心が高ぶったり、雑念によって妙に落ち着かないときは精神を集中させるものです。
人によってその方法は異なりますが、私の場合はいくつかあります。
その一つに「包丁を研ぐ」という方法があります。
下手にやると怪我をする恐れがあるので集中して包丁を砥石に当てて前後に動かす動作を繰り返します。
この集中がいいのでしょうが、これをやると包丁の切れ味が戻るだけでなく、心までもが研ぎ澄まされて不思議と落ち着きます。
どうでもいい話ですが、包丁研ぎで思い出すのが、昔話の”三枚のおふだ”で山姥が旅人を騙して寝ているあいだに「ヒッヒッヒ」と言いながら包丁を研いでいるシーンです。小さい頃の記憶ですが、未だに包丁研ぎには怖いイメージがつきまといます
今日は今年最後の包丁研ぎを行いました

包丁は3本使い分けていまして、一番よく使うのが三徳包丁(万能包丁)です。大抵の食材はこの包丁で事足ります。
しかし、硬いものや魚などには向きません。刃こぼれするからです。
そこでそういったものに対して使うのが出刃包丁です。魚をさばく時には必需品となります。これがあれば大抵の魚はさばけます。切れ味がいいので骨も簡単に絶つことができる反面一歩間違えると指を落とす危険性もあるため注意が必要です。使うときは最善の注意をした上で使います。幸いなことに今まで大きな怪我はしたことはありませんが、最初の頃は指を切ったり爪にヒビが入ったりしたことはありました。あまりオススメはしませんが、慣れてくると便利です
そして、最後の一本が刺身包丁です。魚を綺麗に切り分けるときに使います。出刃包丁でもできないことはないのですが、どうしても身ががたがたになったりして綺麗にはなりません。出刃包丁は三枚におろして柵取りするまでで、そのあとはこの包丁を使います。これは刀身が長細く、切れ味が鋭いです。刃こぼれしやすいので硬いものにはむきませんが、柔らかいものには抜群にいいです。魚だけでなく、トマトや肉を薄くスライスするときにも使えます。この包丁も出刃包丁と同様に危険性が伴いますので扱いには十分注意が必要ですが、慣れてくると便利です。
これら三本の包丁を年の締めくくりとして一年お世話になりましたという感謝の気持ちをこめて一本一本丁寧に研いでいきました。
切れ味も戻ったことですし、これからもよろしくという思いを込めて料理をしていきます