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真珠・ジュエリー初級講座vol-09 『何故日本の明治期の工芸がジュエリーに伝わらなかったのか』

2022年04月02日 | 日記

真珠・ジュエリー初級講座vol-09

『何故日本の明治期の工芸がジュエリーに伝わらなかったのか』

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この画像は

東京藝術大学美術館で開催された展覧会の図録です。

明治期の工芸については

日本橋の三井記念美術館他でも

大掛かりな展覧会が開催されていますから、

ご覧になった方も多いでしょう。

こう言った展覧会を見るたびに、

私がいつも疑問に思うのは、

日本のジュエリーに殆ど影響を与えず、

戦後になって

1960〜70年代の芸大の彫金課で、

少しジュエリーに関係した動きがあった程度で

現在に至っているのです(これについては異論があると思います)。

確かに一流の腕を持っている作家たちの中には

帝室技芸員に推挙され、

生活の基盤はできていたかも知れません。

しかしジュエリーが日本に定着していく中で、

こういった作家たちの技術は、

ジュエリーには反映されなかったのではないでしょうか。

それは商売としてのジュエリーが先に立ち過ぎて、

文化を育てなかった日本のジュエリー環境にあったと思います。

結論としては

日本のジュエリーはどう逆立ちしても

「アート(芸術)」にはなり得ない

というのが私の見方ですが、

どうでしょうか。

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