テレビのツボ

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「愛しき人よ」~仮面夫婦

2011-08-14 19:42:28 | 大河ドラマ
今週は、ひねくれ者の秀忠と、強情っ張りの江が意地を張り合うっていう、史実の面から見れば、まぁどうでもいい展開だ
至るところに見られるベタな演出や、コント仕立ての演出も、如何にも「江」らしい
ただ、「ファンタジー大河・江」にとっては、そういう展開・演出の方が正統路線みたいなものだから、これはこれでいいと思う。そう思わないと観ていられない


先週、秀忠から訳の分からないゲームを挑まれ、プンプンしながら床に入った江はなかなか寝付けず、新婚初日から寝坊してしまう。
侍女ヨシに呼び掛けられ目を覚ますと、目の前には黒塗りの漆器。その真ん中にデ~ンと描かれているのは、お約束とも言うべき三つ葉葵の紋所。
「この紋所が目に入らぬかぁ~!」ってな感じで、江が徳川家に嫁いだことを分かりやすく演出している
「お方様、ここは徳川家ですよ!」
ヨシに叱咤され、慌てて起き上がって秀忠のいる居間へ挨拶に赴く。
秀忠は、寝転がって植物図鑑みたいな本をパラパラめくっている。
「ゆうべはなかなか寝付けなかったもので…」寝坊の言い訳をする江に「私もなかなか寝付けませんでした。あなたの寝言と歯ぎしりで…」秀忠は、ホントかウソか分からない嫌味を返す。
そこへやって来たのが本多正信。「織田家のお血筋の姫を迎えられて光栄です」って、社交辞令(まあ、これは本音みたいだが…)を述べるが、これにも秀忠は茶々を入れる。「この者は口が巧いのです」。
その瞬間、江のお腹がグゥ~…寝坊したので朝食を食べていなかったのだ!
「食べていらしてはどうですか?」秀忠が呆れ顔で促す。
遠慮がちに退席する江を見送りながら、正信は「かわいい方ですねぇ~。奥方は年上がいいですよ。寛容で、懐深く穏やかで…」と目を細めるが、秀忠は皮肉っぽい笑みを浮かべて完全否定する。「どれも当て嵌まらぬわ…」
う~ん…たった3分あまりのオープニングだけで、これほどベタな演出やコントが満載だなんて、観てる方が呆れ顔になりそうだ

さて、本編についてだが…これもまたベタな演出だらけ。加えて寝所のシーンがやたら多い。数えてみると実に6回! それも似たような展開ばかり。寝る前に痴話ゲンカみたいなことして、仮面夫婦らしく背を向けて寝て、それで翌朝(もしくは夜半)ちょっとした事件が起きるってパターンだ。
今週は秀吉も家康も端役扱い。仮面夫婦のドタバタ劇が全編を支配している。安物のホームドラマみたいだが、こんなことでメゲテはいられない。気力を振り絞ってストーリーを追っていくことにしよう~

江は、嫁入りの時に持ってきたツヅラを開け、完と一緒に遊んだ風車と、秀勝の遺言状と脇差しを取り出し思い出に耽る。
「そんなものを持ってきたら秀忠様に失礼では?」ヨシが苦言を呈する。
「分かっておる! いずれは何とかするつもりじゃ!」苛ついた表情で答える江。江は過去をなかなか吹っ切れないでいた。

家康が秀忠と江を茶室へ招き、二人に茶を振る舞う。「江…ソチをそう呼べることを喜んでおる」嬉しさを隠さない家康に、秀忠はいつものように嫌味を言う。「まるで父上に嫁いできたようですね」。
が、家康は嫌味など気にする風もなく素直に返す。「ワシはそれくらい気に入っておる。嫁に来てくれるよう、ワシが頼み込んだんじゃからなあ~」。

デレデレ舅の家康は続けて畳み掛ける。「次は子じゃな…できれば男の子がよい」。
これに秀忠は調子よく「励んでおります」ってな返事をしたもんだから、江は飲んでいた茶をブッー!と吹き出してしまう。まったく…コント丸出し。
むせ返る江に、わざとらしく「大丈夫か?」と優しく声を掛けながら背中をさする秀忠。
この演技にコロッと騙された家康は「ワッハッハッ! こんだけ仲が良ければ、子もすぐ出来そうじゃのう~」…なんじゃこりゃ(呆)

その夜、江は寝所で「いきなり男の子を産めだなんて! 私は道具ではありません」秀忠に不満を漏らすが、「武家が男の子を望むのは当然ではありませんか」と取り合わない。
これは秀忠の方が正論。江が不満を漏らすのが、どうも理解不能。この時代、武家が男の子を望むのは常識中の常識。武家で育った江が、それを知らない筈はない。時代考証を無視し過ぎだ…なんてことを、今更言ってもしょうがないが…。

翌朝、江はまた寝坊をしてしまう。飛び起きて着替え、渡り廊下を小走りで駆けてゆく、このアングルが前日のシーンと全く一緒。これもコントじみている。
挨拶に来た江を、ろくに相手にもせず秀忠はさっさと登城してしまう。
そこへ突然やって来たのが次女の初。夫の高次に側室がいて、あろうことか男の子を設けていたことを知り、怒り心頭で近江の屋敷飛び出してきたのだ。

「どんどん子を産んで、私に一人くれ~!」ってなことを要求するが、夫婦の契りも交わしてない江に子が出来るわけもない。そのことを聞いた初は、一方的に江が悪いと決めつけ「そなたのワガママじゃ!」と叱責する。
「こんな物を持って来ているからじゃ!」と、江が持って来ていた秀勝の形見を、無理矢理取り上げようとする初。
そこへ秀忠が挨拶にやって来た。ソツのない挨拶をこなす秀忠を見て「よい人ではないか」初もすっかり騙されてしまう
「とにかく、そなたが頭を下げよ! よいな!」そう言いつけて、あっという間に帰っていってしまう。
言いたいことだけ言って、「高次様の顔が見たくなった」からと帰っていくとは、現代的な設定というか何というか…

その夜、また寝所のシーン。ここで痴話ゲンカのあと、さっさと寝てしまう秀忠だったが、夜半に目が覚めると隣に江がいない。気になって江の部屋へ見に行くと、ツヅラにもたれ掛かるように寝ている江の姿があった。
秀忠が灯りをそっと近づけると、拡げられた書状の末尾に「ひで勝」の署名。江は秀勝の遺言状を読みながら、寝入っていたのだ。

翌朝、秀忠は江に「太閤殿下がご病気じゃ」と告げる。心配顔の江に「親の敵で、あなたを三度も嫁にやった男なのに心配してるんですか?」お得意の嫌味を披露するが「今は姉の夫ですから…」そう言うと、一礼して立ち去る。
秀忠も立ち去ろうとするが、昨夜のことが気になって仕方がない。江の部屋へ入ると、ツヅラを開け、秀勝の形見を確認する。江の、前夫に対する未練をハッキリ目にして、ショックを受ける秀忠。

江は家康からも、秀吉の病気のことを聞かされる。
「当初は流行りの夏風邪かと思われたらしいが、咳が止まらず、熱も下がらず、食も細る一方…」病状が意外にも重い様子の秀吉。
死ぬのはちょっと早すぎるが…と思っていたら、程なく秀吉は元気を取り戻す。
これもまあ、単に秀吉を登場させるためだけに描かれたと思われる、どうでもいい展開だ

その後も江と秀忠は仮面夫婦の生活を続ける。冬を越え、春を迎え、夏が過ぎても、必要なこと以外は口も訊かないまま。秀忠が数ヶ月を江戸で過ごし、戻ってきても、二人の関係は何も変わらなかった。
秀忠も、いい加減そんな生活に疲れ「あの者といても気が詰まる…」そう正信に漏らすようになる。

一年近く経った頃、江の方から秀忠に離縁を申し出る。秀吉から離縁を命じてもらえるよう文を書いた、自分の勝手な一存であることも書き添えた…そう告げる江。
気まずい雰囲気のまま寝入った二人だったが、その晩にタイミングよく?火事が起きてしまう。
燃え盛る火の中、江は秀勝の形見を持って逃げようとするが、炎にまかれ倒れてしまう。そこへ助けにやって来たのは、やっぱり秀忠。これもなんという分かりやすい展開…。ベタ過ぎてツッコム気にもなれない

決死の覚悟で江を救い出した秀忠は、もう一度、炎の中へ飛び込んでゆく。今度は秀勝の形見を持ち出すため。
腕に火傷を負いながらも、秀忠は無事生還。そのあと、またまた寝所のシーンで、またまた痴話ゲンカ。
「今まで意地を張っていたのは悪うございましたが、意地を張らざるを得なかった私をそのままにした、あなたもあなたではありませんか!」
ここでようやく、秀忠が素直に本心を吐露する。
「形見を持ち出すかどうか、正直迷いました。でも、あなたにとっては大事な物だろうから…」
この言葉でやっと江も素直になれた。
「今までのことはお許し下さい。私をあなた様の妻として下さいませ」
「…なら、私の勝ちですね」皮肉っぽい表情を見せ、からかう秀忠に「その仰り方は…」軽く反発する江を、秀忠は抱き寄せる。スローモーションで…
「では、夫婦になりましょう」秀忠の言葉に、江は涙にくれながら答える。「はい…」。

仮面夫婦から真の夫婦へ…寝所で素直な心情を打ち明け、固く抱き締め合う…この展開もどこがで観たことあったなあ~と思ったら『篤姫』のパターンと一緒だった
脚本家が同じだと、こんなところまで似てくるんかな?


さてさて、次回は「秀吉の死」。今度は本当に秀吉が死んでしまう。予告編では、ますます秀吉の狂気が鮮明になってくるような様子だ。
次回だけは、秀吉を中心に据え、史実に沿った展開にしてもらいたいものだ 江は脇役でいいから

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