MARKETER’S BLOG【小太郎がゆく】

【小太郎がゆく】はマーケター小太郎がいろんなところで出会うさまざまなヒトやデキゴトについて等身大で描いていく日常見聞ログ

【小太郎がゆく】巻の八

2002年05月27日 | エッセイ【小太郎がゆく】
「小太郎がゆく巻の八」まえがき

ワールドカップも間近になりました。
街を歩いていると、関係のあるなしにかかわらず
こぞってワールドカップ関連の販促を行っています。

販促効果のほどはわかりませんが、
日本チームの予選突破、決勝進出、優勝、
そして思いもよらない景気回復(笑)などと
身勝手な期待だけはふくらんでしまいます。

前回は「住」関連の内容でした。
「neue(ノイエ)」という言葉が、
思いのほか好印象だったみたいです。

今回は、「食」関連で「メッセージ」を取り上げました。

それでは【小太郎がゆく】はじまり、はじまり。
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【小太郎がゆく】巻の八

「お食事系外食チェーンに見る『伝えたいその想い』」


◆♪ fragile


言葉が不器用すぎて
邪魔ばかりする
好きなのに伝わらない
こんな想い 切なくて
words by Kaori Mochida

思っていることを伝える。
一見なんの変哲のないことのようだが、案外むずかしい。
ふだん何気なく見ているお店の中にも、様々な「想い」がある。
今回は外食戦国時代をしたたかに生き抜く
「お食事系」外食チェーンの店頭にメッセージを見た。


◆列なす若者に伝わるか、創業の志

渋谷駅から青山学院へ向かう宮益坂。
坂の登り口に「心のこもった家庭料理」を売りにする外食チェーンのお店がある。
価格と手作り感のバランスが良く、支持されている。
場所柄、客の多くは学生や二十代のOLやサラリーマン。
その店内の一番奥に、この企業のコンセプトが大書してある。

むかし懐かしい
駅前食堂、五十円食堂として
スタートした私たちです。(昭和三十三年)
「かあさんの手作り料理を
お値打ち価格でお客様に」
を“愛”言葉に………
「おかあさん おなかすいたよぅ」
こんな言葉に
こんな心に
こたえたい。 大戸屋店主



◆再認識「ホスピタリティーも商品」

味とボリュームで人気の郊外型ファミレス。
カウンター席に座ると、ほっとするPOPが目に入った。

お母さんへ
お子様は散らかすことの名人です。
私たちも幼いころはそうでした。
テーブルの上や席のまわりの汚れ等を
一切お気になさらないでください。
私共、店の者がかたづけます。
私共の店にいらした時ぐらい
ゆっくり召し上がってください。
お母様 「かつ正」スタッフ一同


◆最優秀助演賞は「錦ごま」

地下へと続く階段には客足が絶えない。
恵比寿駅近く定食チェーン「おはち」は昼時ともなると階段の上まで行列が伸びる。
上質な素材と手作りが売り物のこのお店、主役は「コシヒカリ」。
この主役を盛り立てる脇役に、さりげなくスポットを当てた演出に好感が持てる。

<おいしいご飯をもっとおいしく>
米だけじゃない「おはちのこだわり」
《錦ごまふりかけ》
「ごまかす」の語源と言われるほど、何でもおいしくしてしまう「ごま」。
最近ではセサミンなどの成分が健康や美容に良い事がわかり、
注目の食べ物です。
「錦ごまふりかけ」は、香ばしく炒った白ごまにしょうゆをまぶした、
薄味のおいしいふりかけ。
おはちのおいしいごはんをさらに引き立てます。


◆伝えたかった相手は他ならぬ…

「内向け広告(インナープロモーション)」
内部の人間に何かを伝える場合、
メディアを通じて外から入ってくる情報の方が説得力をもつ。
企業などは、組織改革などに伴う新方針を打ち出す際、
社長が社員を集めて講演する一方で、
意識的に記者会見をしたり取材を受けたりする。
(朝日新聞2001年4月28日朝刊)

果たして、今回の外食チェーンの「想い」は伝わっているだろうか。
店内に掲げられたメッセージは、お客さまだけに向けられたものだろうか。
実のところは、お客様と同様に、あるいはそれ以上に、
お店で働くスタッフへ発信されているものに違いない。

お店でサービスを受けながら、ふとそう思った。

次回『小太郎がゆく』、乞うご期待!

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Marketer's Essay【小太郎がゆく】<バックナンバー>
№000 序 章「おにぎり的な私」
№001 巻の壱「うりばのちからを信じています」
№002 巻の弐「スローバックなスーパースターにまなぶ」
№003 巻の参「いちねんの計は?やっぱりうりばにあります」
№004 巻の四「数字が教えてくれるもの うりばが教えてくれるもの」
№005 巻の五「目は口ほどにものをいう 耳は目以上にものを見る」
№006 巻の六「お酒飲む人 花ならつぼみ 今日も咲け咲け 明日も酒」
№007 巻の七「調査とは旅すること 旅することとは見聞きすること」
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