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思い出の曲44: 杏里の『MEDITATION』

2025-01-18 22:39:26 | 思い出の曲

昨今の“シティーポップ”ブームで、杏里も注目されている歌手の一人だが、そんな杏里の思い出深いアルバムを今回取り上げたい。

1987年、僕はアメリカのハイスクールを卒業して日本に帰国したが、ちょうどこの年に杏里のアルバム、『MEDITATION』がリリースされた。このアルバムは、それまで杏里が制作・リリースしてきたバラードだけを集めたセルフカバーアルバムで、まさに全11曲、珠玉のバラードばかりを集めたベストアルバム的な作品である。昔CDを持っていたような記憶があるが、今はもう手元にないことに気付き、何だかむしょうにまた聴きたいと思っていた矢先、いつものレコード店でたまたまこのアルバムのLPレコードを発見したので、思わず購入してしまった。かなりタイムリーである。

1980年代当時、杏里は『悲しみがとまらない』、『キャッツアイ』、『思いきりアメリカン』などで大ブレイクしていたので僕も良く聴いていたが、特にこの『MEDITATION』は、良く車でドライブ中に聴いていた印象が強い。ドライブと紐づく曲はとても思い出深いし、このアルバムを聴くと今でも当時良くドライブで訪れていた、あの葉山の海辺などを思い浮かべてしまうから、音楽の影響力は凄い。

アルバムに収録されているのは下記11曲。本当にどの曲も思い出深い。曲のタイトルの中に、”Beach”が出てくるものが幾つかあるが、アルバムのジャケットも含め、どこか夏・南国リゾートを思わせる香りが漂うアルバムとなっているのが特徴。

  • オリビアを聴きながら
  • Last Picture Show
  • You Are Not Alone
  • Heaven Beach
  • All of You
  • Oversea Call
  • I Can’t Ever Change Your Love for Me
  • Long Island Beach
  • Sunahama
  • Affection
  • Good Night For You

この11曲の中で、『オリビアを聴きながら』が一番有名かもしれないが、このオリビアとは、あのオリビア・ニュートン・ジョンのことである。オリビアが1977年にリリースした名曲・名アルバム、『Making a Good Thing Better(邦題: きらめく光のように)』のタイトルを引用して、『オリビアを聴きながら』の中に、『Making Good Things Better』という複数系の歌詞が出てくることでも有名。

しかしこのアルバム、他の曲も全て素晴らしいバラードばかりで、甲乙付け難い傑作揃いなのだ。当時もそう思って聴いていたが、38年経った今聴いてもその印象は変わらない。僕は中でも特に好きなのが、『Last Picture Show』、『You Are Not Alone』、『All of You』、『Oversea Call』、『I Can’t Ever Change Your Love For Me』、『Affection』などだろうか。

『Last Picture Show』は、アルバムで唯一英語歌詞の曲で、香坂みゆきに提供した『ラストショー』のセルフカバー。『All of You』は、どことなく松田聖子が歌ったら似合いそうな曲だし、 『Oversea Call』は、海辺が見える夕暮れに、遠く離れた恋人への想いを綴った切ない曲。『I Can’t Ever Change Your Love For Me』は、恋人との切ない別れの歌で、角松敏生の作詞・作曲だ。恐らく角松敏生が人に提供した曲としては、中山美穂に提供した『You’re My Only Shining Star』と並ぶ2大提供曲と言えるだろう。また、『Affection』は、ドラマチックなメロディーで始まるが、これも夕暮れの海辺を連想してしまう名曲である。

通常、これだけバラードばかり11曲を詰め込むとさすがに飽きてしまいがちだが、このアルバムの場合、バラード集ながらとてもバラエティに富んでおり、どこか似ている雰囲気もあるものの、各曲それぞれの個性は際立っており、通しで一気に聴いても全く飽きない内容。もしかすると僕の中では、No.1バラードアルバムかもしれない。

杏里の曲がまた良いのは、曲の素晴らしさもさることながら、歌詞の良さにもある。特に秀逸なバラードの歌詞が美しいメロディーに乗って届けられると、まるで自分へのラブレターのように、感情に訴えかけてくる。18歳の頃に聴いていたというのも大きく影響していると思うが、今聴くとよりセンチメンタルな気持ちにさせてくれる歌詞ばかりだ。

LPレコードで久々に聴く『MEDITATION』は、やはりとても美しかった。80年代のバラードの素晴らしさ、そして杏里の心地良い歌唱を再認識出来るのと同時に、青春の遠い記憶を呼び覚ましてくれる、永遠のバラードアルバムである。と同時にシティポップアルバムとしても見事なクオリティで、今こそ聴き直すにはおススメの80’sアルバムである。


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