2017年11月21日 二日目
朝、ホテルの出発が予定より1時間も遅れてしまった。
今日は、生駒山から信貴山まで縦走するつもりだが、昨日、氷雨降る大阪阿倍野を長時間歩き回ったので、やや風邪気味。
今回の旅の最大の目的は、信貴山の朝護孫子寺(ちょうごそんしじ)を見に行くことで、最初の計画では大阪側からスタートして「恩智越・信貴山朝護孫子寺コース」を歩くつもりだったが、宿が奈良駅前になったので、直前に「生駒山・信貴山縦走コース」に変更した。私にとっては長距離なので、ユンケルを飲んで気合を入れる。
近鉄奈良駅から、朝の通勤通学で込み合う快速急行で生駒駅に移動。
≪近鉄生駒ケーブル 鳥居前駅≫
8:30 生駒駅に隣接する「鳥居前駅」から近鉄生駒ケーブル(宝山寺線)に乗る。
8:35 宝山寺駅へ到着。予定ではここから生駒山頂目指して登山開始の予定だったが、出発が遅れたのと風邪気味なのを考慮して、宝山寺駅からケーブルを乗り継いで生駒山上駅まで楽することにした。
山上線の始発まで時間があるので、取り合えず「宝山寺」にお参り。
両側に料理旅館が並ぶ長い長い石段をヒタスラ登る。こんなところの旅館にも、中国人の団体が泊まっているようで、朝から賑やかな声が飛び交う。中国語のガイドブックに載っているとは思えないが・・・。
≪生駒山 宝山寺≫
10分ほど急な石段を登り詰め、宝山寺の本堂前に到着。今日のトレッキングの安全を祈願する。時間がないので、すぐに宝山寺駅に戻る。
長い長い石段を下りながら、お参りの後、そのまま山頂まで歩いた方が効率的だったのではないか・・・と、やや後悔。
9:09 山上線始発の上りケーブルに乗って、生駒山上駅を目指す。生駒山上遊園地で働く人々なのか、通勤風の客でけっこう混んでいた。
≪生駒山上遊園地≫ ≪テレビ塔群≫
9:16 生駒山上駅到着。
ここで大問題が発生。生駒山縦走の地図が無い。二日前にコースを決めたのだが、その時参考にした近鉄「てくてくまっぷ」をプリントしてくるのを忘れた。
ほかの客たちはサッと散って行ったが、私はドッチに行ったらいいのか分からない。いくら探しても登山道や遊歩道といった道標が見当たらない。遊園地のスタッフに聞いても知らないという。
まあ、信貴山まではヒタスラ南下することになるので、一応、南を目指す。林立するテレビ塔を見上げながら、遊園地を抜け出る。
9:30 地道に出たところで、やっと登山用の道標を発見。
しかし、ここでまた問題。最初に目指すのは暗(くらがり)峠という所だが、道標によれば「左 暗峠近道(足元注意)」「右 摂河泉コース 至 生駒縦走コース」とある。どちらに行けばいいのでしょう?
シバシ考えた末、計画通り生駒縦走コースを目指すことにして、右のコースをとる。
9:32 生駒山・信貴山縦走トレッキング開始。信貴山の朝護孫子寺が最終目的地だ。
9:37 舗装道路下のトンネルをくぐる。
トンネルの先は急な下り坂になっていて、10分ほど下ったところで、「これは何か変だ」と気がつく。たまたま下からオバチャン二人組のハイカーが上って来たので道をたずねたら、「このまま下ってはダメ。戻った方がイイ」らしい。下って来た急坂を今度は必死に登る。
結局、オバチャンのアドバイスもあって、このトンネルの左側の法面を強引に登る。
「間違ったらゴメンね!」と何度も念押しされながら道路に出て見ると、けっこう立派な舗装道路。これが、「信貴生駒スカイライン」だと気がつく。これで解決したわけではないが、取りあえず車道を左へ進む。この段階で、貴重な20分と体力をロス。
≪信貴生駒スカイライン≫ ≪パノラマ展望台≫
10:03 車道を少し歩いたところで、「パノラマ展望台」に出た。
凄く眺めの良い展望公園で、大阪市内などが見渡せる。
「あべのハルカス」の奥の方に、ウッスラと「明石海峡大橋」も見える。右端に「大阪城」、右下には「花園ラグビー場」
スタート早々大汗をかいたので、ここの東屋でクールダウン。
10:15 展望台の一番奥に「暗峠」への道標を見つけたので、気を取り直して出発。
快調に遊歩道を歩く。時折スカイラインの脇に出る。
≪暗闇(くらがり)峠≫
10:38 突然集落が現れたと思ったら、そこが暗峠だった。
≪日本の道百選 暗越奈良街道 暗(くらがり)峠≫
何組かのハイカーがこの道を歩いていたので、道をたずねたら、信貴山への縦走コースはこの道を横切って細い道を行くようだ。どこにも信貴山への道標がないので、危うく間違いそうだった。
同年配のハイカーたちがみんなストックを持っているので、私も念のため持って来た折畳みストックを用意。この先、登りがキツクなって来たので、ちょうど良かった。
≪神感寺?の塀≫ ≪鳴川峠≫
11:05 八代龍王神感寺の脇を通過。このお寺さんは見たかったが、時間が押しているので断念。寺のHPによれば、アクセスには近鉄枚岡駅から徒歩2時間とある。
11:20 鳴川峠に到着。休憩せずに通過。
所々に、キノコ型の雷シェルターがある。
二か所ほど、ロープ場があった。急坂だからと言うよりは、道がかなりウエットで滑りやすいからだろう。トラロープにつかまりながら急坂を登りきると、展望台があった。
≪鐘の鳴る丘≫
11:55 「鐘の鳴る丘」に到着。
階段を昇って鐘を鳴らし、ユラユラ揺れる階段をさらに上へ進むと、人ひとり分の見晴台がある。360度の絶景。
≪生駒山頂方向≫
≪大阪平野≫
≪大和盆地≫
景色を十分に堪能した後は、展望台のベンチでお弁当。後から来た人たちも、みんなここで昼食のようだ。
12:15 鐘の鳴る丘を出発。
≪歩道橋≫
≪十三峠の石仏≫
12:38 「十三峠」に到着。十三街道の峠で、かつて村人によって祀られた地蔵石仏がある。昔は大阪からの伊勢参宮のルートとしても賑わったようだ。業平(なりひら)道とも呼ばれ、歌人「在原業平」が女性の元へ足げく通った道とも言われている。
12:45 ついに「信貴山」の道標(右上の写真)が現れた。
12:55 信貴生駒スカイラインに出たら、通行止めの標識。舗装道路が激しく陥没している。ここまでの間、スカイラインの近くを歩いているのに、全く車の音を聞かなかったので「おかしいなぁ~」とは思っていたが、このために全面通行止めになっていたようだ。多分、台風21号の被害だと思うが、復旧工事は全くしていないようだ。
「猪出没注意」の看板が突然現れた。ここまで来て、そう言われても・・・。
しかし、この10分後に危険を思い知る。
≪イノシシの足跡≫
イノシシの足跡発見。それもかなり新しい。二匹以上か? 子連れだとかなりマズイのではないか。イノシシが突然人を襲うことは少ないだろうが、近づかない方がいいに決まっている。とわ言え、私の直前を歩いているハズなので、どうしたらいいかシバシ悩む。こういう時、一人歩きは辛い。
今更戻るつもりはないので、意を決して進むことにする。ストックを二本そろえて身構えてみるが、太刀打ちできないのは明らか。
一応、いつもリュックに入れてある「熊除けベル」を鳴らしながら、前後左右に目を配る。この熊除けベルは、効果があるのか、はたまた逆効果なのか?・・・(効果はないようです。逆効果の場合があるようです)
高安山山頂付近まで来ると、イノシシの足跡も消え、緊張が解ける。安全になったという保証はないのだが・・・。
13:47 ついに、今日の最終目的地「信貴山朝護孫子寺」の道標が現れた。
先が見えて来たので、心も軽やかに山道を急いだら、足元に落ちていた道標を見逃してしまった。
写真の上の方から下りて来たので、折れ曲がった板が見えなかった。このためT字路を右に登るところを、左に下りてしまった。またもや大失敗。
軽快に下った後に間違いに気づいたので、引き返すのに身も心もズタズタ。
貴重な30分をロスした上に、全身汗だく。
気を取り直して、「信貴山城跡」を目指す。
≪信貴山城跡≫
14:47 「信貴山城跡」に到着。
城跡脇の赤い鳥居をくぐっていくと・・・。
≪空鉢御法堂≫
14:53 信貴山山頂「空鉢御法堂」に到着。大和盆地や金剛山などの見晴らしが最高。
15:00 お参りを済ませてゴールを目指す。この堂の前で、落葉の清掃をしていたオネエサンに「朝護孫子寺」への行き方を聞いたら、すでにここは朝護孫子寺の中なのだと教えられた。勉強不足でした。
赤い鳥居が連なる石段をヒタスラ下る。生駒山系を縦走して来た足腰で、この急な石段下りはかなりシンドイ。転ばないように注意しながら、慎重に下る。
右手に、境内が見えて来た。紅葉が美しい。
15:13 長い長い石段を下り切って、多宝塔に到着。
≪信貴山 朝護孫子寺 本堂≫
15:25 やっと本堂を探し当てた。何しろ、お寺の裏山から入って来てしまったので、境内案内のパンフレットなど貰っていないので、本堂を見つけるのに四苦八苦。
ご本尊の毘沙門天をお参りしようと思い、靴を脱ごうとしたら、膝から下が泥だらけ。
本堂前からは奈良の盆地が見渡せる。絶景。斑鳩方面だそうだ。
境内の紅葉も絶好調。
この後、塔頭の成福院、玉蔵院、千手院を回って下山。
≪大寅と本堂≫
16:07 普通の参拝なら一番最初に見るハズの「大寅」を最後に見る。デカい。
大寅の向こうで、夕日に染まる本堂が美しい。
16:25 仁王門を出たところで、本日の信貴生駒縦走のトレッキング終了。
16:47 仁王門前の信貴大橋バス停から、奈良交通の路線バスでJR王子に向かう。
17:09 JR王寺駅着。JR大和路快速で奈良に帰る。
今日のコースタイム(生駒山上駅~信貴大橋バス停) 単位:分
生駒山上駅-(10)→生駒縦走コース道標-(15)→パノラマ展望台-(23)→暗峠-(40)→鳴川峠-(35)→鐘の鳴る丘-(23)→十三峠-(60)→高安山分岐-(32)→信貴山城跡・空鉢御法堂-(25)→朝護孫子寺本堂-(10)→信貴大橋バス停
歩いた時間:4時間33分
所要時間:7時間5分
※コース間違いのロスタイム50分を含む。
※朝護孫子寺の見学所要時間(本堂~仁王門)60分を含む。
※鐘の鳴る丘での昼食休憩20分を含む。
※その他、写真撮影の時間などを含む。
※高安山の山頂には行っていません。
天候:晴れたり曇ったり。前日の雨で、コースはウエット。
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