松沢顕治の家まち探しメモ

「よい日本の家」はどこにあるのだろうか。その姿をはやく現してくれ。

バイオマス発電・・・投資案件か地域再生か

2015年02月21日 10時16分15秒 | 日記

バイオマス発電のベンチャー企業と打ち合わせした。まず数字から入る。出力500kwのプラントをつくるのに約6億円かかる。売電価格は現在32円(kwh)。年間の売電収入が約1億1000万円。

ここまでの考え方は太陽光発電と変わらない。ただ大きく違うのは太陽光発電は燃焼装置や回転装置などを持たない静止プラントだということだ。バイオマス発電は、燃料の木材チップを投入し燃焼を管理し焼却廃材を搬出するという一連の作業が必要になる。人手がいるのだ。24時間運転ならば5人ほどのスタッフが必要だ。1人の年収300万円とすると給与が約1700万円程度発生する。

燃料チップもただではない。おおよそ1tあたり7000円ほど。年間6000tほど必要だから購入費は4200万円。メンテナンス費用が約1800万円。7年に1度はエンジン交換するがこの費用が約6000万円。

要するに運転コストが発生する。このコストを売電収入から差し引くと、約4,000万円が事業者の手元にのこるわけだ。単純な利回りでみれば6.6%だからアパート並みだろうか。投資案件としてみれば、まあまあというところだろう。ただし発電だけで見ればそうしたシミュレーションになるが、もしも排熱回収すれば格段に採算性は高くなる。発電効率は25%だが、熱電併給にすれば最大効率は75%に上昇するからだ。もっとも土地の購入コストなどを考えれば、魅力はその分減る。

こんなやりとりをしながら、はっとした。バイオマス発電はあらたな雇用を生むのだ。さらに日本の森林を守ることにもつながる。こうした点をどう考えるかだろう。

税金を投入しないで、プラントが稼働でき、雇用を生み、森林が維持できるのならば、バイオマス発電事業は私欲のための「投資案件」としてもだが、それよりも公共性の観点から「地域再生」として位置づけてもいいのではないだろうか。