(言志録10)
人は須(すべか)らく自ら省察すべし。
「天何の故にか我が身を生出し、
我をして果たして何の用にか供せしむる」と。
我既に天の物なれば、必ず天の役あり。
天の役共せずんば、天の咎(とが)必ず至らむ。
省察して此に到れば、
我が身のかりそめに生くべからざるを知らん。
人は必ず自分自身を省みて考えるべき。
「天はどんな理由で私をこの世に生み出し、
私に何をさせようというのだろうか」と。
自分はすでに天が生んだ物だから、
必ず天が命じた役割があるはずだ。
天が命じた役割を果たさなければ、
必ず天罰が下るはず。
自ら反省してここまで考えると、
世の中いい加減に生きるわけにはゆかない。
★まさに天命の重さを感じる