なんという愚かさだろう
精肉工場で働く俺たちは
朝4時のバスに揺られて品川に向かう。
猫の治療費と慰謝料の支払いに追われて
胡散臭いセンター長に、夜8時までの延長勤務を申し出る
それから、
たった一杯でいい、ビールが飲みたいと思い
バーに行く。
女もそうで、一杯で帰ると言う。
ところが女は
一杯の次に一杯を延々と頼み続け、
正直に言えば俺もまたまんざらでも無く、
猫の待つ家に急ぐ気が薄れていく。
淡い、青い煙草の煙に巻かれながら
日々も俺たちを煙に巻いてiく。
とりわけ夜に
次の朝も同じように赤い目で、
ろくな仕事も出来ない俺たちは
朝4時のバスに揺られている、
この世の金全て、
他人の懐と、安酒に消えていく