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SWスピンオフ第二弾!『ハン・ソロ』公開!

楽しみに待っていたスター・ウォーズ外伝シリーズ第二弾、『ハン・ソロ』が6/29からついに日本でも公開となった。公開が先行していた米国では興行成績が思ったように伸びず、本作の評判がイマイチな中での日本公開にて、いつものスター・ウォーズ級な盛り上がりに欠ける雰囲気の中で始まったので少し心配していたが、スター・ウォーズフリークである僕にはそんなのあんまり関係無い為、公開開始早々早速観に行った。そしてあまりにも面白かったので、1週間の間もう既に2回目も観に行ってしまった。



今回の作品は2年前の2016年に公開された『ローグワン』に次ぐスピンオフシリーズ第二弾だが、あのスター・ウォーズで最も人気のあるキャラクターと言っても過言では無いハン・ソロの若い頃にスャbトライトを当てた作品として早くから注目を集めていた。ご存じの通り、ハン・ソロと言えばあのハリソン・フォードが演じて彼の代表作となったわけだが、これはスター・ウォーズエピソード4に初めて登場したハン・ソロよりも更に十年以上も前の時代を描いている。本作では、ハン・ソロが生涯の相棒、チューバッカと如何にして出会ったか、そしてあの『ミレニアムファルコン』号をどうやって手に入れたか等、スター・ウォーズファンなら誰でも知りたいエピソードが詰まった作品なのだ。



ハン・ソロはやがてレイア姫と結ばれ、ベン(カイロ・レン)の父になるのだが、実は若い頃は別に好きな女性(元カノ)がいたことがこの作品でわかる。ハン・ソロと同じ惑星コレリアのスラム街で共に育った幼馴染として登場するキーラがこの元カノにあたるが、キーラが本作最大のキーパーソンとなっている。キーラはハンと一緒にコレリアから脱出して、二人で自由を手に入れようと試みるのだが、結局キーラだけ捕まってしまい、ソロとの間を引き裂かれてしまう。ソロは彼女を救出すべくまた必ず迎えに行くことを誓う。しかし数年後、キーラは犯罪組織クリムゾン・ドーンの副官となって、再びハンの前に登場する。キーラは捕えられたこの数年間の間で過酷な運命を背負うことになったことが後で明らかになるのだ。キーラを魅力的に演じるのはエミリー・クラーク。ターミネーター/新起動でサラ・コナーを演じるなどして注目を浴びている新鋭女優であり、今後の活躍も注目だが、本作でも知的な美しさを放っており、『ローグワン』でのフェリシティー・ジョーンズ同様、美しく、強い女性の役どころに見事ハマっている。




そして“ミレニアムファルコン号”についてだが、これは『SWエピソード5帝国の逆襲』で登場したランド・カルリジアンが所有していたことは有名な話。今回は若き日のランドも登場し、ハンが賭けでランドに勝って最終的にハンがミレニアムファルコンを手に入れる過程が初めて描かれる。そしてミレニアムファルコンも、我々が知っていたデザインと若干違っており(色や、前方部分の形状がやや異なる)、ハンが手に入れてから少しまた改良されていることが分かるのも、ファンとしては面白い。




『ローグワン』は外伝としてはかなりの傑作であったが、メインキャラクターが最後に全員死んでしまうという悲壮感漂う切ない作品だったのに対して、『ハン・ソロ』は、ハンのキャラクターも反映されてか、比較的映画全体のトーンはライトであり、最後もハッピーエンドで終わる為全体的には救われる感じを受けるが、しかしそれでも若き日のハンは宇宙一のパイロットになる夢と信念を強く持っている人物として描かれ、そして同時に身寄りも無い孤独な存在(孤独が故に“ソロ”というラストネームであることも今回判明)、若さゆえやや無鉄砲さを持っている若者として描かれており、晩年のハンには無いひたむきさと真面目さを垣間見るのも大変面白い。




本作は途中で仲間だと思っていた人たちに裏切られ、逆に敵だと思っていた人たちが実は善人だったなどのどんでん返しもあり、キーラとの恋模様なども通して、物語全体に適度な緊張感をもたらしている。



若きハンを演じるのはオールデン・エアエンライク。今回初めての主演映画ということだが、とてもうまくナチュラルな演技が光る。ランド役にはドナルド・グローバー。またハンを導いていく父親的な存在となる、ならず者ベケットを演じるのはウディー・ハレルソン。最近では『スリービルボード』での演技も高く評価され、アカデミー男優賞候補に昨年なったばかりである。




そしてチューバッカに加えて、今回登場するロボットは、L3-37という女性型のロボット。ランドが心を寄せ信頼するロボットだが、人間に迫害されるロボットの存在を変えたいと強く思っているという設定が秀逸であった。そして人間にもかからず、L3-37を人間扱いしてくれたランドのことを慕うところも、とても人間味のあるロボットとして忘れられない登場人物として強い印象を残した。



ここからはネタバレになってしまうが(まだ観ていない方は下記読まない方が良いかもしれません)、映画の最後近くで、犯罪組織クリムゾン・ドーンの真の黒幕として、あのエピソード1に登場した『ダース・モール』が再登場するのには正直驚いた。キーラはハンのことを愛しており、そして彼を悪の道に引きずり込みたく無いからこそハンとの別れを決意するが、彼女自身はダース・モールから逃れることが出来ない悲しい運命であることが最後明らかとなる。つまり、キーラはもしかするとその後ダークサイドに落ちた可能性が高く、女シスとなったことも容易に想像出来る。そして彼女の生い立ちから、もしかするとスター・ウォーズ本編のレイは、このキーラの娘なのか、というような気もしてくる。これは来年公開されるスター・ウォーズエピソード9で全て明らかになるだろうし、このハン・ソロの続編もありそうなエンディングでもあったことからも、今後期待が持てる。





『ハン・ソロ』の興行成績が米国で芳しくなったのは大変残念だが、個人的には本作は大変良く出来た外伝だったと思うし、独立した映画としても秀作であったように思う。確かにハン・ソロにあまり馴染みの無い最近のファンには本編との絡みが一見ないようにも感じられ、物足りなさがあるのかもしれず、また毎年スター・ウォーズ作品が公開されていることから、一般の映画ファンからは少し“スター・ウォーズ疲れ”が起きているのかもしれない。また、ちょうど『ハン・ソロ』が全米公開されたタイミングは、ブラックパンサーやアベンジャーズなどの大作公開からも日が浅く、全体的に注目が分散してしまった感も一因かもしれない。



しかし『ハン・ソロ』は、コアなスター・ウォーズファンにはたまらない要素をふんだんに含んだ作品であり、そして、上記仮説がもし正しいとすれば、後にまたこの『ハン・ソロ』を見返したいというファンが来年当たり殺到する可能性もあり(!)、その際のDVD/ブルーレイセールスを見越した戦略なのだとすれば、“ディズニーの強かさ、恐るべし“である。

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