「2083―ー欧州独立宣言」日本語版

グローバル極右界の「共産党宣言」、現代世界最大の奇書

2.57 侮教なる我らの国旗 (p595~)

2013-01-05 22:17:12 | 現代欧州
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フョードマン同志(2007年)


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 ジェレミー・クラークソンの「トップ・ギア」は車だけに特化した随一のネ申番組だ。BBC(ブルカ放送協会)の中の良心の灯だ。
 しかし、英国旗を侮教的とする姿勢だけは戴けない。残念なことにこうした動きが西洋全体に蔓延している。植民地の過去を持たないノルウェーにもこうした動きが広がっているのを考慮すると、西洋諸国であるが故にこうした動きが生じているのだ。タイムズ電子版の「奪われる英国性」を引用してみよう。

 今日の事態は異なる。あの戦争について語ろうとすると、ドイツ人に同情せよ、「だって強制収容所を発明したのは英国なんだから」とのたまう精神科医が現れる。
 大英帝国だって?子供の頃は、この小ブリテン島が如何にして世界の4分の1を征服したかを先生が矜持を以て教えてくれたものだ。しかし、今の先生は奴隷貿易を懺悔せよと教えている。
 そうか。ドイツのポーランド侵攻を許すべきなのか。そうか、オラの大々々々々爺ちゃんはガーナの劫火からバルバドスへ何人かを移動させていたから、俺はそのことを自傷しなければいけないのか。そうか、スコットランド人が怒って乳を俺の尻にかけにくるから「俺はイングランド人」と言ってはいけないのか。
 国民はこうした不逞部族の子孫であることに誇りを抱かねばならないのだろうか?しかし、当世の英国人に誇りなど存在しない。我らは苛光なる強姦隊と堕したのだ。英国兵は殺人犯だ。建国の父は盗賊団だ。階級制度は揶揄千万だ。産業革命は北極グマの絶滅となって結実した。
 この国で「俺は愛国者だ」と叫んだら、夜の内に髭面男がやってきて英国国民党の標語を玄関に落書きしにくる。国旗が侮教的とされる国は間違いなく英国だけだ。
 国民性はどうだろう。昔なら、生母が死んだとしても、教育会議はラグビーの名試合をして哀悼しろと子弟を教え込んだものだ。国内で泣く男などいなかった。しかし、今日ではダイアナ妃死去の時に顕現したように、英国人は米国宜しく泣光する。地域ニュースに家が潰れて泣かないデブの貧乏人が写らない日があるだろうか?
 理解できただろうか?今や英国史はすべてが邪悪で、英国式諧謔も侮標だからと吐かせてもらえない。危機に瀕しても事態をありのままに語ることができなくなったのだ。そして、国家公認の癒し系部隊がどんな些細な事でも泣光するよう教示するのだ。

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2.56 イスラム化とスカンジナビアの草泥馬ども(p591~)

2013-01-05 21:42:54 | 北欧
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フョードマン同志


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 ドイツ人記者ヘンリク・ブロデルは2006年のデンマーク預言者戯画騒擾をこう記した。「客観的にみて、この騒擾は杯の中の嵐だ。しかし、これは紅世なる「文明の衝突」舞踏会の準備に過ぎない。ムスリムは疾風迅雷に大衆を動員したが、自由西洋は対抗せず貿易のみを気にする草泥馬となった。イスラム主義者は「西洋など張子の虎」と思っている」
 2008年、この戯画の再掲載とオランダ人ヴィルダースによる映画フィトナの公開に抗議して、アフガン議会の外部に「イスラムの敵に死を」と叫ぶ抗議団が押し掛けた。それでも、アフガン国内では原理主義的な教育を行う学校にデンマーク政府が資金援助している。ヨルダンでは「偉大なる預言者様が我らを結ぶ会」が蘭丁製品の不買を呼び掛けている。デンマーク・ムスリム協会のハリド・サムハは欧州人権裁判所に提訴すると脅し、戯画を制作した「ユランス・ポステン」のクルト・ウェスターガードの殺害計画も発覚した。
 ブルース・バウアーの『欧州お昼寝中』の一章「スカンジナビアの勇気と草泥馬」ではパキスタンでの対デンマーク爆弾事件をこう記す。

 6月2日、デンマーク大使館前で車爆弾が爆発した。アルカイダらが預言者戯画騒擾で責任を認める声明を出した。ウェスタ―ガードへの殺害計画に抗議するため、相当数の日刊紙が例の戯画を再掲載して連帯したのが発端だった。この3年間、デンマークのマスゴミはユランス・ポステンの方のみを糾弾していた。テロ事件の根源は、マスゴミの側にある。

 同時期のパキスタンで出たように、シャリーアでは侮教死罪だ。バウアーはデンマークとスカンジナビアを比較してこう語る。

 スウェーデンはデンマークと異なる。ある政論サイトが戯画を掲載すると、政府は警官を出動させて閉鎖させた。近年国内のラルス・ヴィルクスが戯画騒擾を起こした時は、ラインフェルト首相自らがムスリムの大使たちと面会し、その「宥和精神」を称賛された。
 ノルウェーもこの点では同じだ。マガジネット紙が戯画を転載したところ、国連羨望の「和諧の国」は表現の自由を放棄し、ムスリムの不快感に媚態した。そして、イェンス・ストルテンベルグ首相臨席の下、同紙のセルベック編集長はイマームの前での謝罪に追い込まれた。これは現代ノルウェー史に残る恥辱天翼の行為だったが、記者たちはこの売由行為を和諧の勝利と礼賛した。
 正に、イスラム代表のハムダンがセルベックの腕を掲げて赦免する光景はシャリーア法廷そのものだった。
 
 (中略)

 ハムダンは確信犯だ。兄弟のオサマはハマスの議員なのだ。ハムダンは2006年の国会会議では、通事としてハマスを援助していた。2007年、左翼のストルテンベルク政権はハマスのパレスチナ新政府を真っ先に承認し、追随を呼び掛けた。ハマスはムスリム同胞団の支部であることを、党綱領に明記している。そんな組織への資金援助をストルテンベルクは容認した訳だ。
 2007年6月、当時のジョナス・ガフル・ステーレ外相はこの戯画騒擾が発端となって生まれた全球メディア対話をオスロで開催した。ここの調停役はサウジだった。対話ではイスラム国セネガルのドゥードゥー・ディエネ国連「人種主義・嫌外人流・不寛容」特使が多文化社会の創出に報道機関が積極参与するよう訴え、移民規制派政党の躍進に懸念を示した。
 こうした試みは対話以前から行われていた。英国ではBBCが多文化主義を翼賛し、デンマークでは戯画騒擾の最中にデンマーク・ラジオがイスラム宜しく「ヒジャーブ娘」審美会を開くと発表した。ダニエル・パイプスのいうように「自虐西洋人が大学、マスゴミ、宗教界、美術界の意見領袖として不相応に大きな力を持ち、ムジャヒディーンの援軍として奉仕している」のだ。
 2008年、ノルウェーはトロンヘイムの地域紙アドレセアヴィセンがデンマークの戯画作者と連帯しようとしたが、バウアーによると、

 アドレセアヴィセンの戯画に預言者は不在だったが、ムスリムの「穏健派」弁護士アビド・Q・ラジャはマガジネット契約の精神を同紙は理解していないと火病し、「誤解」を招かぬよう出版を中止するよう唱えた。すると、パキスタンの大使がこの戯画を「市民に危害を及ぼし得るテロル」と警告した。これがテロルなのなら、ノルウェーは正にオーウェル郷だ。
 小説家ダグ・ソルスタッドがこの主張に同調した。テロルの数日前、[ウェールズ系英国国教会大司教の]シャリーア論に匹敵する発言を行ったのだ。シャリーアに言及した訳ではないが、数々の傑作を駄作海溝に落とした表現の自由は必ずしも望ましきものではないと述べたのだ。

 共産運動に同調的だったソルスタッドの言動は特殊ではない。言論の自由原理主義に批判的なノルウェー人は多い。
 幸いなことに、これを批判するノルウェー人もいる。ノルウェー報道協会のエドガル・コックヴォルド会長は死刑状を受けるほど検閲に反対しているし、保守党のハルグリム・ベルグ元議員もユーラビア化と反米主義に異を唱えている。2005年、ノルウェー進歩党のカール・ヘイゲン党首に警官の保護命令が出された。イスラエルを支援しなければ、イスラムは欧州を次の標的にすると。しかし、他の政治家、特に保守系キリスト教民主党のボンデヴィク首相はヘイゲンの方を非難した。こんな状態では、進歩党はやがてノルウェー労働党を上回ることだろう。
 北欧諸国での反イスラム運動の波は弱い。それでも、デンマークは西洋一の反イスラム国を目指して孤軍奮闘している。

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