【 閑仁耕筆 】 海外放浪生活・彷徨の末 日々之好日/ 涯 如水《壺公》

古都、薬を売る老翁(壷公)がいた。翁は日暮に壺の中に躍り入る。壺の中は天地、日月があり、宮殿・楼閣は荘厳であった・・・・

「人間は何処に…」新・人類進化の道 =B06=

2020-03-01 06:02:11 | 浪漫紀行・漫遊之譜

DNAを分析すると 生物の進化の歴史を辿れる 人間でも同じこと

人間の細胞にある「ミトコンドリアDNA」というモノを扱って

ミイラや古い人骨などからそのルーツを解明、「人間とは何か」を問う

国立科学博物館人類研究部研究グループ長 / 篠田 謙一

【この企画はWebナショジオ_【研究室】「研究室」に行ってみた を基調に編纂】

(文=川端裕人/写真=藤谷清美、& イラスト・史料編纂=涯 如水)

  篠田謙一(第三回) / インカ帝国の神話をミイラで証明! =2/2= ◆◇

   篠田さんの研究室の実験室には、DNAを分析するための一連の装置が揃っている。とりわけ重要な「PCRにかける」について簡単に。

    PCRとは、DNAの特定の部分を選んで複製し、分析するのに充分な量になるまで増やすための技術だ。篠田さんが扱っている昔の人骨(歯)にはわずかしかDNAが残されていないことが多い。それを、PCRによって分析可能な量に増やすことができる。PCRは、分子生物学的な研究ジャンルそのものを開拓してしまったほどの衝撃をもたらした手法で、開発者はノーベル化学賞を受けている。篠田さんの研究室にも当然ながら、PCRの装置がゴロゴロ転がっている。

 とりわけ、印象的だったのは「クリーンルーム」にPCRをはじめとする、分析のための機器が備え付けられてる一角だ。

 その理由は……

「ここ、僕だけしか入らないんです。古代の人骨の専用の部屋で、一番奥で作業します。人間のDNAを扱うので、もしも、だれかの体の一部、例えば、ふけですとか、皮膚の欠片ですとかが入ったら、コンタミ(汚染)になってしまうので」

 なるほど、昔の人骨や歯を材料に、人間のDNAを見ようとしているわけで、我々自身が持っている「人間のDNA」が汚染源になって、結果をかく乱してしまうことがありえるのだ。

 さて、このような研究環境のもと、最初に分析したのは、前述したシカンの遺跡から出た人骨からのもので、それは島田教授との共同論文になった。しかし、「人類史」を研究する篠田さんにとって、それは単に始まりでしかなかった。

「ある時代のシカンのことは分かった。でも、前の時代がわからないと、シカンがなぜできたのかわからない。そこで、前の時代をやると、今度は、シカンのあるペルーの北海岸だけじゃなくて他の地域もやらないとわからないと、どんどんどんどん何か話が大きくなってですね、ずるずる抜けられなくなって……」

 というふうに、篠田さんと南米アンデス地域との関係は、どんどん深まっていった。

 篠田さんの南米での研究成果を紹介しておく。それは、インカの起源にまつわるものだ。

「実は、アンデスの民族集団の中で、インカは少数民族なんです。彼らは、13世紀から14世紀ぐらいに、後に帝国の首都となるクスコのあたりから一挙に領土拡張を始めるんですが、そのインカ族がそもそもどこから出てきたかは、わかってないんですよ。スペイン人が書き残したインカ神話にある通りチチカカ湖の周辺からなのか、元もとクスコのそばの民族だったのか。チチカカ湖の神話も、日本でいえば高天原みたいなものですから。そこで、インカのDNAと同時代のペルーのあちこちのDNAと比べたのですが、やはりチチカカ湖の周辺の人たちと近いんです。だから、チチカカ湖から来たという神話が正しいというのが、DNAから導かれたインカの起源の1つの結論です」

 また、今回のインカ展で紹介されるチャチャポヤ人のミイラについても、ミトコンドリアDNAを分析して、現在、チャチャポヤに住んでいる人たちの先祖だと確認している。実は、現在のチャチャポヤでは、かつての文化がいったん「切れた」状態らしく、地元の人も、コンドル湖周辺の墓地からでる人骨やミイラを、自分たちの祖先ではないと思っていたらしい。しかし、実際はそうだったというのだから面白い。ほんの4カ月前に明らかになった発見だそうだ。

 なお、ミトコンドリアDNAの分析は、前にも述べたように、このようなローカルな話題だけでなく、地球規模の「人類史」を描くこともできる。アンデスのミイラを導入編とすると、そこから先は非常にスケールの大きな話になる。

次回“ミトコンドリアDNAでわかった人類の歴史”に続く・・・・・

◇ 武田邦彦/講座 : 日本人はどこから来たのか?

・・・https://youtu.be/TNrTA_GQtHo?list=RDTNrTA_GQtHo・・・

動画再生不能の時は上記URL(⇑)をクリックしてください 

//////参考資料/////// 

■□ 参考資料: DNAで読み解く日本の古代史(1/6) □■

先日も卑弥呼の時代と思われる鏡が魔鏡であったというニュースがありましたが、あの鏡も中国では発掘されておらず、また未だ邪馬台国の場所さえ確定されてないという停滞した日本の考古学ですが、科学的なアプローチから日本の歴史を知ろうという試みも進んでいます。 =以下、“日本人になった祖先たち―DNAから解明するその多元的構造 (NHKブックス) / 作者: 篠田謙一(出版社/メーカー: 日本放送出版協会) ”のダイジェストを記載

 第1章 遺伝子から人類史をさかのぼる

  個々の遺伝子を特定の血縁で追求することは不可能ですが、親の持つDNAがそのまま子孫に伝わるものも存在します。それが母から子どもに伝わるミトコンドリアのDNAと、男性に継承されるY染色体を構成するDNAです。 ミトコンドリアのDNAは構造が比較的単純で80年代から研究が続けられており、各地域民族のデータがかなりそろっています。

 Y染色体の方は、ようやく世界各地の人が持っている変異の全貌が明らかになりつつあるところで、系統の研究に関してはようやく制度の高いものが出つつあるところです。ミトコンドリアDNAの多様性に関する研究の結果、DNAの制限酵素切断パターンとregion Vの九塩基欠損によって大きく四つのグループに分けられることがわかりました。

それぞれのグループにA~Dの記号が付けられ、このグループを専門用語でハプログループと呼びます。ハプロとは「単一の」という意味です。その後も制限酵素認識部位の変異が、世界の各集団で続々と見つかり、数十のハプログループが認識されるようになりました。

 現代人の遺伝子に見られる変異の分布が偏りを持っているとき、その分布の状態から人類の拡散の様子を類推することができます。

 明日に続く・・・・・

  • 日本人のルーツをさぐる旅2 

・・・https://youtu.be/KuK9F2SIBa8・・・

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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽  憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・

森のなかえ

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