真珠・ジュエリー初級講座vol-09
『何故日本の明治期の工芸がジュエリーに伝わらなかったのか』
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この画像は
東京藝術大学美術館で開催された展覧会の図録です。
明治期の工芸については
日本橋の三井記念美術館他でも
大掛かりな展覧会が開催されていますから、
ご覧になった方も多いでしょう。
こう言った展覧会を見るたびに、
私がいつも疑問に思うのは、
日本のジュエリーに殆ど影響を与えず、
戦後になって
1960〜70年代の芸大の彫金課で、
少しジュエリーに関係した動きがあった程度で
現在に至っているのです(これについては異論があると思います)。
確かに一流の腕を持っている作家たちの中には
帝室技芸員に推挙され、
生活の基盤はできていたかも知れません。
しかしジュエリーが日本に定着していく中で、
こういった作家たちの技術は、
ジュエリーには反映されなかったのではないでしょうか。
それは商売としてのジュエリーが先に立ち過ぎて、
文化を育てなかった日本のジュエリー環境にあったと思います。
結論としては
日本のジュエリーはどう逆立ちしても
「アート(芸術)」にはなり得ない
というのが私の見方ですが、
どうでしょうか。
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