人生は
「得手に帆を上げて」
生きるのが最上だと信じている。
各人が一番得意なものに全精力を打ち込んで人に惜しみなく与え、
自分の欠陥は人に補ってもらうというのが、
道徳教育の基本になるきである。
技術よりたいせつなのは人間の思想であって、
考え方がしっかりしていれば、技術はあとからついてくる。
人間というものは、悲しさ、無念さを心底から味わいながら、
それに耐えなければならない。
耐える心に、新たな力が湧くものだ。
全てそれからである。心機一転、やり直せばよいのである。
長い人生の中で、そのための一年や二年の遅れは、モノの数ではない。
本田宗一郎