介護福祉は現場から 2007.02.22-2011.01.25

新しいブログにリンクしています。7つのテーマにわけました。引き続きお読みください。

介護保険の日独比較(続)

2008-03-13 09:34:36 | 地球→ドイツブログ
【2005日本の改正】
『社会保障改革』(ミネルバ書房、2008)
の第2部 介護
の冒頭
第4章 介護サービスの質と新しいサービスモデル
を読んできました。

日独両国は、介護問題に対して、社会保険方式で対応しているという共通点はあるのですが、

○ ドイツには、現金給付がある。(受給者は、現物給付より多い)

○ ドイツには、ケアマネジメントの仕組みは無い。

ことなど、
日独には、大きな違いもあることがわかりました。

今日、紹介する予定の
「3.新しいサービスモデル」ですが、
ドイツでは、保険財政が比較的安定しているので(詳しくは、次回第5章で)
日本のような「新しいサービスモデルへの取り組み」はほとんどなく、
この節では、日本の2005年改正の意図と概要が紹介されているだけで、ドイツのことは触れていません。

【文献案内】
というわけで、「日独比較」のシリーズという看板からは
とくに紹介することはないのですが、
第4章に挙げられている参考文献から、いくつかコメントして、責めをふさぐことにします。

*2005年の日本の法改正については、
・共著者の土田武史先生も橋本泰子先生も、政府の審議会の委員をされていることと、
・執筆当時、まだ、改正法の影響や問題点が論じられていなかったせいもあってか
改めて、この項で説明するべきことは少ないです。

*社会保障に分野で30年近く国際的に続いた市場原理的な傾向は修正される機運にある、との注目すべきコメントでこの章を終えている(p126)ことを両先生の名誉のため付言しておきます。

第4章の末尾には、
・邦文文献7点
・ドイツ語文献5点
・英語文献1点
が挙げられています。

【第4次介護保険報告】
ドイツ語の文献には、ドイツ政府の介護保険制度に関する第3次報告(2005)があげられていますが、
私のこのブログ(1/17)では、第4次報告(2008.01.16)のことを書いています。
*ドイツ語さえ読めれば、簡単にウェブサイトから読むことができます。

【日独シンポのドイツ側報告】
この本の各論文は、日本とドイツの専門家が、報告しあって、討議した内容を反映しているので、優れた比較研究となっているわけです。

その日本側のメンバーの研究成果は、いま読み進んでいる本ですが、
ドイツ側のリポートを元にした英語の論文が、国立社会保障・人口問題研究所のサイトの英語版、6項目の
Web Jounal
に掲載されています。

The Japanese Journal of Social Policy, Vol.6, No.1, March 2007

がそれで、
本章でもたびたび引用されているRotgangらの論文も掲載されています。

国立社会保障・人口問題研究所(英語版)

*写真は、昨日午前、バスを降りて、キャンパス1号館を臨む。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 知的後見を制度化するため具... | トップ | 【新書短評】『高学歴ワーキ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

地球→ドイツブログ」カテゴリの最新記事