあるような感じで、つい最近の作品とは思えない。ストリートを描くシーンでも水平の長回しを多用しているので、見ている方としては、実際にその場にいるような感覚になります。
メキシコの昔ながらの泥道の村の様子とか、特にあのデモのシーンとか、多くの古い車とか、多くのエキストラとかどうやって撮影したんだろうと思います。

映画の冒頭、石畳というかパティオというかそういうところを水で洗い流している主人公のクレオが最後では、この作品の中では初めて出てくる長い階段を登っていき、その背後には広い青空が広がっていて、その景色で作品が終わるって、これからの未来を象徴しているのかしら、とも思えました。
その冒頭の映像、洗剤と混ざった汚いような水に映る天井の明かりとりがとっても綺麗に見えるのですが、これも意味深なオープニングだと思えてしまった。

日常の男女間や家族内のトラブルだけではなく、そこにメキシコの当時の国の問題も描いているので、メキシコにもエールを送りたくなるような描写でした。

また、作品の中に良く出てくる飛行機にも意味があるのでしょうか❓それに犬もあちこち。犬はメキシコの良くある風景なんでしょう。でも、お手伝いさんいるんだから、ウンチはその都度都拾ったら、と思ったのですが、ウンチも旦那さんが家を出て行く一つの理由のようだし、結局最後までウンチだらけ。ソフィアがあのウンチをいつ踏むのかハラハラしてしまった。

アカデミー賞の最有力候補のようですが、もし作品賞を取ったら、劇場公開するのでしょうか❓
この映像を大きな画面で見たいという要望もネットでは出ているようです。あの美しい灰色は映画館の暗いところでこそ生えるとか。

劇場公開しなかったのは、非英語作品だと色々と難しいこともあり、より多くの人に見てもらいたいという事でネット配信という形になったようです。

と言う事で、評価は

🍎🍎🍎

となりました。

他のアカデミー賞作品賞の映画は見ていないのですが、この作品の最後には希望があると言う事で、作品賞は「ROMA」に決定でしょう。「グリーンブック」も気になる作品ですが、まだ見ることができないのでなんとも言えません。「ボヘミアンラプソディ 」は興行的には成功していると思いますが、色々な事を考えると、作品賞「ROMA」最優秀男優賞にラミマレック でチャンチャンとお手打ちではないでしょうか、なんて。

タイトルのROMA の意味は、この作品の舞台となっているところがローマ地区(la Colonia Roma)だと言うことと、この「ROMA」を逆から読むと「愛」という意味のスペイン語「AMOR」になる、という二つの意味があると言う事らしいです。



ROMA | Official Trailer [HD] | Netflix


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