東方不敗のつぶやき

ジャッキージャンキー

2005 除夕、過年

2005年12月31日 | つぶやき
2005年も今日でお終い。せっかくなので、2005年に劇場、DVD、ビデオ、テレビ他、何かしらで初鑑賞した映画ベスト10、やらして頂きます。ちなみに一年で観た映画は全部で134本。偶然にして2004年は67本だったので、丁度倍の本数観たことになります。ココ数年は年々鑑賞数が減り続け、100本に満たない年が続いていたので、久し振りに映画を観た一年だったようです。では、独断と偏見によるランキング発表!

1.『いま、会いにゆきます』(2004.日本)
2004年の話題作。GWになってから、ようやく某名画座にて鑑賞。親子愛、夫婦愛、家族愛等、その全ての愛の形に心揺さぶられて、危うく泣きそうになってしまった・・・ 実際、珍しく"新品"でDVD買ってしまったってくらいに感動してしまいますた。

2.『トム・ヤム・クン』(2005.タイ)
東京ファンタのオープニングで鑑賞。トニー・ジャーの前作『マッハ!』にはそのアクションの凄まじさに目を見張ったが、ココでもその壮絶アクションは言わずもがな。さらに映画としても随分と洗練された印象で、全体を通して見せ方、テンポが格段に良くなったよう感じた。一般公開も楽しみ。

3.『パッチギ』(2004.日本)
井筒監督、いつも偉そうに言ってるだけのことはある。面白くて、感動もして、こういう出来のイイ映画、ありそうでなかなかないよ。

4.『月光の囁き』(1999.日本)
喜国さんの原作漫画は結構読んでいて映画化されたのも知っていたが、こんな風にキレイな青春映画になっているとは思っていなかったよ。実際描かれているのは、あまり常識的ではない世界で、それを映像として見るとインパクトは倍加している感じもしたが、決してイヤな気持ちではない。むしろ何かが心を射し、ジワジワとくるものがある。

5.『香港国際警察 NEW POLICE STORY』(2004.香港)
こちらがヘンに気を遣わなくても、素直に満足出来た久し振りのジャッキー映画。正直、昔の作品とは較べられないが、現時点でジャッキーが出来得る最良のモノ、と言えるのかも。でも実際、ジャッキーがまだまだこういうのを作れることを証明してくれたのは嬉しいよ。

6.『靴に恋する人魚』(2005.台湾)
東京国際映画祭にて鑑賞。とにかくその雰囲気の良さが心地良い。特別面白いと言うわけではないし、実はハッピーとも言い難い物語なんだが、印象はすこぶるイイ。キャラクター、描写、語り口等作品全体にセンスの良さを感じた。上映後のティーチインに登場した監督ご本人がまた、キレイでユーモアもあって、インテリジェンスを感じさせる素敵な女性で、私はすっかりファンになってしまったよ。(笑)

7.『SPL-殺破狼-』(2005.香港)
東京フィルメックスにて鑑賞。香港映画もまだまだ捨てたもんじゃない、と強く感じさせてくれた。サモ、ドニー、呉京が競演する壮絶アクションは80年代を彷彿とさせ、嬉しかった。

8.『ラストシーン』(2002.日本)
ハリウッドにも進出した『リング』なんかで知られる中田秀夫監督の一作。少しホラー映画的なティストもあるが、そんなところよりも全編に溢れる、古き良き日本映画に対するノスタルジーな描写に、とても心引かれた。

9.『下妻物語』(2004.日本)
2004年、話題となった一本。良い評判ばかり聞いていたので、少し構えて、そしてかなり期待して観たのだが、実際良かった。少し期待し過ぎたところもあったかもしれないけど、やっぱ悪くないよ。面白いし、何よりキャラクターが魅力的。

10.『デッドポイント』(1998.香港)
原題:非常突然。ジョニー・トゥ組、98年の一作。全体を通して見応えあるし、キャラがたってるから感情移入し易い。そしてラスト、まさかそう来るかぁ、って展開にかなりやられた。あれは引きずるよ。

以上、こんな感じでありましたが、自分としても意外なことに日本映画が多いね。

といったところで、2005年はこれでお終い。ココは11月からはじめてまだ二ヶ月弱ですが、最近では見て頂いてる方も結構いらっしゃるようで、恥ずかしいやら嬉しいやら。これからも、あくまで個人的な目線でバカで勝手なことを書いて行こうと思いますので、よろしくお願い致します。

新潟へ帰還

2005年12月30日 | つぶやき
本日生まれ故郷の新潟に帰省しました。なので今は、"『プロジェクトA』鑑賞にダメだしした"母上のPCより書いとります。本当はもう少し早目に横浜を出ようかと思ってたんですが、"女王の教室"の再放送をダラダラ見てしまったため、出発は夕方過ぎ。それでも何とか18時代の新幹線に乗ることが出来ました。で、そのまま実家のある新潟市まで帰ったかと言えば、さにあらず。途中長岡で下車し、某有名病院に勤める高校の同級生の"ダメ"医者の家に寄りました。今年結婚したばかりの奥方は島根の実家に里帰りされてて会えませんでしたが、結婚式の写真なんかを見せてもらいながらダメトーク。(アホ) 彼とは新潟に帰る度に会ってるんだけど、昔からやたら波長が合うんだよね。今回は結構久し振りに会ったんだけど、全然そんな感じもしなかった。彼も今日新潟市の実家に戻るっていうので、今夏買ったばかりという新車に同乗させてもらい、一路新潟へ。長岡には結構雪が積もっていて消雪パイプがフル稼働だったのに、新潟市には全然雪ないね。何だかちょっと寂しいなぁ~ で、本当は私が子供の頃父親から教えてもらい、この25年間大のお気に入りである"ブロンコ"っていうステーキ屋で食事するつもりだったのに、空腹を抱えて店の前に着いたときには、既に店は閉まっていたのでした・・・(泣) 確か昔は深夜までやってたと思ったんだけどなぁ、いつの間にこんなヤワな店になっちゃったんだよぉ~、と八つ当たりしてもはじまらない。でも、マジ残念だよ。久し振りに"ブロンコ"のステーキ食べたかったなぁ・・・ 仕方ないので、付近のファミレスで普通に食事して、結局実家に着いたのは日付も変わった12時半過ぎでありました。居眠りしながらも待っていてくれたらしい母上は、久し振りの会話もソコソコに本格的にご就寝あそばされました。元日にはおフランス旅行に旅立たれるそうでございます。こうして久し振りの新潟の夜もふけていくのでありました。

今日も黄金の街へ

2005年12月29日 | つぶやき
今日は特にやる事もなかったので、珍しく家の片付け&掃除でもして、のんびりと新潟に帰る準備でもしようかと思っていたのだが、先の香港で大活躍だったE先生から、これから会わないかとの連絡が入り、まぁどうせ特にやる事もなかったので、ホイホイと新宿へと繰り出した。そこに毎度おなじみM先生も加わり、男三人歌舞伎町へ。まず普通の居酒屋で散々っぱら飲み食いしつつ、何を話したか憶えてないようなことを延々としゃべる。続いてE先生の案内で、歌舞伎町地下のとあるこ洒落たバーへ。年末だからか人があふれとりました。さらにE先生に連れられ、今度はゴールデン街、先生馴染みの店に。一軒目、キレイな女性の店でワインを頂く。しばらくよもやま話していると混み合ってきたので、二軒目へ。そこは御夫妻が営む"あしたのジョー"な店。映像を見せてもらいながら、"ジョー"の話等で楽しく盛り上がる。で、"ジョー"の音楽監修をしていた荒木一郎のコンサート映像なんかも見せてもらったりしたのだが、この荒木さんが意外に良かった。今までは松田優作の『最も危険な遊戯』に出てた人、くらいにしか認識してなかったのだけど・・・ そしてこれを見ていたM先生があることを口走ったのですよ。荒木さんが、某大先生に似ていると。確かに似ている。そう思ったら、もうその影がチラついちゃってまともに見ちゃいられませんでした。今度機会があったら大先生には是非、"ジョー"のテーマを唄って頂きましょう!そんなこんなで今日もすっかり楽しんじゃって、気が付けば終電間際。慌てて店を飛び出し、駅へと急いだのでありました。ウーン、今日も楽しかったなぁ~

年内業務終了

2005年12月28日 | つぶやき
今日で今年のお勤めも無事終了となりました。今年はジリ貧だったボーナスは珍しく上がったけれど、例年以上にあまり仕事しなかったかも・・・(汗) で、今日も方々で発破かけられちゃいました、"来年は死ぬ気で働け!"と。実際やらなきゃならん仕事は一杯あんだよね~ かと言って、相変わらずモチベーションは上がらないし、もちろん死にたかないし・・・ あ~あ、年が明けて業務再開となるのが憂鬱だなぁ・・・ とか言いつつ、終業後は会社の仲の良い連中と焼肉を食べに大和へ。こういった形でたまに行く店なのだが、さすがは雑誌などにも載る有名店、今日も長蛇の列でありました。お陰で入店まで一時間くらい待ちましたよ。まぁでも、仕事の話なんてしないで他愛ないバカ話をしつつ美味い肉をたらふく食べて、なかなか楽しく満足でした。その後、みんなのノリも良かったので、そのまま付近の居酒屋へ移動して二次会。ここでもまたまた、飲んで食ってバカ話して、と帰ってみれば、またもやとっくに日付が変わっておりました。まぁ良い仕事納めだったのではないでしょうか。それにしもて、ホント休みが終わる日を思うと、せつないなぁ・・・

新ポリス・ストーリー

2005年12月27日 | 香港電影 1984
製作年度:1984
公司:嘉禾
出演:神勇雙响炮/POM POM
監督:ジョー・チョン
出演:リチャード・ウン、ジョニー・シャム、デニー・イップ、アイリーン・ワン、フィリップ・チェン、ジェームズ・ティエン、ディック・ウェイ、鍾發、陳龍、タイポー、サモ・ハン・キンポー、チャールス・チン、馮淬帆、ジャッキー・チェン、ユン・ピョウ、マース、林正英、劉秋生

一言:ジャッキー主演の93年作とは別物。本作はおそらく『五福星』の成功を受け、主演メンバーのうち二人でもう一本作ってみた、といったところか。そういった関係からか、劇中にはサモ、チャールス・チン、馮淬帆が『五福星』そのままの清掃員として登場する。この登場シーンがまた、ディック・ウェイを絡めて結構笑えるんですよ。私は日本語吹替え版のビデオで見たのだが、サモの声はちゃんと"水島裕"が吹替えていて、やっぱこの頃のサモにはピッタリだ。その他にもジャッキー(もちろん声は"石丸")やユン・ピョウもチラッと顔を見せる。映画の内容はもう全然憶えてないが、まぁ他愛ない話だったとは思われる。(笑) でも個人的には結構楽しんでしまったような印象はある。実際80年代香港映画お得意の、コテコテで場当たり的なゆるいギャグ満載の映画だったのだろう。その証拠に(?)、強豪ひしめく1984年の興行レースにあって、なんとあのジャッキー会心作『プロジェクトA』を上回る年間第5位の興行成績を記録している。サスガ香港だね。(笑) とにかくその人気からシリーズ化され、後発作も軒並みヒットする。こういうのがドンドン作られヒットする80年代香港映画界って、素晴らしいなぁ~

いつも心の中に

2005年12月26日 | 香港電影 1993
製作年度:1993
公司:許氏=電影人(UFO)
原題:搶錢夫妻/ALWAYS ON MY MIND
監督:ジェイコブ・チャン
出演:マイケル・ホイ、ジョセフィーヌ・シャオ

一言:1990年代に入り、それまでが嘘のような不況に見舞われた香港映画界にあって、唯一気を吐き、興行的にも批評的にも支持される佳作を連打した新興プロダクション"電影人(UFO)"が、地元香港の大スター、マイケル・ホイを主演に迎え製作したハートウォーミング・コメディ。
1994年、京都で開催された東京国際映画祭にて公式上映され、間をおかず東京でも香港映画の特集上映の中の一作として、紹介された。これら単発公開でも、その出来の良さから多少なりとも評判となったが、なぜかその後日本で正式公開されることはなかった・・・(何でだよ!) そしてようやく2005年、突如巻き起こったマイケル・ホイDVDリリースラッシュに際し、日本でも正式リリースとなった。前記した公開時に見ていなかった私は、後にその評判を聞き、日本でのリリースを待望してた一作だよ!今回遂に鑑賞に至ったわけだが、噂に違わず、良いじゃないか!
"金像奨"監督たる社会派ジェイコブ・チャンの演出は、ココではヘンに堅くなることなく、一方のマイケルも適度に毒気を抜かれた感じで、そのためとても見易く素直に感情移入出来る作品に仕上がっている。もちろんマイケル先生はココでも個性的なキャラクターを熱演。持ち前のヘンテコな手足の動きで笑わせてくれる一方で、夫として、父として、なかなか味のある名演を見せる。そしてマイケル先生の妻役のジョセフィーヌ・シャオがまたよろしいんですよ。個人的にも大好きな人なんだけど、さすがは香港映画の生きる伝説、子役時代のブルース・リーとも共演してるだけのことはあるよ。ストーリーもただの娯楽映画とはなっておらず深みもあり、それでいて面白いので、とっても良いです。ホント、けなすとこなんてないですよ。でも、コレ実はマイケル先生の映画としては、現地でもうひとつな興行成績だったみたいなんですよ。もう少しヒットしても良かったように思うけど、やっぱイマイチ辛気臭いところがあるのがいけなかったのかなぁ・・・ あと、クレジットを見ると、主題曲"Always on my mind"を『金枝玉葉』なんかで知られるUFOの監督ピーター・チャンが歌ってるみたいなんだけど、あれは本人???
まぁ何にせよ、今さらの感もないことはないが、日本でリリースしてくれた事には感謝しますよ。

聖誕節狂想曲

2005年12月25日 | つぶやき
本来今日は、遠来よりの客人方とお会いするという形で、宴席を設けるということで、話を進めていたといった形だったわけだが・・・ 思いもよらぬ介入により、その宴席の場が危うく失われるところだったよ。結果的には、"カンフーバーカーボーイズ"先生方の強力な援軍もあり、当初予期していた以上の盛り上がりとなって、またもや楽しい一日と相成ったわけだけど。実際"結果オーライ"といった形になったから良かったようなものの、一時はどうなることかと思ったよ。ホント今回の"人(じん)"には少なからずムカついた。自分の都合で他人を散々振り回してくれちゃってからに!"時の権力者"の顔色を伺い、いろんなモノを貢ぐのにはまめなのに。それと、あと金勘定も得意らしいけどね。

メリークリスマス

2005年12月24日 | 香港電影 1984
製作年度:1984
公司:新藝城
原題:聖誕快樂/MERRY CHRISTMAS
監督:クリフトン・コウ
出演:カール・マック、ポーラ・ツイ、ダニー・チャン、ロレッタ・リー、王嘉明(小光頭)、レスリー・チェン、サンディ・ラム、ユエン・ウーピン、趙志凌、施介強、ジェイコブ・チャン

一言:1984年、新藝城(シネマ・シティ)の聖誕節(クリスマス)映画。で、翌85年にまたがって公開された興行成績は、『大福星』『七福星』に次ぐ年間第3位の大ヒットを記録。主演は『悪漢探偵』シリーズでお馴染み、実は当時新藝城の社長も務めていたカール・マックと、日本ではほとんど知られていないが、香港の大物女性歌手ポーラ・ツイ。関係ないけど確かこのポーラは、"Gメン75"の香港版主題歌を歌ってたらしい。
で、映画の方だが、新藝城(後の東方)お得意の旧正月映画のような賑やかな顔触れの出演者と、ホノボノとした展開でなかなか楽しめる。まぁこういうのは、ストーリーよりも登場人物の顔触れを楽しみ、彼らの演じるキャラクターが魅力的ならもうそれだけで結構満足な感じ。本作も脇を固めるアイドル達、ロレッタ、レスリーなんかがイイんだわ。レスリーが自身ブレイクの要因となった"モニカ"の1フレーズをサラッと歌うとこなんて、特にイイよ。また『皇帝密使』でもカール・マックの息子役で出ていた"小光頭"クンがココでも芸達者なところを見せ、楽しませてくれる。そして本作最大の見所は、後に『マトリックス』で世界を席捲することになるユエン・ウーピンの怪演だ!あまり他では役者なイメージのないウーピン師だけど、オイオイこの弾けっぷりは一体何なの?丁度コレを撮った直後くらいに、『女デブゴン 強烈無敵の体潰し!』TV放映PRのために来日し、"カンフーおもしろ大全集"なんかにも出ていたが、あそこでは物静かで真面目そうなオッサンだったけど・・・
レスリーの死後日本では次から次へと過去の出演作がリリースされたが、本作はいまだ未公開。まぁ私はCSスタープラスで英語版を見ることが出来たが、どうせレスリーの映画を出すなら、こういうファン以外が見ても楽しめる作品を出した方が一般受けすると思うし、レスリーファンも喜ぶと思うけどなぁ・・・

忘年会

2005年12月23日 | つぶやき
今日は会社の忘年会ですた。普段の仕事は、はっきり言って好きじゃないけど、職場の人達は上も下も付き合い易い人が揃っているので居心地は悪くなく、そこは素晴らしい。そんなメンバーなので、会社の忘年会と言えど、今日もかなり盛り上がって楽しかったっす。で、帰ってみれば既に日付が変わって24日でありました。すると丁度タイミング良く『いつも心の中に(搶錢夫妻)』のDVDが我が家の郵便受けに!まぁ一日早いけど、今年は私の所にも"サンタさん"が来たらしい。(笑) もっとも有料ではあるのだけど・・・(アホ) "カンフーバーカーボーイズ"の私は、12月24日だからとて特に予定もないので、早速ありがたく鑑賞することにしますかね~

皇帝密使

2005年12月22日 | 香港電影 1984
製作年度:1984
公司:新藝城
原題:最佳拍擋 女皇密令/ACES GO PLACES 3(MAD MISSION Part Ⅲ:OUR MAN FROM BOND STREET)
監督:ツイ・ハーク
出演:サミュエル・ホイ、カール・マック、シルビア・チェン、王嘉明(小光頭)、リッキー・ホイ、ジョニー・シャム、曹達華、リチャード・キール、サンダー杉山、チャーリー・チョー、ロウェール・ロー

一言:新藝城(シネマ・シティ)が誇る大ヒットシリーズ第三弾。本作も地元香港では公開されるや大ヒットとなり、一作目がマークした興行記録を上回り、再び興収新記録を達成した。
本作が公開された1984年と言えば、香港返還が正式に調印された年。嘉禾(ゴールデン・ハーベスト)が擁する"ゴールデン・トリオ"、ジャッキー、サモ、ユン・ピョウが協力タッグを組み、質の高い娯楽作を連打。また新たなプロダクションである徳寶(D&B)が設立され、新藝城VS嘉禾の覇権争いに割って入ろうと、もはや落日の老舗邵氏(ショウブラ)を蹴落とす勢いで第三勢力として急激に台頭してくる。さらには、80年前後に相次いでデビューした"ニューウェーブ"と称される、外国帰りの若手気鋭監督達による作家性の強い野心作が次々発表されていた。そんな、大充実の香港映画界にあって、こうしたライバル達が寄ってたかって挑みかかっても、新藝城"最佳拍擋"の牙城は、全く揺るぎないものだったのだ。
本作『皇帝密使』は、前2作と較べいささかティストは異なっている。監督が"ニューウェーブ"派の雄ツイ・ハークに変わったことに起因するのか、随所に特撮を用いた大スケールの見せ場が配され、さらには海外ロケを盛り込み、国際色豊かなキャストを起用することで、作品全体の大きなスケールアップを果たしている。そしてもちろん"最佳拍擋"な主演三人は今回も魅力的。加えて、シリーズ2作目で結婚した"コチャック"と"シルビア"には本作で子供が誕生しており、この子供を絡めたお笑いシーンも面白く、新たな見せ場となっている。
私もコレは大好きな一作で、もし『悪漢探偵』シリーズからどれか一本選べと言われれば、迷いながらも本作を上げる。また、欧米向けに編集された『MAD MISSION』を基にした日本公開版と香港版『ACES GO PLACES』とでは中身がかなり異なる。明らかに地元香港の観客を意識したと思われるドタバタギャグが多い香港版も個人的には捨て難いが、よりテンポの良い日本公開版の方が完成度は上に思われる。しかし出来ることなら、この二つのバージョンを同時収録したDVDの登場を是非期待したい。そしてその際には、"ゴールデン洋画劇場"版の日本語音声収録も実現してもらいたいものだ。