【 閑仁耕筆 】 海外放浪生活・彷徨の末 日々之好日/ 涯 如水《壺公》

古都、薬を売る老翁(壷公)がいた。翁は日暮に壺の中に躍り入る。壺の中は天地、日月があり、宮殿・楼閣は荘厳であった・・・・

宿主操作を行う寄生生物研究/佐藤拓哉(10/11)_学究達=633

2024-01-17 05:10:07 | 冒険記譜・挑戦者達

ⰧⰊⰧ Intermiussion/幕間 =狂(きょう)の出来事=令和六年01月17日<ⰧⰊⰧ

☆ きゃあ!顔はやめてぇー!!と悲鳴を上げながら、大日本帝国海軍のアイドル・那珂ちゃんが引退に追い込まれる(1944年)。 ☆ 横浜市の聖母の園が火の海となり、98人ものお婆さんが聖母マリアの許へと召されることに(1955年)。 ☆ ヒトラーのカブトムシがアメリカの丁車を繁殖数で上回り、ヒトラーとも御縁があったフォードがあの世で歯痒い思いをすることに(1972年)。

本日記載附録(ブログ)

宿主を操り、自らに都合のよい行動を取らせる寄生虫がいる

聞いただけで気持ち悪いが、そんな寄生虫であるハリガネムシ

宿主カマキリから遺伝子を受けることで、宿主操作を成し遂げている

ハリガネムシと宿主の異常行動を、森と川の生態系の中に位置づけて研究

 専門分野は生態学、宿主操作のメカニズム研究者・佐藤拓哉(10/11) 

【この企画はWebナショジオ(文=川端裕人、写真=的野弘路)】を基調に編纂(文責 & イラスト・資料編纂=涯 如水)

 第6回  ハリガネムシがつむぐ「森と川のフルコース」詳細レビュー  =1/2= 

たしかに、森と川をつなぐエネルギーの流れは、陸から川へ(カマドウマの飛び込み)というのもあれば、逆に川から陸へのパターンもある。そもそも、カマドウマは、羽化して川から飛び立った水生昆虫を食べてハリガネムシに感染する。こういった、複雑な系の背景にある、基本的な繋がり方を解明するのは、それこそ生態学の本分であろう。

「野外で大きな実験するとメンテナンスも大変だから、せいぜい数カ月とかで今まで終わってるんですけれども、もっと長い時間スケールで、生物群集とか生態系が安定しているのかどうかを知りたいんです。例えば、擬似的な森と川を設定して、全部ビニールハウスで囲って、そこにハリガネムシがいたりいなかったりするような状況をつくり出すと。それで、ハリガネムシがいることで森と川のつながりが時間的に安定するかどうかみたいなことを知りたいんですよ。それをできるところを探しています」

 一方で、分子生物学的な手法の発展から、生態学が今までの枠に留まらなくなっていることも指摘する。

「今までの生態学は、個体や個体群、いろんな種の個体群が集まって生物群集といったあたりの、どっちかというとマクロな相互作用を解明しようとしてきたんですが、今の生物学って遺伝子レベルまでどんどんミクロに見ていくじゃないですか。だから、僕らが今まで見ていた個体とか個体群とか生物群集レベルのマクロな生き物のつながりが、遺伝子レベルでどんなふうに規定されてるのかっていうような、生物学の階層をつないで全体を理解するような方向にも行きたいと思っていまして。実は、まさにハリガネムシがどういう遺伝子を使ってタンパク発現を規定して、宿主の行動を操作して、どういう日時や場所にカマドウマを飛び込ませるか。その先で渓流魚がどういうふうに資源を利用するかとか、そういうつながりが分かるようなデータを積み重ねていきたいというのが、もう1つの方向性ですね」

第6回 ハリガネムシがつむぐ「森と川のフルコース」詳細レビュー =1/2=

 京都大学の芦生研究林で、深夜、林床をさささっと動き回るカマドウマに会い、翌日の日中、水中のハリガネムシと、サケ科渓流魚、ヤマメやイワナと会った。

 佐藤さんが、今回、彼の「研究室」である森で見せてくれた「フルコース」はそのようなものだった。

 単一の種というよりも、生態系の中のエネルギーの流れの中に位置づけられた存在として語る部分が大きかったのだが、そういう話題が一段落した後で、今度は生き物の方を中心にもう一度振り返っておきたい。わずかながらフィールドで触れあった「彼ら」をめぐるあれこれについて落ち穂拾い。

 まずは渓流魚。

これは美しい。ありていに言って、美しい。

 佐藤さんはもともと渓流魚の保全研究者で、サケ科の魚の話題になるともう感情移入しまくりだ。同行した編集者もカメラマンも上級の釣り人なので、芦生研究林のヤマメやイワナの美しさに感嘆していた。ぼく自身も、「宝石のような」とかありきたりの言葉を臆面なく使おう。

 だから、今も佐藤さんの心の中心には、宝石のような渓流魚がドカンと居座っているのは無理もない。

「学会で人に会うと『ハリガネムシの佐藤さんですよね』とか、言われるんです。でも、僕は『ハリガネムシを通して、渓流魚の研究をやっているんや』って、声を大にして言いたい。ハリガネムシの佐藤、違いますよ(笑)」

 美しい渓流魚と対極にあるのがカマドウマ。

 人気がない、というか、ゴキブリなみに嫌われている昆虫として登場し、今回の「エネルギー流」の中でも、行動を操作された上で、単にムチムチした特上の食べ物として扱われるなど、かなり不憫だ。こういった寄生する・されるの関係で、カマドウマ側になにかメリットはあるのだろうか、と素朴な疑問が浮かんできた。

「ああ、それ本当にいい質問やと思います。この系って、カマドウマにとって救いがなさ過ぎるんですよね」と佐藤さん。

 やっぱり、「救いがなさ過ぎる」ものらしい。カマドウマにはまことにご愁傷さまだ。それでも、ハリガネムシの寄生のせいでカマドウマが絶滅してしまわないようには出来ている。

「ハリガネムシに感染されるカマドウマって、川から50メートルも離れるとガクンと少なくなるんですよ。水生昆虫の分散に依存しているので。だから、その範囲の外に母体があるような個体群やったら、個体群としては大丈夫。あるいは、カマドウマ2種がすごく競争しているような系だったとすると、これは生態学の理論でよくあるんですけれども、片方が多くなってくると確率的に感染が高くなるので、川に飛び込んで殺されるのが増えると。そうすると今度は、もう片方の種が増えてくるとか──」

次回は“ ハリガネムシがつむぐ「森と川のフルコース」詳細レビュー =2/2= ”に続く・・・・・

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https://youtu.be/DJiXN90862M== ハリガネムシは寄生したカマキリを操作 ==

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