Tribe Color Time

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世界一。

2007年12月17日 | スポーツ

決勝はミランvsボカ。
前半でカカが持ち込んでシュートした所を、
インザーギ流し込み先制点を入れるが、
その1分後にボカが隙をついてショートコーナーから見事な同点。
前半戦は本当にボカが素晴らしかった。
攻守ともに全てがバランスよく動きレベルの高さを見せつけた。
対するミランは攻めるもボカの網にかかり、
それほど決定的な場面を多く作ることはできなかった。
一番大きかったのはカカへのプレスを強くしていた事だ。

しかし後半直後、ミランがコーナーから1点。
これが大きかった。
ボカの考えは前半同様にこのままの状態でいけるというものだっただろう。
守備を主体にして、攻撃というパターン。
前半戦はこれが見事に成功していたからそういう指示が出てたと思われる。
でも失点があまりにも早すぎた。
後半始まって直後の失点というのは時間があるから大丈夫という見方もあるが、
前半戦がよかっただけに上に書いていたような指示が出ていたら、
精神的ダメージを受け一気に勢いは無くなる。

この点数は大きいなと思って見ていたら、
案の定ボカの選手の動きが鈍くなった。
今まで通っていた前線へのパスも通らなくなり、
逆にミランにプレスをかけられる状態。
前線と中盤の距離もひらいてしまい、
これでボカは何もする事ができなくなった。
そしてディフェンスは甘くなり、フリーな選手ができる。
ここでいい活躍をしたのがセードルフだ。

今までの俺から見たミランの攻めというのは、
ピルロを起点として始まるサッカーだったが、
この試合だとセードルフが試合をコントロールしていた。
ピルロが起点の攻めというのはピルロ自身は中盤の底にいて、
前線が動いてフリーを作り、そのフリーな選手にパスを出すという始まり。
しかしセードルフが起点の場合はセードルフ自身が前に走る。
そして周りの選手も一緒に走る為にディフェンスは読みづらい。
これは普通の攻め方なんだけど、
スピードが違うのと、中盤の守備の厚さがあって成り立っている攻撃。
ほぼカウンターに近い。
それとここにハマる最後のピースがカカという感じだな。

試合前にカカのドリブルの事を色々言ってたけど、
スピードが強烈に早いというわけではない。
TVでも言っていたようにフェイントを入れているわけでもない。
けどただ真っすぐに走っているわけじゃない。
じゃあどういうドリブルかというと、
強烈に素早いチェンジオブペースだな。
普通チェンジオブペースというのは、
ゆっくりから一気にスピードを上げたり、
スピードを上げた状態からスピードを落とすというもの。
この緩急で相手を翻弄するというものなんだけど、
カカの場合はスピードはほとんどそのままで、
一瞬だけスピードを落とし、すぐにまたトップスピードにはいる。
この切り替えが本当に速い。本当に一瞬だ。
これは普通の人の体でできるもんじゃないな。
今回久しぶりにカカを見て今までのカカとはまったく違うと思った。

という事で一気にミランは点を重ね勝利。
ボカは諦めてはいなかったけど、
チームってのは誰か一人でも諦めたら勝てないんだ。
特にこれだけレベルの高い戦いの中では。

ミランは強かった。
でもこれだけ強いのにセリエでは勝てないってのは疑問だな。
これはセリエの試合を見てないからわからん。
とりあえずマルディーニおめでとう。