もはや覚えていない人も多いだろう。いや、そもそも知らない人が多いと思うが、1970年代のアメリカで大ヒットしたドラマがあった。それは『The Six Million Dollar Man (600万ドルの男)』というドラマである。
日本でも放送されていたらしいが、僕が小学生の頃、アメリカで観ていた大好きなドラマであった。そしてなんとこの度、長年狙っていたこのドラマの米国版DVD BOXを入手することに成功した。
米国版DVD BOXなので、再生するにはリージョンフリーのDVDプレイヤーが必要なのだが、自宅には昔アメリカで買ったDVDプレイヤーがまだ健在。そして実家でも見られるように、今回こちらの安い(3,500円くらい)小型リージョンフリーDVDプレイヤーを新たに購入したので、これで観賞準備はバッチリである。
少し解説しておくと、『600万ドルの男』とは、1973年から1978年までの5年間 (5シーズン)、全108話で放送された大ヒットテレビドラマ。主人公は元NASAの宇宙飛行士で、月に行ったこともあるスティーブ・オースティン大佐。リフティングボディ型実験機の滑空テスト中に事故にあい、何とか命は取り留めたものの、左目失明、右腕・両足不随となる重傷を負った。NASAのメディカルスタッフによって失われた人体を補完強化する改造手術を受けて、バイオニック・マン(サイボーグ)となった彼は、その強化された力を使い、政府の秘密情報機関・OSI(Office of Scientific Intelligence―科学情報部)のエージェントとして活躍することとなった。その任務は多岐にわたり、敵役も他国のスパイに限らず、テロリストやマッド・サイエンティストから一般の犯罪者まで様々だった。
この改造手術の費用に600万ドル(放映開始当時の日本円で約18億円)かかったというのが番組タイトルの由来である。今で言う人造人間/サイボーグもので、改造人間という意味では、日本の仮面ライダーやキカイダーにも通ずるものがあるが、『600万ドルの男』はもっとリアリティがあり、また科学の粋を集めた設定が、当時は相当斬新だった。またエージェントとしての活躍は、まるで007ジェームズ・ボンドのようでもあって、とてもカッコ良かったのだ。
スティーブ・オースティンのバイオニックスペックは下記の通り。なかなか痺れる性能だ。
- 左目:望遠20倍;赤外線の範囲まで可視可能、顕微鏡機能。
- 右腕:コンクリートも砕くパンチ力が出せる
- 両足:最高時速60マイル(≒96km/h)で走れる(100m走3秒7)
- 本人の心臓は、右腕/両足に血液を供給不要な為、100km/hで走っても心拍数は平常時と変わらない。
- 義手・義足の動力源は原子力電池。
リアルタイムで放送されていた頃、僕はちょうど小学生でアメリカの西海岸に住んでおり、母が見ていたのにつられて見ているうちに、自分がすっかりハマってしまったドラマだ。今でも時々思い出すくらい懐かしい子供時代の思い出だ。このドラマはあまりの人気で、その後姉妹番組として『Bionic Woman (邦題: バイオニック・ジェイミー)』も放送された。尚、『600万ドルの男』のエピソードでもジェイミーが登場する回が結構あり、人気を博した。スティーブとジェイミーは婚約者という設定だった。
スティーブ・オースティンを演じたのは、リー・メジャースという俳優。あの『チャーリーズ・エンジェルズ』のファラ・フォーセットと結婚したことでも有名な俳優で、この『600万ドルの男』が最大の当たり役であった(ちなみに、ファラ・フォーセットが『600万ドルの男』にゲスト出演したエピソードがある)。今見ても当時のリー・メジャースは如何にも典型的なアメリカ人という雰囲気で、とてもカッコ良かった。僕の中では、先日紹介した『ワンダーウーマン』のリンダ・カーターが典型的なアメリカ人美女なら、このリー・メジャースこそ典型的なガタイのいいアメリカ人のイケメンというイメージであった。やたら開けたシャツの胸元から、胸毛が見えるのが妙に男らしかった(笑)。
このDVD BOXはテレビ映画などの特番も含め全108話が収録されており、まさに往年の米国テレビドラマの映像遺産とも言える貴重なデータである。有名になったオープニングのテーマ曲や、高速で走った時や、バイオニックの力を使った時の効果音は有名になり、当時よく“ごっこ”をする時に口マネしたものである。
そして、この前ネットで懐かしいのを見かけたのだが、当時この『600万ドルの男』フィギュアを持っていたのを鮮明に覚えている。子供の間では大人気のおもちゃであったが、今も持っていたら凄い価値になっていたかもしれない(笑)。
先日入手した『ワンダーウーマン』のブルーレイに続き、またまた子供の頃の思い出深いアメリカドラマをコンプリートボックスで入手出来たのは感無量である。今回ちゃんと観たのは50年ぶりだろうか・・・。その割には良く覚えていることに驚きだが、如何に小学生だった僕にとって、当時観た時のインパクトが大きかったか、ということだろう。108話を全て観るのは時間がかかるが、これからまたゆっくり・じっくり名シーンを観賞したい。
私は私で Mcloud 海外版DVD をチビチビ鑑賞中です(笑)