「もののあはれ」の物語

古き世のうたびとたちへ寄せる思いと折に触れての雑感です。

金木犀の香り

2008年10月08日 | 季節のうつろい
 柑橘系の香りに甘さをさらに足した金木犀の香は、毎年待つものの一つです。好きな香りといったら、友人が届けてくれた苗木が育ったものです。もう半世紀が経過して、今では自分の手では剪定もできない大きさになっています。今が花の盛りです。橙色の4弁花は小さな割には厚ぼったく、固まってくっ付いています。
 ある日突然、庭でよい薫りが漂うといった登場の仕方で、その心地よい衝撃も歓迎します。
 散るのも潔く儚く散っていきます。
 この金木犀が金色の絨毯を敷くころ、銀木犀の白い花が咲き始めますが、こちらは金木犀の後ではほんのりとしか香りを感じません。
 沈丁花、梔子に並ぶ金木犀が、庭の薫りの三羽烏ですが、大きい分、金木犀に存在感があります。
 むかし、食前酒にしていたことのある桂花陳酒はこの花を白ワインにつけたものとか聞きましたが試したことはありません。


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