2017年11月20日
このところ続けている「奈良・京都の古道歩き」。
今回は大阪も加え、大阪・奈良・京都の近畿三府県をたった二泊三日で旅する。
秋の観光シーズンなのに、宿を手配したのが出発の五日前。
ナントか奈良駅前のビジネスホテルに二泊予約がとれたが、三府県を回るには効率が悪い。結局、当日新幹線に乗ってから、何処に行くか考えるというドタバタ旅行となった。
京都までの新幹線往復チケットを買ったものの、まず、初日の今日は、大阪まで足を延ばし阿倍野区周辺を地味に歩く。
≪JR天王寺駅とあべのハルカス≫ ≪天王寺公園≫
12:35 天王寺駅に到着。駅を出たら外は雨。しかも、異常に寒い。「大阪歩きは止めて、奈良に向かおうか・・・」とも考えたが、セッカクここまで来たのだからと、傘を差してのウォーキングを強行することにした。
チョット思い入れのある阿部野神社までは、ナントか行きたい。
12:45 JR天王寺駅を出発。まずは、徒歩で阪堺電軌鉄道阪堺線の「新今宮駅」を目指す。歩き易いように、天王寺公園のヘリを西に向かって行こうと思っていたら、いつの間にか深みにはまってしまい、ドンドン公園の中に入り込む。
市立美術館前に出たところで、通天閣を右に見ながら動物園前、新世界のゲート前を通過。
13:17 阪堺線新今宮駅に到着。JR天王寺駅から10分ほどで来る予定だったが、30分もかかってしまった。
≪阪堺電気鉄道 阪堺線 新今宮駅≫
13:34 新今宮駅からは昔懐かしいチンチン電車に乗る。我孫子道行き。
≪天神ノ森駅≫ ≪天神ノ森天満宮≫
13:40 「天神ノ森駅」に到着。駅に隣接する「天満宮」に立ち寄り、旅の無事をお祈りする。
13:47 天満宮から徒歩2分ほどで、「天下茶屋跡」(西成区)到着。
太閤秀吉が茶会を催した場所跡らしいが、想像した通りの場所だった。写真を一枚撮っただけで、すぐ来た道を引き返えす。
≪阿部野神社≫
13:54 阿部野神社に参拝。
「阿部野神社」は、南朝、後醍醐天皇の忠臣、北畠顕家とその父北畠親房が祀られている。
北畠顕家は、足利尊氏の大軍を阿部野に迎え撃って、この地で戦死したと言われる。
顕家には、かなり前から興味があったので、この阿部野神社は今回のコースの中では一番来たかった場所だ。
≪北畠顕家の銅像≫
境内には、「北畠顕家」の銅像が雨に濡れてヒッソリとたたずんでいた。
顕家は、最年少記録の14歳で参議に昇進した公家で、大変な美少年だったと言う話もあり、大河ドラマ「太平記」では当時日本一の美少女「後藤久美子」が演じていたのを覚えている。
後醍醐天皇の命により、16歳の時に陸奥守として、私の住む宮城県にあった多賀国府(多賀城市)に赴任。
二年後、鎌倉の足利尊氏が京に攻め上ると、顕家は奥州などの大軍を率いて京に向かい、新田義貞や楠木正成らと共に足利軍を九州に追いやった。
この時の北畠軍の侍大将のひとりが、奥州の有力大名の伊達家だった。
足利尊氏が二度目に京に攻め上がった時には、顕家は、当時伊達家の本拠地だった陸奥の国伊達の郡にある天然の要塞、霊山に国府を移し、再び奥州や関東の大軍を引き連れて後醍醐天皇のもとへ馳せ参じ、最後はこの阿部野の地で戦死している。
北畠顕家が戦死した大阪阿倍野区には、顕家を祀った阿部野神社や、墓がある北畠公園、北畠の町名などが残るが、多賀国府があった現在の宮城県では、ほとんどの人がその名前すらしらない。
14:16 阿部野神社をあとにして、顕家の墓がある北畠公園に向かう。地図を見ても道路が複雑で分かりにくいので、磁石だけを頼りに東に向かう。
14:27 路面電車の走る通りに出る。阪堺電軌上町線。大阪市内を路面電車が走っているなんて知らなかったので、ちょっとビックリ。
私は「撮り鉄」ではないが、しばらくの間、珍しい路面電車を撮影。ドシャブリの中、片手に傘、片手にカメラなので、ナカナカうまくいかない。
≪北畠公園 北畠顕家の墓≫
14:55 さらに東に進み、「あべの筋」に出たところで、北畠顕家の墓を見つけた。
鉄の門扉があって近づけないので、サッと眺めて、ここからは北上。
≪阿倍王子神社≫
15:04 「阿倍王子神社」に参拝。
京・大阪から熊野へ向かう参詣道、熊野街道沿いに祀られた熊野九十九王子のひとつ。
≪安倍晴明神社≫
阿倍王子神社から50mほどで、「安倍晴明神社」に到着。阿倍王子神社の末社。陰陽師・安倍晴明の生誕地とされる。
≪陰陽師・安倍晴明と葛の葉霊狐≫
≪清明の産湯井戸≫
「あべ」と名の付く神社を三ヵ所回ったが、
阿部野神社(あべのじんじゃ)
阿倍王子神社(あべおうじじんじゃ)
安倍晴明神社(あべのせいめいじんじゃ)
と、漢字がみな違うので紛らわしい。
15:26 安倍晴明神社のお参りを済ませ、神社の前をさらに北上。「松虫通」に出る。
ここまで歩いてくる間、傘を差して自転車に乗った人がやたらと多いと思っていたが、よく見ると、みんな傘はハンドルに器具で固定されているようだ。一応、両手でハンドルを持っている。初めて見た風景なので、ちょっとビックリ。
年配のオバチャンが多いようだが、中には、オッチャンやオネエチャンもいる。
大阪の条例ではこういう器具が認められているのだろうか・・・?
とても雨を防いでいるようには見えないし、突然、風が吹いたらハンドルをとられて転倒する危険もある。歩行者の顔などに当たったら、かなりヤバイでしょう・・・。
閉じた傘がハンドルに突き立っていると、何かオカシイ。
≪松虫塚≫
15:32 傘を差した自転車を見ながら歩いていたら、歩道を塞ぐように「松虫塚」というのがあった。この辺りの地名の由来になった塚のようだ。よく分からないが、一応カメラに収める。
≪聖天山正圓寺≫
15:41 「聖天山正圓寺」(聖天さん)に到着。
摂津八十八か所霊場のひとつ。本尊の歓喜天は、我が国最大の聖天さんといわれる。
歓喜天は異形の仏像で、やはり秘仏の場合が多い。「秘仏の歓喜天」といわれると、ちょっとソソラレルが、ここでも見ることはできない。
不純な考えを振り払い、本殿前でお参りしようとしたら小銭が7円しか残っていなかった。ここまで神社をたくさん回ってきたので、お賽銭を使い果たしてしまった。
15:50 聖天さんの北側にある聖天山公園の東屋で一休み。今日初めての休憩。
自販機で缶コーヒーを買って、お釣りの小銭を確保。再びお賽銭を用意できたものの、そろそろ暗くなる時間。それに今日の宿は奈良なので、天王寺駅に戻ることにする。
16:06 往路の松虫通を戻り、あべの筋へ出る。
所々に現れる「熊野街道」の道標や阪堺電車を眺めながら、ノンビリ天王寺駅に向かう。
≪阪堺電車とあべのハルカス≫
16:45 JR天王寺駅に到着。今回の「古道歩き」を終了。
17:00 JR大和路快速で奈良に向かう。
17:34 JR奈良駅到着。
今日のコースタイム
JR天王寺駅ー(11)→大阪市立美術館ー(5)→新世界ゲートー(9)→阪堺線新今宮駅=(6)⇒天神ノ森駅ー(1)→天神ノ森天満宮ー(2)→天下茶屋跡ー(7)→阿部野神社ー(30)→北畠公園ー(7)→安倍王子神社ー(2)→安倍晴明神社ー(6)→松虫塚ー(8)→聖天さんー(30)→JR天王寺駅
歩いた時間:1時間58分
乗車時間:6分(電車待ち時間23分)
所要時間:3時間50分
※雨降りなので、かなり遅いペースで歩いています。
※観光コースではないので、道標や道案内はほとんどありません。
コースどりは、かなりいい加減です。
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