介護福祉は現場から 2007.02.22-2011.01.25

新しいブログにリンクしています。7つのテーマにわけました。引き続きお読みください。

第3557号 どのバトンを運ぶのか?

2010-03-11 14:01:52 | 政治社会
写真は、東京の雪景色。おソ松な日々Ⅱ 2010.03.10 からお借りしました。


第3555号 社会福祉に関する学会 の中で、阿部志郎先生の「時代を導く総合的な構想を」といっておられた。


【観念的な学会】
日本ソーシャルワーカー協会の鈴木五郎会長は、「日本ソーシャルワーカー協会会報」の巻頭言で、社会福祉士の新しいカリキュラムで始まった教科書の批判をされていた。

「社会福祉とは何か?」
という、基礎的で重要なテーマをあつかう教科書で観念的な論議を展開されていることを紹介され、批判されている。

私自身も、高校を出たばかりの学部1年生に「社会福祉概論」を講義しており、この新しい教科書をよく読んでみたが、鈴木会長と同じ印象を持ちました。

1月31日に行われた第22回社会福祉士国家試験から、新カリキュラムによる試験となり、試験問題が注目されましたが、この教科書に従った出題というか、いまの日本の社会福祉が当面する課題に立ち向かうというスタンスはありませんでしたね。


【経済と福祉】
私は、これからの社会福祉を考えるには、経済構造の大きな変化を踏まえないと方向は見えないと思います。

というわけで、ロンドン・エコノミストの編集長を長く勤めたビル・エモットの『変わる世界、立ち遅れる日本』(PHP新書)を読み始めていたのですが、さきほど読み終えました。
第3543号 2010.03.03

この本の要点は、

1 経済危機によって世界の不平等問題が拡大した。pp.177-179

2 これからの世界経済は、(アメリカではなく)中国の経済政策に影響される。p.122ほか

3 アメリカ、日本、中国とも、(所得の不平等問題に対応して)所得の再分配を重視する方向に動いている p.68, p.182 ほか

とまとめることができると思います。

つまり、「福祉的な姿勢と方向をもった経済政策」が世界共通の時代の方向だということですね。


【倫理の問題】
阿部志郎先生は、論理と情熱のほかにエトス(倫理)の問題をあげておられた。

社会福祉の倫理という点では、

介護福祉の分野において、私は、最近、2つの具体的な提言というか思想に接しました。

藤本一司 『介護の倫理』

であり、

「笑わせてなんぼの介護福祉士」 思いのバトン 

です。


【どのバトンを運ぶのか?】
このような倫理的な(簡単に言えば、「思想的な」ということですが、「思い」でもいいですね)基軸に支えられて、どのようなバトンを運ぶのか?

介護福祉政策の分野で最近私が教わった「バトン」を2つあげましょう。

人生の黄昏 のy-burn氏

昨日 第3556号 でまとめてみた「Think Power」の又佐氏

これらの「バトン」は、日々の仕事と暮らしの中からつむぎだされたものであり、研究室で「研究のために研究」されたものではない。

                          《1843字》
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