介護福祉は現場から 2007.02.22-2011.01.25

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知的後見を制度化するため具体的な理念

2008-03-12 21:03:38 | 成年後見
【文献の海でおぼれそうに・・】
細川瑞子『知的障害者の成年後見の原理』(信山社、2007)を読んできました。

3月9日に第5章「知的障害者と成年後見制度」に入り、根本の理念を吟味しました。
3月10日、「2 理念の具体化」に進んだのですが、内外の思想家を紹介しているうちに終わってしまいました。

今日は、この理念を具体化しようとして、著者が28ページにわたって整理しているところを、
次の3つにまとめてみます。
(この展開を思いつくまで、今回の箇所を4回読み直しました。著者の意図に合っているかどうかはわかりません・・)

1 生きにくい社会となった背景
2 「正義」と「ケア」という原理
3 新しい公共的な集団の形成へ

【市場という海】
「措置という狭いボートから降りる自由を得た(知的障害者は)、実際は、市場という大海に放り出され、
自分の力で獲物を得るどころか、藁をつかんで溺れてしまうのが関の山であろう」 p236

1990年代以降、日本を席巻してきたアメリカ的な新自由主義の弊害は、知的障害者にも強く作用した。 p235、p242

【ケアの倫理】
このような状態に対抗するには、
・ニーズを持つ側からみた「権利」としての「正義」と
・サービスを提供する側についての「義務」の観念としての「ケアの倫理」
の2つが対概念となるべきである。
  p241

「権利」と「正義」を振りかざす強者の倫理ではなく
他者の置かれた立場に目線を合わせる人間像と倫理=ケアの倫理が不可欠 p243

【連帯の道へ】
このような方向へ進むためには、
・直接触れ合える範囲における集団で意見を交わすことからはじめる p228
・新たな見知らぬ人どうしの連帯を模索する動きは、たえず、今も続けられているはず。  p249
・お互いの顔の見える大きさの地域社会において、お互いを知りつつ、お互いを配慮し、責任を持つことのできる関係を作っていく
→成年後見人と知的障害者の関係においても考えていくべき。  p250

*写真は、今日昼ごろ、4号館裏手。沢山の鳥がいたのですが。
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