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旅たび写真缶

小さい旅から大きい旅まで、時にはいい歳して恥ずかしい旅まで、写真旅日記。

生駒山から信貴山へ縦走

2017-11-27 | 京都・奈良旅行記

2017年11月21日 二日目

朝、ホテルの出発が予定より1時間も遅れてしまった。

今日は、生駒山から信貴山まで縦走するつもりだが、昨日、氷雨降る大阪阿倍野を長時間歩き回ったので、やや風邪気味。

今回の旅の最大の目的は、信貴山の朝護孫子寺(ちょうごそんしじ)を見に行くことで、最初の計画では大阪側からスタートして「恩智越・信貴山朝護孫子寺コース」を歩くつもりだったが、宿が奈良駅前になったので、直前に「生駒山・信貴山縦走コース」に変更した。私にとっては長距離なので、ユンケルを飲んで気合を入れる。

近鉄奈良駅から、朝の通勤通学で込み合う快速急行で生駒駅に移動。

 

    ≪近鉄生駒ケーブル 鳥居前駅≫

8:30 生駒駅に隣接する「鳥居前駅」から近鉄生駒ケーブル(宝山寺線)に乗る。

8:35 宝山寺駅へ到着。予定ではここから生駒山頂目指して登山開始の予定だったが、出発が遅れたのと風邪気味なのを考慮して、宝山寺駅からケーブルを乗り継いで生駒山上駅まで楽することにした。

山上線の始発まで時間があるので、取り合えず「宝山寺」にお参り。

 

両側に料理旅館が並ぶ長い長い石段をヒタスラ登る。こんなところの旅館にも、中国人の団体が泊まっているようで、朝から賑やかな声が飛び交う。中国語のガイドブックに載っているとは思えないが・・・。

                       ≪生駒山 宝山寺≫

10分ほど急な石段を登り詰め、宝山寺の本堂前に到着。今日のトレッキングの安全を祈願する。時間がないので、すぐに宝山寺駅に戻る。

長い長い石段を下りながら、お参りの後、そのまま山頂まで歩いた方が効率的だったのではないか・・・と、やや後悔。

9:09 山上線始発の上りケーブルに乗って、生駒山上駅を目指す。生駒山上遊園地で働く人々なのか、通勤風の客でけっこう混んでいた。

 

       ≪生駒山上遊園地≫                ≪テレビ塔群≫

9:16 生駒山上駅到着。

ここで大問題が発生。生駒山縦走の地図が無い。二日前にコースを決めたのだが、その時参考にした近鉄「てくてくまっぷ」をプリントしてくるのを忘れた。

ほかの客たちはサッと散って行ったが、私はドッチに行ったらいいのか分からない。いくら探しても登山道や遊歩道といった道標が見当たらない。遊園地のスタッフに聞いても知らないという。

まあ、信貴山まではヒタスラ南下することになるので、一応、南を目指す。林立するテレビ塔を見上げながら、遊園地を抜け出る。

                                  国土地理院

9:30 地道に出たところで、やっと登山用の道標を発見。

しかし、ここでまた問題。最初に目指すのは暗(くらがり)峠という所だが、道標によれば「左 暗峠近道(足元注意)」「右 摂河泉コース 至 生駒縦走コース」とある。どちらに行けばいいのでしょう?

シバシ考えた末、計画通り生駒縦走コースを目指すことにして、右のコースをとる。

9:32 生駒山・信貴山縦走トレッキング開始。信貴山の朝護孫子寺が最終目的地だ。

9:37 舗装道路下のトンネルをくぐる。

トンネルの先は急な下り坂になっていて、10分ほど下ったところで、「これは何か変だ」と気がつく。たまたま下からオバチャン二人組のハイカーが上って来たので道をたずねたら、「このまま下ってはダメ。戻った方がイイ」らしい。下って来た急坂を今度は必死に登る。

結局、オバチャンのアドバイスもあって、このトンネルの左側の法面を強引に登る。

「間違ったらゴメンね!」と何度も念押しされながら道路に出て見ると、けっこう立派な舗装道路。これが、「信貴生駒スカイライン」だと気がつく。これで解決したわけではないが、取りあえず車道を左へ進む。この段階で、貴重な20分と体力をロス。

 

     ≪信貴生駒スカイライン≫              ≪パノラマ展望台≫

10:03 車道を少し歩いたところで、「パノラマ展望台」に出た。

凄く眺めの良い展望公園で、大阪市内などが見渡せる。 

「あべのハルカス」の奥の方に、ウッスラと「明石海峡大橋」も見える。右端に「大阪城」、右下には「花園ラグビー場」

スタート早々大汗をかいたので、ここの東屋でクールダウン。

10:15 展望台の一番奥に「暗峠」への道標を見つけたので、気を取り直して出発。

 

快調に遊歩道を歩く。時折スカイラインの脇に出る。

 

                  ≪暗闇(くらがり)峠≫

10:38 突然集落が現れたと思ったら、そこが暗峠だった。

              ≪日本の道百選 暗越奈良街道 暗(くらがり)峠≫

何組かのハイカーがこの道を歩いていたので、道をたずねたら、信貴山への縦走コースはこの道を横切って細い道を行くようだ。どこにも信貴山への道標がないので、危うく間違いそうだった。

同年配のハイカーたちがみんなストックを持っているので、私も念のため持って来た折畳みストックを用意。この先、登りがキツクなって来たので、ちょうど良かった。

 

        ≪神感寺?の塀≫                 ≪鳴川峠≫

11:05 八代龍王神感寺の脇を通過。このお寺さんは見たかったが、時間が押しているので断念。寺のHPによれば、アクセスには近鉄枚岡駅から徒歩2時間とある。

11:20 鳴川峠に到着。休憩せずに通過。 

 

所々に、キノコ型の雷シェルターがある。

 

二か所ほど、ロープ場があった。急坂だからと言うよりは、道がかなりウエットで滑りやすいからだろう。トラロープにつかまりながら急坂を登りきると、展望台があった。

 

                    ≪鐘の鳴る丘≫

11:55 「鐘の鳴る丘」に到着。

階段を昇って鐘を鳴らし、ユラユラ揺れる階段をさらに上へ進むと、人ひとり分の見晴台がある。360度の絶景。

                       ≪生駒山頂方向≫

                       ≪大阪平野≫

                        ≪大和盆地≫

景色を十分に堪能した後は、展望台のベンチでお弁当。後から来た人たちも、みんなここで昼食のようだ。

12:15 鐘の鳴る丘を出発。

 

                                ≪歩道橋≫

 

                    ≪十三峠の石仏≫

12:38 「十三峠」に到着。十三街道の峠で、かつて村人によって祀られた地蔵石仏がある。昔は大阪からの伊勢参宮のルートとしても賑わったようだ。業平(なりひら)道とも呼ばれ、歌人「在原業平」が女性の元へ足げく通った道とも言われている。

 

12:45 ついに「信貴山」の道標(右上の写真)が現れた。

 

12:55 信貴生駒スカイラインに出たら、通行止めの標識。舗装道路が激しく陥没している。ここまでの間、スカイラインの近くを歩いているのに、全く車の音を聞かなかったので「おかしいなぁ~」とは思っていたが、このために全面通行止めになっていたようだ。多分、台風21号の被害だと思うが、復旧工事は全くしていないようだ。

 

「猪出没注意」の看板が突然現れた。ここまで来て、そう言われても・・・。

しかし、この10分後に危険を思い知る。

            ≪イノシシの足跡≫

イノシシの足跡発見。それもかなり新しい。二匹以上か? 子連れだとかなりマズイのではないか。イノシシが突然人を襲うことは少ないだろうが、近づかない方がいいに決まっている。とわ言え、私の直前を歩いているハズなので、どうしたらいいかシバシ悩む。こういう時、一人歩きは辛い。

今更戻るつもりはないので、意を決して進むことにする。ストックを二本そろえて身構えてみるが、太刀打ちできないのは明らか。

一応、いつもリュックに入れてある「熊除けベル」を鳴らしながら、前後左右に目を配る。この熊除けベルは、効果があるのか、はたまた逆効果なのか?・・・(効果はないようです。逆効果の場合があるようです)

高安山山頂付近まで来ると、イノシシの足跡も消え、緊張が解ける。安全になったという保証はないのだが・・・。

13:47 ついに、今日の最終目的地「信貴山朝護孫子寺」の道標が現れた。

先が見えて来たので、心も軽やかに山道を急いだら、足元に落ちていた道標を見逃してしまった。

写真の上の方から下りて来たので、折れ曲がった板が見えなかった。このためT字路を右に登るところを、左に下りてしまった。またもや大失敗。

軽快に下った後に間違いに気づいたので、引き返すのに身も心もズタズタ。

貴重な30分をロスした上に、全身汗だく。

気を取り直して、「信貴山城跡」を目指す。

 

                    ≪信貴山城跡≫

14:47 「信貴山城跡」に到着。

城跡脇の赤い鳥居をくぐっていくと・・・。

 

                    ≪空鉢御法堂≫

14:53 信貴山山頂「空鉢御法堂」に到着。大和盆地や金剛山などの見晴らしが最高。

15:00 お参りを済ませてゴールを目指す。この堂の前で、落葉の清掃をしていたオネエサンに「朝護孫子寺」への行き方を聞いたら、すでにここは朝護孫子寺の中なのだと教えられた。勉強不足でした。

 

赤い鳥居が連なる石段をヒタスラ下る。生駒山系を縦走して来た足腰で、この急な石段下りはかなりシンドイ。転ばないように注意しながら、慎重に下る。

右手に、境内が見えて来た。紅葉が美しい。

 

15:13 長い長い石段を下り切って、多宝塔に到着。

 

                ≪信貴山 朝護孫子寺 本堂≫

15:25 やっと本堂を探し当てた。何しろ、お寺の裏山から入って来てしまったので、境内案内のパンフレットなど貰っていないので、本堂を見つけるのに四苦八苦。

ご本尊の毘沙門天をお参りしようと思い、靴を脱ごうとしたら、膝から下が泥だらけ。

本堂前からは奈良の盆地が見渡せる。絶景。斑鳩方面だそうだ。

境内の紅葉も絶好調。

この後、塔頭の成福院、玉蔵院、千手院を回って下山。

                      ≪大寅と本堂≫

16:07 普通の参拝なら一番最初に見るハズの「大寅」を最後に見る。デカい。

大寅の向こうで、夕日に染まる本堂が美しい。

 

16:25 仁王門を出たところで、本日の信貴生駒縦走のトレッキング終了。

16:47 仁王門前の信貴大橋バス停から、奈良交通の路線バスでJR王子に向かう。

17:09 JR王寺駅着。JR大和路快速で奈良に帰る。

今日のコースタイム(生駒山上駅~信貴大橋バス停) 単位:分

生駒山上駅-(10)→生駒縦走コース道標-(15)→パノラマ展望台-(23)→暗峠-(40)→鳴川峠-(35)→鐘の鳴る丘-(23)→十三峠-(60)→高安山分岐-(32)→信貴山城跡・空鉢御法堂-(25)→朝護孫子寺本堂-(10)→信貴大橋バス停

      歩いた時間:4時間33分

       所要時間:7時間5分

          ※コース間違いのロスタイム50分を含む。

          ※朝護孫子寺の見学所要時間(本堂~仁王門)60分を含む。

          ※鐘の鳴る丘での昼食休憩20分を含む。

          ※その他、写真撮影の時間などを含む。

          ※高安山の山頂には行っていません。

         天候:晴れたり曇ったり。前日の雨で、コースはウエット。

 

 



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