goo blog サービス終了のお知らせ 

blue deco design lab

クリエイティブが大好きなのに、なぜか商社マンになってしまった私のマニアバース!

芦川いづみ祭り2023 第3弾: 『知と愛の出発』!

2023-02-11 22:08:14 | 芦川いづみ

23日、芦川いづみ作品がまた新たにDVD化された!1958年に公開された『知と愛の出発』という作品だが、今回日活110周年記念シリーズとして、待望の初DVD化である。しかも、なんと感動的なことに、『カラー復元版』なのだ。この映画の公開当時はコニカラーというシステムでカラー作品として製作・公開されたが、現在では復元が難しく、長らくモノクロマスターでの視聴しか叶わない状況だったらしい。しかし、今回新技術により、カラー化復元が可能となったのだ。これは画期的である。

(あらすじ)

湖のほとりの町の高校生桃子(芦川いづみ)が、同級生南条靖(川地民夫)と親しくなったのは湖の真中にある小さな島であった。病院長の令嬢・恵美(白木マリ)と湖に遊びに来た桃子は、恵美の同性愛的な愛撫を拒んだ為、ひとり湖の島に取り残されてしまった。困り果てた桃子を靖がボートで救ってくれたのだ。二人は大学進学の夢を語り合った。ところが桃子の家は経済的に苦しく、父の健司(宇野重吉)は大学進学を諦めろと告げる。女は大学など行く必要が無いという父に反発し、桃子はアルバイトをしてでも大学に行くことを決意する。靖は厳しい父の監視を受けながら、受験勉強を続けていた。桃子への同性愛に破れた恵美は、大人の世界に足を踏み入れ、若い医師・三樹(小高雄二)と遊び呆けていた。学友であるバーの娘・洋子(中原早苗)の家で、夫婦雑誌や実話雑誌を読み、性の世界に興味を抱いていた。三樹は恵美の若い母・順子をも狙っていた。夏休みに桃子と洋子は湖畔のホテルでアルバイトを始めた。祭りの夜、桃子と靖は湖のほとりで月光の光の下、唇を触れ合った。洋子は都会から来た不良青年の毒牙にかかり、純潔を奪われてしまい恵美の病院に担ぎ込まれ、その後自殺してしまう。桃子は盲腸炎になり、三樹の手術を受けた。靖の輸血で日に日に快方へ向った。しかし輸血が靖からと知らぬ桃子は、他人の血が体に入ったことに不潔感を覚えた。三樹は桃子に迫るが…。

舞台は諏訪で比較的裕福な暮らしを送る高校生たちの物語だが、多感で、将来の進路に戸惑う高校生たちの青春を描いている。しかし、その中には同性愛、純潔、自殺など当時としてはかなりセンセーショナルな題材をテーマにしていると思うし、今観ても結構キワドイ内容かもしれない。そして当時は男尊女卑もまだまだ根強い社会であったことも確認出来る。

共演陣は芦川いづみの相手役に川地民夫。この2人のコンビ作としては『陽のあたる坂道』に続く第二弾。他には芦川いづみの父に宇野重吉、芦川いづみに言い寄る医者、三樹役に芦川いづみ作品にはお馴染みの小高雄二。そして女性陣もお馴染みの中原早苗、白木マリ、二谷英明もチョイ役で共演しているので、安定感のある日活作品である。

まずこの作品を観た感想として、本作は間違いなく“芦川いづみ主演作品”であるという点だ。これまで取り上げてきた芦川いづみ作品の多くは、石原裕次郎やその他スターに次ぐ2番手ヒロイン役、もしくは1964年以降は脇役に徹するケースも多かったが、この作品はちょうど芦川いづみがそのキャリアのピークを迎え始めた頃のもので、まさに“旬”で最も美しい主演の芦川いづみを観ることが出来る貴重な歴史遺産であった。

さすが完全な主役なだけに芦川いづみの主演シーンも多く、またこの作品ではセーラー服姿が神々しいまでに美しいこと!これまでにも、ナース、婦人警官、女将さん、バレエ女子、幸薄なお嬢様、勝気な御令嬢、メガネ女子、尼さん、女任侠、クラブ歌手など、華麗なるコスプレの数々を楽しんできたが、この作品のセーラー服姿は、そんな中でも特に可愛いし、眩し過ぎるのだ!更に、この作品では諏訪湖ホテルのレストランでアルバイトをするアンミラばりの可愛いウェイトレス姿や、入浴シーン、華麗なるワンピース姿、入院中の和装など、1本の作品で実に多くの美しい芦川いづみが一気に満喫出来る極上の作品であった。

ラストシーンは芦川いづみと川地民夫が山に登り、青春映画らしく叫んで終わるが、このシーンの色合いがまるで『君の名は。』の山の上でのシーンにも似て実に美しいし、カラー復元版ならではの色彩であった。

 

物語自体は爽やかというよりは、やや小難しい要素が多く、暗いテーマが付きまとうものだったが、諏訪でのハイソな暮らしを送る人々や、諏訪湖で開催されていたお祭りの賑わいや、豪華な諏訪湖ホテルの様子、そして諏訪湖の美しい景色などを楽しむことが出来て、更には諏訪の景色に映える最高に美しい芦川いづみを楽しめるという意味では、芦川いづみ作品の中でもかなり上位に来る作品かもしれない。すっかりこの映画に魅了されてしまった!


芦川いづみ祭り2023 第2弾: 『成熟する季節』!

2023-01-28 18:58:27 | 芦川いづみ

先日、1964年の日活映画、『成熟する季節』のDVDを購入し、早速観賞した。この映画は浜田光夫と和泉雅子のダブル主演で、当時青春映画で大人気であった黄金コンビで、数多くの作品で共演している。浜田光夫も今見ても割と好青年だし、和泉雅子もキュートで可愛い!

実はこの映画に芦川いづみも出演していることを最近まで知らなかった。芦川いづみ主演作はしっかりリストを作っていて、観賞した作品はチェックマークを付けているが、何故か不覚にもこの映画は完全にノーマークだった(危ない、危ない(笑))。しかし、逆にまた新たな芦川いづみ出演作品を発掘したかのようで、ちょっと得をした気分にもなったから、まあ良しとしよう。

『成熟する季節』はモノクロ作品。1964年公開作であれば、カラーでも全くおかしくないが、何故だかモノクロ作品となっている。この作品は、吉永小百合と浜田光夫のダブル共演で人気を博した1963年公開の『青い山脈』、1964年公開の『美しい暦』と似た空気感とプロットの作品。まるでシリーズものかのように、学校を舞台にした青春物語で、芦川いづみは3作品全てで教師を演じている。しかも、学生や同僚の先生からも憧れられる“美人教師”の役だ。『青い山脈』は滋賀県彦根が舞台だったが、『美しい暦』は信州松本、『成熟する季節』は長野県上田市と長野市を舞台にしている点で、雰囲気もかなり似ている。

進学や就職等でみんなそれぞれに悩みや反骨心を抱えた学生たちの青春群像を爽やかに描いているが、芦川いづみはそんな学生たちにも憧れを抱かれる美人教師。そして、同じく思いを寄せるのが長門裕之演じる同僚の教師で、最終的に2人は結婚を約束し、失意の浜田光夫演じる学生は、結局和泉雅子といい関係になってハッピーエンドとなる展開。

1964年の芦川いづみは、まさに大人の美しさがピークを迎えていたタイミングながら、主役級を張る女優としては次第に吉永小百合や和泉雅子に世代交代し始めていた頃だ。その意味で、主演は浜田光夫と和泉雅子に譲りながらも、美人教師として強烈なインパクトで映画全体に華を添えている。

ショートヘア姿の芦川いづみは本当に美しい。またバイクの後ろに座って乗る際に見事に揃った美しいおみ足は見事だ。出番はめちゃめちゃ多いわけでは無いものの、映画の最初から最後までまんべんなく顔を出しており、芦川いづみ見たさに観賞するのに充分値する映画であった。

諏訪市に当時あった丸光百貨店(今はもう無いらしい)や、地元の商店街・繁華街などもチェックすることが出来て、昭和史の貴重な歴史映像として見ても興味深い。

結論として、この映画はまずまず楽しめる内容であったし、個人的には『青い山脈』と『美しい暦』よりも好きであった。弾けるようなフレッシュな魅力が満載の浜田光夫、和泉雅子コンビを満喫しながらも、芦川いづみの大人の魅力も存分に楽しめるので2倍美味しい作品であった。


芦川いづみの超絶レアな広告ポスター!

2023-01-27 21:49:15 | 芦川いづみ

僕の大好きな芦川いづみのかなりレアな広告ポスターをゲットすることに成功した!石原産業という会社の除草剤の広告ポスターで、2種類を入手することに成功した。B2サイズなので、なかなかの迫力だ。殆ど出回ることが無いポスターである。偶然だろうが、石原裕次郎と多く共演した芦川いづみが、”石原産業”の広告に起用されているのも面白い。

当時のポスターなので、恐らく1960年代半ばに制作されたポスターだろう。50年以上も前のものながら、保存状態はとても良くて驚いた。除草剤のポスターに一流女優を起用というのは今で考えるとちょっと不思議な気もするが、その意味でも昭和レトロを今に伝える貴重なポスターだと言える。そして、やっぱり芦川いづみはいつ見ても美しい!!

先日、芦川いづみの“家庭の友石鹸”缶ボックスを入手したばかりだが、そもそも、芦川いづみのグッズ自体が極端に少なく、市場に出回るものもあまりない。よって全てがレアで、全てがかけがえのない出会いなのだが、芦川いづみファンとしては本当に感動ものである。こちらのポスターを入手出来たことで、また一つ憧れの芦川いづみに近づいたような気がした。


芦川いづみの超レアグッズをゲット!

2023-01-21 23:18:53 | 芦川いづみ

僕が産まれる前の1968年に芸能界を引退してしまった僕の大好きな芦川いづみ。引退して54年も経ってしまっていることもあって、彼女に関する本やグッズはかなり数が少なく、全てがレアなのだが、そんな中でまた化石のようなレアグッズを入手した。

 

 

それは、芦川いづみが当時『家庭の友石鹸』という、せっけんブランドの広告に起用されていたようだが、その『家庭の友石鹸』のアルミ缶ボックスを奇跡的にゲットすることに成功した。缶自体は27 x 20cmで深さは7.5cm

 

 

蓋を開けると、蓋の裏側に芦川いづみの写真が配置されている。恐らく、当時お店で石鹸が売られていた際、この缶に入れて店頭に置かれていたのではないかと思う。当時石鹸は20円だったようだ。

 

 

どうやらどこかのおばあちゃんが長年大切に保管していたようなのだが、正直缶自体はかなりボコボコで、痛みや汚れもある。しかし、リアルな昭和レトロ感はさすが本物である()。でも、古い割には蓋とボックスの間の金具なども壊れておらず、しっかりと残っているのは凄い。時代を超えてしっかりと残るこの缶を見て、意外にも当時の高いモノづくりレベルを感じずにはいられなかった。

 

この缶が今でも残っているケースはかなりレアでは無いかと思う。その意味では、地方の地主さんの蔵に眠る歴史的価値のあるお宝と同じような感動があると言ったら少し大げさかもしれないが、それくらいに芦川いづみのこのようなグッズがまだ眠っていたとは本当に驚きで、それをゲット出来たのも奇跡的な出会いとしか言いようがない。また一つ僕のお宝(ボク宝)がコレクションに追加された思いだ()

 


今年も開催! 『芦川いづみ祭り2023』 第一弾 『気まぐれ渡世』

2023-01-17 21:10:49 | 芦川いづみ

毎年、年明けから春にかけて開催している()、恒例の『芦川いづみ祭り』。芦川いづみの大ファンである僕は、随分とたくさんの芦川いづみ作品を観賞してきたし、所有するDVDの数もかなり凄いことになってきた。それでも、まだ観ぬ芦川いづみ作品がまだまだあるから驚きだし、祭りが続くのも何とも嬉しい。

 

 

今年の1月、日活110周年記念として、また新たな日活映画作品がDVD化された。その中で今月発売された1枚が、宍戸錠、芦川いづみ共演の『気まぐれ渡世』。1962年に劇場公開された日活カラー作品で、今回ついにオリジナルネガフィルムからのテレシネ・オーサリングによるHDリマスター版として、感動の初DVD化である!カラーでキレイな映像はなかなか見応えあり。

 

 

 

1962年と言えば、僕の大好きな芦川作品である『堂堂たる人生』、『青年の椅子』などの石原裕次郎作品で共演していた年だ。1957年から1962年頃は多くの石原裕次郎作品で共演していた時期で、まさに芦川いづみの絶頂期でもあった。芦川いづみは石原裕次郎以外にも、小林旭、赤木圭一郎など、常に時代を代表する日活俳優との共演を果たしているが、そんな中で本作は売り出し中であった“エースのジョー“、こと宍戸錠主演のハードボイルド・ギャングもの作品で、なかなか異色の映画である。

 


宍戸錠が赤ん坊と尼さんを相手に、ギャングの悪謀に立ちむかう痛快アクションで、才匠・西河克己の監督作品。宍戸錠が天真爛漫の赤ん坊を背負って大暴れする異色作なのだが、粋なスタイルと人情味溢れた都会ムードの中に、男の意地と闘魂を爆発させる。

 

 

若き宍戸錠が細マッチョでなかなかカッコいいのだが、やっぱり僕のお目当てはなんと言っても、美しい教会の尼さんに扮した芦川いづみだ。芦川いづみ作品の中でも貴重なコスプレ()となっている、可憐なシスター姿も魅力いっぱいで素晴らしいのだ。宍戸錠をあしらいながら、赤ん坊をあやす様は本作ならではの見どころである。

 

 

そして、なんと芦川いづみがシスター姿でピッチャーとして子供たちと野球をするシーンもあるが、これも貴重な映像である。

 

 

特殊拳銃の密造者に内田良平、妖艶な謎の女に香月美奈子、捜査課長に加藤武、敏腕刑事に藤村有弘、といった個性的なキャストも勢揃いしている。

 

 

映画の冒頭、今でも不二家とアメリカ屋靴店のある銀座有楽町の数寄屋橋交差点なども確認でき、当時の東京の街並みがわかるのも楽しい昭和の歴史遺産である。

 

 

映画を観賞した感想だが、正直、映画そのもののプロットとしてはさほど面白いわけではなく、良くあるギャング・アクション作品。最後はギャングのアジトで大立ちまわりを演じて映画はハッピーエンドを迎える。同じギャングものでも。やっぱりアクションに華があった石原裕次郎作品に比べると、どうしてもイマイチ感は否めない(宍戸錠には大変申し訳ないが)

 

 

芦川いづみは出演キャストの中では2番手の扱いで、確かに登場シーンもそこそこ多いが、役柄としてはシスターであること以外はあまりアクションに絡むわけではなく、その意味ではギャングものの本筋からするとやや退屈な役どころとも言える。しかし、美しきシスター姿があまりにもインパクト大で、結局退屈な物語を芦川いづみが完全に食ってしまった感すらあるからさすがである。その意味では、やっぱり芦川いづみは偉大だし、この映画もまぎれも無い“芦川いづみ作品”だと感じた。

 

 

 

23日には、また新たに1958年に公開された『知と愛の出発』という作品も初DVD化される。こちらも今から楽しみで仕方ないし、また次回以降の“芦川いづみ祭り2023“で取り上げたい。上手く言葉では伝えられないが、今年もまた多くの新たな芦川いづみ作品と初めて巡り合えるこの喜びは、芦川いづみファンとしては何事にも代え難い感動なのである!