旅たび写真缶

小さい旅から大きい旅まで、時にはいい歳して恥ずかしい旅まで、写真旅日記。

ヤエヤマヒメボタルと南十字星 その5

2015-06-15 | 八重山・西表島旅行記

2015年5月21日 八重山旅行五日目。

どうも沖縄は梅雨入りしたらしく、朝起きて窓の外を見ると空模様はアヤシゲ。

                ≪石垣観光の中心 730交差点と石垣港≫

朝食を済ませたころには、外は雨が降り出していた。

今日の予定は、もともと予備日。

ホテルのフロントに、雨の日の石垣島観光の定番を聞きに行ったら、「石垣島鍾乳洞」か「陶芸教室」を提案された。

以前、ドシャブリの日に石垣島鍾乳洞に行ったことがあるが、洞窟の中もドシャブリだった。

地上に雨が降ると、雨水が染み出すから鍾乳洞が出来る理屈である。

レンタカーを三泊四日で借りているのに、ほとんどホテルの駐車場に止めっぱなしなので、雨の中ドライブに行く事にする。

                 ≪スカ・ラヴァーズのJ-POPカバーCD≫

昨夜、居酒屋「一魚一会」で買ったCDを聞きながら、石垣島一周のドライブ。

                ≪バンナ公園 自然観察広場第二駐車場≫

16:30 旅の一日目(17日)に、ヤエヤマボタルのテスト撮影に来たバンナ公園の駐車場に到着。

車を降りると、小雨の中、リュウキュウアカショウビンの鳴き声が聞こえてくる。

念のため、カメラに400mmのレンズを装着してシバシ様子見。

20分ほどでまた雨が強くなって来たので、諦めて車の中にカメラを仕舞おうとした時、視界の片隅を赤いものが横切った。

振り返りザマ、三枚ほど連射。フォーカスを合わせようとした時には飛び立ってしまった。

                    ≪リュウキュウアカショウビン≫

結構近くまで飛んで来てくれたのだが、400mmではこれが限界か・・・・。

19日に野鳥の専門家から「400では難しいでしょう!」と言われたが、やっぱり1000mmは必要か・・・・

そう言えば、17日に知り合った星空専門のアマチュアカメラマンに、私も南十字星を撮りたいと言ったら、「赤道儀は持って来ましたか?」と聞かれた。

カメラという趣味は、「ずいぶん金がかかるものだなあ」とチョット滅入った。

ホタル街道の近くにいるのだが、さらに雨が強くなって来たのでホテルに戻ることにする。

まあ、今回の旅の目的「ヤエヤマボタル」と「南十字星」の撮影も何とか達成し、念願の「リュウキュウアカショウビン」も「リュウキュウコノハズク」も撮影できた(かなり小さいが)ので、メデタシメデタシということで、今回の旅の撮影は終了。

五泊目の今日は、初めて明るいうちに街へ出かけられそうだ。


ヤエヤマヒメボタルと南十字星 4

2015-06-14 | 八重山・西表島旅行記

2015年5月20日 ヤエヤマヒメボタル ステージ3

八重山の旅四日目。

今日は久しぶりにカヌーとシュノーケリングをやる積りで、ツアーショップに予約を入れていた。

特にシュノーケリングは、波照間島でもできなかったので是非やりたかったが、午前のカヌーはOKでシュノーケリングは他の希望者がいなくてNG。

代わりに、ホタル観賞ツアーに連れて行ってもらえることになった。

                           ≪宮良川≫

朝から大幅に遅刻して、恐縮しながら宮良川の上流目指してカヌーを漕ぐ。

マングローブの林の中でイナバウワーをしたり・・・・・・ 

上流でカヌーに乗ったまま洞窟探検したり・・・

                        ≪カグラコウモリ≫

さして汗をかくこともなく、無事カヌーを終了。

午後は全く空いてしまったので、公設市場前のお土産屋街を物色。

一軒の店で、泡盛やらラフティー、島ラッキョウ、沖縄ソバなど口に入るものだけをまとめ買いし、宅配してもらう。送料無料。

18:30 旅の初日に買った長靴を履いて、ヤエヤマボタル観賞ツアーに出発。参加者は私一人。

石垣島で最も有名な山に分け入る。

19:40 撮影開始。

昨日の場所より、ホタルの数はかなり少ない。

手前の生い茂った葉の上をホタルが飛び交うと想定して構図を決めたが、失敗。

立木がない分、空が抜けていて、暗くなるのが一番遅い場所だった。

奥の茂みと手前の葉の下など、早く暗くなる場所にホタルが集中。

 

昨日とは別の場所だが、カメラの設定と撮影方法はほぼ同じ。画角はやや広い。

 カメラ:Canon EOS 5D markⅢ    レンズ:EF16-35(27mm)

 ISO:800     AV:2.8    TV:30”×12

 長秒時露光のノイズ低減:OFF、 高感度撮影時のノイズ低減:標準

 フォーカス:M    その他:三脚、リモートシャッタースイッチ使用

ホタルの数は少なかったが、ヤエヤマヒメボタル撮影三日目の成果は出ている様な・・・・・。


ヤエヤマヒメボタルと南十字星 3

2015-06-12 | 八重山・西表島旅行記

2015年5月19日 ヤエヤマヒメボタル ステージ2

八重山の旅三日目。

昨夜、波照間島のペンション屋上で缶ビールを飲みながら、遅くまで南十字星など星空を眺めていたが、けっこう早くに目が覚めた。

ニシ浜を散歩しながら、朝飯の時間を待つ。

ペンションに戻ったら、高速船は今日も第一便以外は運航未定だという。海は荒れているらしい。

今日は午後に島を離れる予定だったが、朝の第一便に乗船することに変更。

今回はまだ一度も海に入っていないが仕方がない。今夜は「ヤエヤマヒメボタル観賞ツアー」があるので、絶対に石垣島に戻っていないといけない。

9:30 レンタカーを港に乗り捨て、まだ乗客が10人くらいしかいない桟橋に並ぶ。

                          ≪波照間港≫

石垣港発の第一便が折り返し波照間港発の第一便になるのだが、時刻を過ぎても高速船は現れず、途中で戻ったのではないかというウワサも出始めたころには、桟橋は長蛇の列。

第一便以降の運休が決まって、ゾクゾクと人が集まって来たようだ。

30分遅れで、何とか高速船が波照間に到着。

10:20 30分遅れで波照間港を出港。

外洋に出たとたん、船は激しく上下に揺さぶられ、船底が波にぶち当たる不気味な音が下から聞こえてくる。窓の外はオソロシゲ。

14:00 港近くで八重山ソバの昼食をとった後、離島ターミナルまでオリックス・レンタカーに迎えに来てもらい、事務所で三泊四日の契約。

ホテルにチェックインするまで、ドライブで時間をつぶす。

                       ≪川平湾(カビラワン)≫

石垣島への旅もすでに6回目となり、特に行きたい観光地などもなく、取りあえずカーナビに米原ビーチを設定して、川平(カビラ)湾、名蔵湾と西の海岸線を廻って市街地に戻った。

今日から三泊でホテル・グランビュー石垣島に泊る。

18:30 バードウオッチングなどを専門とするツアーショップ「Sea Beans」の小林さんがホテルまでピックアップに来てくれた。

今回の旅のメインイベントとなる「ヤエヤマヒメボタル観賞ナイトツアー」に参加する。

参加者は、私のほかに若いご夫婦が一組の三人。

車の中でネイチャー談義などしながらホタルの生息地に向かう。

途中で、リュウキュウアカショウビンやセマルハコガメ、ハブ獲りジイサンなどが現れたが、シャッターチャンスを逃しつつ、車は山道へ・・・。

林道の路肩に車を停め、長靴や雨具などで身体をガードして道なき道に分け入った。

ガイドの小林さんからカメラのポジションを教えてもらい、待つこと10分ほどでホタルが光り出した。

茂みの陰の暗い場所で小さな光が瞬きだし、次第に数が増えて行く。

19:35 写真撮影開始。

辺りが真っ暗になるころには点滅する光たちが目の前を飛び交い、私の脇の下や股の間まで通過して行く。

ピークの時には、目の前の斜面や私たちが立っている場所も、光の点滅に満たされて感動的だ。言葉でうまく表現できないのがモドカシイ。

ホタルの写真撮影は、ファインダーを見ている必要がないので、肉眼でシッカリと眺めることが出来るが、カメラなんか持って来ない方が自然の神秘をもっと堪能できるのだろうと思う。

                     ≪ヤエヤマヒメボタルの乱舞≫

ヤエヤマヒメボタルの撮影方法はいろいろあるようですが、今回わたしは連続シャッター方式。

テクニックが未熟なのでツタナイ写真ですが、参考までに撮影データを記録しておきます。

 カメラ:Canon EOS 5D markⅢ    レンズ:EF16-35(35mm)

 ISO:800     AV:2.8    TV:30”

 長秒時露光のノイズ低減:OFF、 高感度撮影時のノイズ低減:標準

 フォーカス:M    その他:三脚、リモートシャッタースイッチ

※注意 以上の設定はあくまでも私の場合の参考データです。たぶん、ベスト設定などと言うものは無いのだろうと思います。

20:15 ホタルの数が急に減って来て撮影終了。

                      ≪リュウキュウコノハズク≫

ヤエヤマヒメボタルの後は、車で移動しながら夜の生き物を探し、「リュウキュウコノハズク」や「サキシマヒラタクワガタ」などを観察。

大満足のナイトツアーでした。

ナイトツアーの第二ラウンドは、一昨日の晩と同じ居酒屋「一魚一会」。


ヤエヤマヒメボタルと南十字星 2

2015-06-11 | 八重山・西表島旅行記

2015年5月18日 波照間島の南十字星

八重山の旅、二日目。

今日から一泊の予定で、波照間島に向かう。

8:00 アパホテル石垣島をチェックアウトして、徒歩10分で石垣港離島ターミナルに到着。

波照間島航路の高速船チケットカウンター(安栄観光)に行ったら、第一便は運航するがその後の便は全て「未定」とのこと。

この航路の高速船は、運休が多いので有名だ。

今日は、すでに通り過ぎた台風6号の影響で波が高いらしい。

波照間島の宿に、「必ず第一便で行きます」と電話を入れて乗船。

船内は、前の方の席が「シケのため立ち入り禁止」。

前の方の席は、客が放り出されるほど揺れが激しいということか?

天気は良いのだが、海はかなり荒れているらしい。

8:30 石垣港を出港。

昨夜は「ヤエヤマヒメボタル」の撮影の後、「南十字星」の撮影にも挑戦。その後で飲みに出かけたのでやや寝不足気味。

石垣港を出るころには爆睡モードに入ってしまったので、外洋がどれだけ荒れていたのか記憶にない。

                          ≪波照間港≫

9:35 目が覚めるとすでに船は波照間港内。天気最高。

桟橋の前には、宿の送迎車がズラリと並んでお出迎え。(島内は公共交通機関がないので・・・)

何しろ、今日波照間島を去る人も、今日から波照間島に泊る人も、みんなこの第一便に集中しているハズだ。

                        ≪ペンション最南端≫

9:45 本日のお宿、去年と同じ「ペンション最南端」に到着。

こんなに朝早くにチェックイン出来るのが嬉しい。

                       ≪波照間島 ニシ浜≫

部屋のベランダから見るニシ浜の「波照間ブルー」は、今年も絶好調。まだ5月だというのに、水着だけで泳いでいる人たちもいる。

10:00 去年と同じ「昴レンタカー」のオジサンが、車を持って来てくれたので早速ドライブへ・・・。

                         ≪サトウキビ畑≫   

                        ≪南海岸への道≫

私のお気に入りの道。「日本最南端の碑」に向かう狭い道を時速20~30kmの超低速で走る。

                       ≪日本最南端の碑≫

「日本最南端の碑」から「星空観測タワー」に向かう海辺の遊歩道。日陰が全く無いので暑そうだが、海風があるとけっこう涼しい。

星空観測タワーの日陰では、子ヤギが爆睡中。

普段ならカマってくれる観光客は、今日は極端に少ない。

多分、石垣島からの日帰り観光ツアーは今日は催行されないし、午後から帰るハズだった泊客は第一便で帰ってしまったので、島内にいるヨソモノは連泊しているか今朝の第一便で来た観光客しかいないのだ。

ここまで、日本最南端の碑の前で女性二人と一人。星空観察タワーの前で女性一人と会っただけ。

                           ≪高那崎≫

星空観測タワーを過ぎてさらに進むと「高那崎」。

昨年、島に三日間もいて唯一写真を撮らなかった名勝。

海面には三角波が立っていて、海岸にブチ当たった波が豪快に砕け散っている。

泡立つ海面も、サスガに美しい波照間ブルー。

去年は海が穏やかだったが、今年は大迫力。

地元の方に聞いたら、台風の時はもっと凄いと言うことだが、台風直撃の時に観光客がこの島に留まることはあまりないだろう・・・・。

結局、ここで90分近くも砕ける波を眺めていた。

顔と腕がヒリヒリと痛い。日焼け止めを塗るのをすっかり忘れていた・・・。

13:00 去年、島の女性から勧められた「cafeひまわり」で昼食。

昼食後は、集落内をシバシ散策。

去年、ガイドブックに載っているようなところは殆ど廻っているので、今回は早めに宿に戻った。

                           ≪ニシ浜≫     

15:30 宿に戻ってクーラーの効いた部屋で一休み。

その後、野鳥でも撮影しようと思い、カメラを持ってニシ浜に下りて見る。

宿の前は有名なシュノーケリング・ポイントになっているので、まだ大勢の若者たちが泳いでいた。

ビキニ姿のお嬢さんたちも何人かいて、そんな中で望遠レンズ付きのカメラを持ったオジサンがウロウロしていると怪しまれるので、波打ち際を足早に歩く。

どこまで歩いて行っても、このニシ浜には漂着物が無くて美しい。砂浜に落ちているのはサンゴのカケラだけだ。

宿に戻り、夕食の準備中のオカミサンに、「夜、南の海岸に南十字星の撮影に行ってもイイか?」とたずねたら、「レンタカーがあるのならまあイイでしょう!」と許可をもらった。

当然のことながら、島の人たちは夜中に観光客が暗闇をウロツクのを嫌がる。今までケガ人もけっこう出ているらしいし、島にはイヤな思いでもある。

「レンタカーがあるのならイイでしょう!」と言ってくれたオカミサンが、「でも、ウチの屋上からも南十字星が見えますよ!」と衝撃的な発言。

その証拠写真も食堂に貼ってあった。

去年は、まったくそんな情報は無かったと思うのだが・・・。

急遽予定変更。

「夜の外出はヤメます。今すぐ、生ビールください」

19:08 食堂での夕食を中座して、2Fの部屋のベランダから夕陽を撮影。

南十字星を撮影するには、チョット雲が多いのが気になる。

                     ≪屋上から南の空を見る≫

20:00 ほろ酔い加減で、カメラと三脚と缶ビールを持って宿の屋上に上がる。

低い位置を雲が流れていて、ビミョウ~な状態。

イスに腰掛け缶ビールを飲みながら雲の流れを見つめ、時折シャッターを切る。

こんな楽をして南十字星の撮影が出来るのだろうか、とやや不安。

本来なら、今頃、南海岸の漆黒の闇で一人でたたずんでいたハズなので・・・

                          ≪南十字星≫

南中の時間を過ぎたころ、急に雲がなくなる時があって、肉眼でも南十字星が見えて来た。

何枚か撮影した所で、本当にあれが南十字星か?と不安になる。

私の脇に、星座表や双眼鏡を持った母娘がいたので、撮った写真を見てもらったが、「方角的に見ても、絶対写っているハズです」とやや不安そう。

高感度のスローシャッターで星空を撮影すると、肉眼では見えない星まで写るので、違う雰囲気に感じる。

上の写真は、まず間違いないと思います。

※この位置から南の星空を見ると、集落の灯りの影響を受けて、撮影ポイントとしてはあまり条件は良くありません。

私のように、写真の出来よりビールの方を優先する人には天国です


ヤエヤマヒメボタルと南十字星 1

2015-06-08 | 八重山・西表島旅行記

2015年5月17日 ヤエヤマヒメボタル ステージ1

5月17日から5泊6日の予定で、沖縄の八重山に行って来ました。

1月の京都旅行(都七福神巡り)から、ずいぶんと久しぶりの旅行です。

この間、「熊野古道伊勢路」や「北海道離島」など計画を立てたのですが、いろいろあってすべてキャンセルとなり、急遽5月に旅慣れた八重山に行く事にしました。

実は、7月にも沖縄に行くことになっているのですが・・・・

今回の旅の目的は、石垣島で「ヤエヤマヒメボタル」の乱舞を撮影すること。そして、アワヨクバ去年(5月)見ることが出来なかった「南十字星」を撮影すること。

14:15 仙台空港から中部国際で乗り換えて新石垣空港へ到着。

15:00 アパホテル石垣島にチェックイン。

このホテルを選んだ理由は、レンタカーの営業をしていて広い平面駐車場が自由に使えること。

離島桟橋、サザンゲートブリッジ緑化公園まで徒歩10分以内であること。そして最も重要な「飲み屋街」に徒歩10分以内で行けること。

サザンゲートブリッジ緑化公園からは、南十字星が見えるらしい。

15:30 部屋で一休みした後、レンタカーで下見に出発。

今夜は、19日の夜に申し込んである「ヤエヤマヒメボタル撮影ツアー」に向けて、カメラの設定を探るテスト撮影を行う。そのため初めてでも分かりやすいヤエヤマホタルの生息地「バンナ公園のホタル街道」に行く。

その後、空の状態が良ければ、移動して南十字星も撮影したい。

まずは、明るいうちに南十字星の撮影ポイントを確認し、続いてホタル街道の下見と本番。

ホテルの駐車場を出ると直ぐに夕焼けで有名な石垣港の「サザンゲートブリッジ」があり、橋を渡り切るとすぐ左に公園駐車場がある。

 

                ≪サザンゲートブリッジ緑化公園の南端≫

南側が全面海なので、どこからでも南十字星が見えるだろうと判断して、次の目的地「バンナ公園」に向かう。

途中、ホームセンターで長靴を購入。バンナ公園の遊歩道は滑りやすいと何かに書いてあったのと、石垣空港から乗ったタクシーの運転手の話では、昨夜、ハブが出たらしいと言うことなので、一応念のため。

17:00 市街地から15分ほどで、バンナ岳に広がるバンナ公園の最上部「エメラルドの海を見る展望台」に到着。

以前来た時には、大型観光バスが何台も並んでいて混雑していたが、今日は夕方のせいかガラガラ。

 

             ≪「エメラルドの海を見る展望台」から南側の風景≫

方角からすると、南十字星はちょうど市街地の向こう側になりそうだ。石垣の市街地の夜景は星を撮影するにはちょっと厄介だ。

18:00 周辺を走り回って時間をつぶした後、バンナ公園の「自然観察広場」第2駐車場にレンタカーを止める。

           ≪県営バンナ公園 Dゾーン自然観察広場第二駐車場≫

上の写真左側の無料休憩所に母子三人家族がひと組いるだけで、ヒッソリしている。

ベストポイントが分からないので、カメラを持った人たちを見つけて後ろをついて行こうと思っていたのだが、それらしい人は誰もいない。

「もしかしたら、既に三脚を並べて場所取りをしているのではないか?」と不安になり、買ったばかりの長靴に履き替えて遊歩道に入る。

こういう橋や階段が滑りやすそうなので注意しながら進む。

何処まで行っても誰もいないので、適当な場所で三脚を立てて撮影準備。

19:00 こんな所で真っ暗になったら、たった一人で恐怖に耐えられるかな?などと心配しながらたたずんでいたら、家族連れや若いグループなどがゾロゾロと現れ、私の周りに人々が集まりだした。

私を名カメラマンと勘違いして、『この人のそばに居たらホタルがワンサカ集まってくるのではないか』と思われているのではないかと、困ってしまった。

が、それは私のウヌボレで、聞いてみると、去年もこのポイントが一番良かったのだそうで、たまたまその場所に、私が三脚を置いただけだった様だ。

そんなところへ、「イカニモ」という感じのご夫婦が撮影機材を持って現れた。

ためらわずに話しかけると、大変気さくな人で、「昨日、もっと良い所がこの先にあったので一緒に行きませんか?」と言ってくれた。

本来は星空を専門に撮影している東京の方なのだそうだが、この時期はヤエヤマボタルも撮るらしい。

教えてもらった茂みにカメラを向けて待機。

この場所にも家族連れなどが大勢集まりだした。

考えて見れば今日は日曜日。地元の人々が大半らしい。

皆さん短パンにサンダル履きで、中には超ミニスカにノースリーブの女の子もいたりして、ホタルよりソッチを撮影したくなる。

たぶん大量に≪虫よけスプレー≫を体中に吹き付けて来たのだろうが、ホタルも虫なので、逃げて行ってしまうのではないかと不安になる。

19:24 今日の日没は19:20、その数分後に茂みの一番暗い所で小さな光が瞬きだし、歓声が上がる。いよいよ撮影開始。

ヤエヤマボタルはヒメボタルの一種で、石垣島と西表島に生息し、体長は5mm程度なので光は小さい。ゲンジボタルやヘイケボタルと違って、短く点滅して光る。

オスがメスを求めて点滅しながら飛び回るのは、日没から30~40分と言われる。石垣島では6月中旬まで見られるらしい。

ヤエヤマボタルを写真に撮る場合、短く点滅して飛ぶので瞬間の光ではなく点滅の軌跡で撮ることになるので、結構難しく、スローシャッターが可能な一眼レフカメラと三脚が必要になる。

撮影方法としては、数分以上のシャッタースピードで一枚撮りするか、30秒程度で同ポジ連写して合成する方法などがあるようだ。

私は最初、合成などというジャドウではなく写真の王道一枚撮りに挑戦したが、あえなく惨敗。

長時間露出だと、ホタルがきれいに撮れても背景が昼間の様に明るくなってしまったりする。

さらに、周りに集まった人々が、スマホなどで撮影を始め、フラッシュを焚く人や懐中電灯を点ける人もいたり、子供がウチワでホタルを追いかけまわして茂みに入り込んだりと、ホタルの生息地は大騒ぎ。

結局、合成を前提とした撮り方にせざるをえない状況。

                       ≪ヤエヤマヒメボタル≫

【ヤエヤマボタル撮影 ステージ1】の最良の一枚は、上の写真。

薄暗い茂みの写真に手書きで点線を書き込んだような、なんだか寂しい写真。

撮影テクニックもお粗末だが、ホタルの数も寂しい状況だった。

まあ、ステージ1はテスト撮影であり、本番は19日以降と言うことで、乞うご期待!!。

20:00 撮影を終えた頃には私とご夫婦の三人だけになり、辺りは漆黒の闇。

車まで10数分かかるので、私一人だったらと思うと背筋がゾッとする。

この後、東京のご夫婦も付き合ってくれて、サザンゲートブリッジ緑化公園に移動。ご夫婦は昨日まで三日間、南十字星を撮影できたということだ。

しかし緑化公園まで来てみると、海が黄色い。街灯が反射しているのだ。

昨日は、南十字星観察会があって、街灯を消していたらしい。

「こりゃ、だめだっ」と言ってご夫婦は帰ってしまった。

私は何とかガンバって見よう、と残ったが、雲も多く肝心の南十字星がどれだか分からない。

磁石などを出してウロウロしていると、「南十字星を撮影しているのかい?」と言いながら、散歩の途中らしいオジサンが近づいて来た。

「これはシメタ」と思い、どれが南十字星かたずねると、「私は60年ここに住んでいるが、南十字星は見たことがない」とキッパリと言われた。

それでも親切な方で、イロイロとアドバイスをしてくれた。

南十字星は、明日行く波照間島に期待。

取りあえず、街に出て生ビール。

後で気がついたのだが、まだ南十字星は出て来ていなかったようで、ノンベェーの大失敗・・・

※バンナ公園のホタル街道へのアクセスは、バンナ公園のホームページに詳しく載っています。