ゲーテ著の「若きウェルテルの悩み」を読みました
物語は青年ウェルテルが婚約者のいる身である女性シャルロッテに恋をし、叶わぬ思いに絶望して自殺するまでを描いているという切ない物語です。
ゲーテが若い頃に実際に経験したことを元に描いた内容だそうでして、当時のゲーテの辛い気持ちが切々と伝わってきました。本当に自殺することまでも考えていたようです。
ゲーテというと去年「ファウスト」を読みましたが、この物語はファウストとは全く異なる若人の純情物語でした。
厭世的で鬱気味な主人公ウェルテルが療養生活を送っていた時に出会ったシャルロッテは彼の心を癒してくれる天使のような存在でした。彼は彼女と出会えたことで救われただけでなく、彼女のことが好きになっていました。しかし、彼女には婚約者がいました。ルックスや地位など彼には到底勝てない婚約者でした。嫉妬心から徐々にシャルロッテと接することに苦しみを感じたウェルテルは彼女と距離を置くことにしました。しかし、それでも彼女のことが忘れられないウェルテルは再び彼女に近づくようになりました。そして、彼女を幸せに出来るのは自分しかいないと思うようになり、婚約者を殺そうとまで考えたりもしました。結局殺すことはなかったのですが、元々鬱気味であったということ、そしてそんなことまで考える自分が嫌になったウェルテルは悩みに悩んだ末自殺することとなりました。
私もこれとはちょっと違うのですが、似たような経験がありましたのでなんだか妙にリンクして、読んでいて非常に切なくなりました。
もう何年も前のことです。
私は旅先である人と知り合いました。
私は人見知りな性格で誰からも好かれるような人間ではありませんが、その人とはなんだか馬があったのか、妙に意気投合して友人(友人A)としてその後もときどき会ったりする関係となりました。
その友人Aは厭世的な私にはないような明るさを持っていて、会う事に徐々に惹かれていきました。
気になる人がいるとその人に恋人がいるのかどうか気になるものですが、これを直に聞いてしまうともしかしたらこの関係が壊れてしまうような気がして聞くに聞くことができませんでした。
こんな関係が半年ほど続いた後、風の噂で私はその友人Aに恋人がいることを知りました。さらにその恋人は私の友人(友人B)でした。
この事実を知ったとき私はいつの間にと驚きました。そして、私は友人Bには勝てないと思いました。傍目から見てもなんとなくお似合いでしたので。
ショックを受けた私はもう今までのように友人Aとは接することができないと思って徐々に距離を置くことにしました。しかし、友人Aに対する思いが消えていたわけではなかったので非常に辛かったです。
時は過ぎ、それから4年後私は友人Aと久しぶりに会うことになりました。話の中で友人Aは友人Bと何年か前にすでに別れていたということを知りました。普通ならばチャンス到来と思うべきなのかもしれませんが、その時の私には不思議とそっかぁという思いしか沸き起こりませんでした。時の風化のためか今となっては私の友人Aに対する思いはすでに過去の思い出となっていました。あのときあれほど夢中になっていた私がバカのように思えてきました。
あのとき私が友人Aと距離を置いたという選択は間違っていたのかどうかはわかりません。ウェルテルのように半ばストーカーのように再び追い求めていれば結果は違ったのかもしれません。
しかし、今となっては別に未練は全くありません。あくまで過去の思い出の一つです。
良い意味でも悪い意味でも昔から自分の淡白さ、鈍感さには呆れ返ります。
本を読んでいてここまで感情移入したのは久しぶりでした。
またいい本に出会えることができました

物語は青年ウェルテルが婚約者のいる身である女性シャルロッテに恋をし、叶わぬ思いに絶望して自殺するまでを描いているという切ない物語です。
ゲーテが若い頃に実際に経験したことを元に描いた内容だそうでして、当時のゲーテの辛い気持ちが切々と伝わってきました。本当に自殺することまでも考えていたようです。
ゲーテというと去年「ファウスト」を読みましたが、この物語はファウストとは全く異なる若人の純情物語でした。
厭世的で鬱気味な主人公ウェルテルが療養生活を送っていた時に出会ったシャルロッテは彼の心を癒してくれる天使のような存在でした。彼は彼女と出会えたことで救われただけでなく、彼女のことが好きになっていました。しかし、彼女には婚約者がいました。ルックスや地位など彼には到底勝てない婚約者でした。嫉妬心から徐々にシャルロッテと接することに苦しみを感じたウェルテルは彼女と距離を置くことにしました。しかし、それでも彼女のことが忘れられないウェルテルは再び彼女に近づくようになりました。そして、彼女を幸せに出来るのは自分しかいないと思うようになり、婚約者を殺そうとまで考えたりもしました。結局殺すことはなかったのですが、元々鬱気味であったということ、そしてそんなことまで考える自分が嫌になったウェルテルは悩みに悩んだ末自殺することとなりました。
私もこれとはちょっと違うのですが、似たような経験がありましたのでなんだか妙にリンクして、読んでいて非常に切なくなりました。
もう何年も前のことです。
私は旅先である人と知り合いました。
私は人見知りな性格で誰からも好かれるような人間ではありませんが、その人とはなんだか馬があったのか、妙に意気投合して友人(友人A)としてその後もときどき会ったりする関係となりました。
その友人Aは厭世的な私にはないような明るさを持っていて、会う事に徐々に惹かれていきました。
気になる人がいるとその人に恋人がいるのかどうか気になるものですが、これを直に聞いてしまうともしかしたらこの関係が壊れてしまうような気がして聞くに聞くことができませんでした。
こんな関係が半年ほど続いた後、風の噂で私はその友人Aに恋人がいることを知りました。さらにその恋人は私の友人(友人B)でした。
この事実を知ったとき私はいつの間にと驚きました。そして、私は友人Bには勝てないと思いました。傍目から見てもなんとなくお似合いでしたので。
ショックを受けた私はもう今までのように友人Aとは接することができないと思って徐々に距離を置くことにしました。しかし、友人Aに対する思いが消えていたわけではなかったので非常に辛かったです。
時は過ぎ、それから4年後私は友人Aと久しぶりに会うことになりました。話の中で友人Aは友人Bと何年か前にすでに別れていたということを知りました。普通ならばチャンス到来と思うべきなのかもしれませんが、その時の私には不思議とそっかぁという思いしか沸き起こりませんでした。時の風化のためか今となっては私の友人Aに対する思いはすでに過去の思い出となっていました。あのときあれほど夢中になっていた私がバカのように思えてきました。
あのとき私が友人Aと距離を置いたという選択は間違っていたのかどうかはわかりません。ウェルテルのように半ばストーカーのように再び追い求めていれば結果は違ったのかもしれません。
しかし、今となっては別に未練は全くありません。あくまで過去の思い出の一つです。
良い意味でも悪い意味でも昔から自分の淡白さ、鈍感さには呆れ返ります。
本を読んでいてここまで感情移入したのは久しぶりでした。
またいい本に出会えることができました
