東方不敗のつぶやき

ジャッキージャンキー

上海ブルース

2006年01月06日 | 香港電影 1984
製作年度:1984
公司:電影工作室(金公主)
原題:上海之夜/SHANGHAI BLUES
監督:ツイ・ハーク
出演:ケニー・ビー、シルビア・チェン、サリー・イップ、ロレッタ・リー、成奎安、田青、胡楓、龍剛、ヘレン・マー

一言:ツイ・ハークの製作会社"電影工作室"の第一回作品。映画の内容はもはや憶えていないが、結構良かった印象はある。でも個人的にはツイ・ハークって、どこが評価されているのか、イマイチ理解出来ないところもあるんだよね。まぁ確かにプロデューサーとしては、香港映画のトレンドをいろいろと生み出してたりするから、実際大したものだと思うけど、一方で監督としては特に秀でてるという印象はないなぁ・・・ コレはそんなツイ・ハーク監督作にあって、素直に楽しめたような気がする。何てったって、出てくる人間が皆、大層魅力的だからね。

ブルース・リーの神話

2006年01月05日 | 香港電影 1984
製作年度:1984
公司:嘉禾
原題:李小龍生與死/BRUCE LEE,THE LEGEND
監督:?
出演:ブルース・リー、ノラ・ミャオ、ベティ・ティンペイ

一言:ブルース・リー没後10年、リー先生のお陰で世界に名を知られるまでに成長した嘉禾(ゴールデン・ハーベスト)が製作した決定版的ドキュメンタリーで、その死の直後製作された『ブルース・リーの生と死』の改訂版とも言える一作。80年代中盤、最高潮を迎えたジャッキー人気の影で、陽の当たらない立場へと追いやられつつあったブルース・リーを、あえて大フィーチャーした本作が製作されことはとても嬉しく、大変意義深いことだ。"ハーベスト"にも、まだまだ心ある人々がいたものだよ。まぁレイモンド・チョウではないだろうが・・・ 日本でもコアなファンの間では、製作直後から知られた存在だったらしいが、一般には1987年の東京国際ファンタスティック映画祭にて紹介された。この上映に行ったって人の話は聞いたことないけど、どうだったんだろう?出来れば行きたかったなぁ~ もっともその頃の私はこんな映画のことなんて露知らず、後にたまたま通りかかったビデオレンタル屋の店先でコレのパッケージを見付け、そのままそれを持ってレジへと向かったものですよ。でも会員でなかったので身分証明書の提示を求められるもそんなモノの持ち合わせなく、あえなく追い返されたのであった・・・ まぁその後、満を持して借りに行ったのは言うまでもないが。
作品の方は、さすが"ハーベスト"が作っているだけあって、かなり見所満載な内容で珍しい映像も多く登場する。まずブルース・リー以外で非常に気になったのが、宙を舞い崖を切り崩しながら展開される意味不明のチャンバラ映像。それが『チャイニーズ・ゴースト・ストーリー』などで後に名を馳すことになる、チン・シウトン監督のデビュー作『生死決』であったことは後々知ることになる。また『ドラ息子カンフー』撮影中のセットの模様なんかも興味深い。しかしやはり特筆すべきは『死亡遊戯』関連映像。初めて見た時には驚喜したものだよ。ソックリさんのカメラテストや、リハーサルするサモ&ユン・ピョウなんかにも目を引かれたが、やはり何と言ってもブルース・リー本人によるアウトテイク集!まぁ昔は単純に、ただのNGカットだと思ってたんだけどね。あとは、ノラ・ミャオがかなりイケてなかったのとティンペイにまつわる辺りが、当時は純粋ピュアだった少年の心を多少なりとも傷つけはしたが、我々ファンにとってはやはり嬉しい一作だった。特にエンドクレジットの、哀しげな旋律のメロディにのせて次々映し出される『死亡遊戯』の映像は、何度も繰り返し見たものだよ。ホント、ココは今でもたまに見たくなるほどだ。

新Mr.BOO!鉄板焼

2006年01月03日 | 香港電影 1984
製作年度:1984
公司:嘉禾(許氏)
原題:鉄板焼/TEPPANYAKI
監督:マイケル・ホイ
出演:マイケル・ホイ、サリー・イップ、マイケル・ライ

一言:香港の"喜劇王"マイケル・ホイが3年振りに放った主演作だが、それまで共演していたサミュエル&リッキーは本作には参加していない。それが響いたか、はたまた3年のブランクが大きかったか、それまで無敵を誇った興行レースでライバル達の後塵を拝し、年間6位の興行成績に甘んじている。まぁそれでも十分大したものだけどね。日本でも1985年に劇場公開され、後に名物広川太一郎吹替えによるTV放映もなされた。私はこのTV放送を見たが、正直あまり印象がない。やはり他のシリーズ作と較べて、いささか落ちるということか・・・ 私は最近出たBOXを購入したのでDVDも所有しているが、広川吹替えもないため、本作のみいまだまともに観ていない。まぁ実際、サム&リッキーの不在は大きく、マイケル以外のキャラクターの印象は薄い。ただ一方で、本作のサリー・イップは、他の彼女出演作と比較して結構良かったような気もする。

スパルタンX

2006年01月01日 | 香港電影 1984
製作年度:1984
公司:嘉禾
原題:快餐車/WHEELS ON MEALS
監督:サモ・ハン・キンポー
出演:ジャッキー・チェン、ユン・ピョウ、サモ・ハン・キンポー、ローラ・フォルネル、ベニー・ユキーデ、ペペ・サンチョ、キース・ビタリ、ポール・チャン、リチャード・ウン、ジョニー・シャム、ウー・マ

一言:1984年、『プロジェクトA』から本作『スパルタンX』にかけて、日本でのジャッキー人気は正に絶頂期を迎えていた。今じゃにわかに信じられないが、ジャッキー、サモ・ハン、ユン・ピョウが再び共演するこの映画は、一種イベントムービーと目され、堂々と正月映画に目玉作品の一つとしてラインアップされた。そして東宝系拡大公開の大作としての重責を果たす10億円を越える配収を上げ、見事その期待に応えている。
コレも公開前さかんに流されたTVCMを見て、もの凄く興奮したものだよ。そしてとても見に行きたくなった。しかし『プロジェクトA』で既に諦め癖がついていたためか、今回は大して抵抗もせず劇場鑑賞を断念したのであった。今にして思えば、コレも何とかして劇場で見ておくべきだったなぁ。そうしたら作品の印象も格段に良くなっていたような気がする。まぁ実際には、本作は『プロジェクトA』に較べて完成度は大きく劣るような言われ方をする向きはある。しかしコレはコレで、それなりに良く出来ているとは思うよ。この当時は、ヨーロッパにロケしてるってだけでスケール感は感じられたし、そして何よりジャッキーVSユキーデの超絶バトルは本当に凄まじくて見応えがあった。当時からユキーデは"本物"だ、としきりに書かれていたが、その本当の真価は後々になってようやく分かった。実際ユキーデってホント凄い人だったんだね。今でもその辺をちゃんと認識していないジャッキーファンって結構いると思うよ。あとは、ワゴン屋台"スパルタン号"やスケボーを駆使しての注文取りのシーンなんかにも、子供心に非常に目を引かれた。それにジャッキー、ユン・ピョウ、サモのキャラクターも、それぞれ魅力的でイイんじゃないの。そこに絡むローラも美人でイイし、あと"スパルタン号"大活躍のカーチェイスもなかなかの見所になっていて、それにストーリーだってそれなりに悪くないし、と結構イイ材料は揃ってる。だけど、全体を通してみると確かに、イマイチ散漫というかもう一つ弾けきらなかった印象はある。でも個人的には全然嫌いじゃないよ。

新ポリス・ストーリー

2005年12月27日 | 香港電影 1984
製作年度:1984
公司:嘉禾
出演:神勇雙响炮/POM POM
監督:ジョー・チョン
出演:リチャード・ウン、ジョニー・シャム、デニー・イップ、アイリーン・ワン、フィリップ・チェン、ジェームズ・ティエン、ディック・ウェイ、鍾發、陳龍、タイポー、サモ・ハン・キンポー、チャールス・チン、馮淬帆、ジャッキー・チェン、ユン・ピョウ、マース、林正英、劉秋生

一言:ジャッキー主演の93年作とは別物。本作はおそらく『五福星』の成功を受け、主演メンバーのうち二人でもう一本作ってみた、といったところか。そういった関係からか、劇中にはサモ、チャールス・チン、馮淬帆が『五福星』そのままの清掃員として登場する。この登場シーンがまた、ディック・ウェイを絡めて結構笑えるんですよ。私は日本語吹替え版のビデオで見たのだが、サモの声はちゃんと"水島裕"が吹替えていて、やっぱこの頃のサモにはピッタリだ。その他にもジャッキー(もちろん声は"石丸")やユン・ピョウもチラッと顔を見せる。映画の内容はもう全然憶えてないが、まぁ他愛ない話だったとは思われる。(笑) でも個人的には結構楽しんでしまったような印象はある。実際80年代香港映画お得意の、コテコテで場当たり的なゆるいギャグ満載の映画だったのだろう。その証拠に(?)、強豪ひしめく1984年の興行レースにあって、なんとあのジャッキー会心作『プロジェクトA』を上回る年間第5位の興行成績を記録している。サスガ香港だね。(笑) とにかくその人気からシリーズ化され、後発作も軒並みヒットする。こういうのがドンドン作られヒットする80年代香港映画界って、素晴らしいなぁ~

メリークリスマス

2005年12月24日 | 香港電影 1984
製作年度:1984
公司:新藝城
原題:聖誕快樂/MERRY CHRISTMAS
監督:クリフトン・コウ
出演:カール・マック、ポーラ・ツイ、ダニー・チャン、ロレッタ・リー、王嘉明(小光頭)、レスリー・チェン、サンディ・ラム、ユエン・ウーピン、趙志凌、施介強、ジェイコブ・チャン

一言:1984年、新藝城(シネマ・シティ)の聖誕節(クリスマス)映画。で、翌85年にまたがって公開された興行成績は、『大福星』『七福星』に次ぐ年間第3位の大ヒットを記録。主演は『悪漢探偵』シリーズでお馴染み、実は当時新藝城の社長も務めていたカール・マックと、日本ではほとんど知られていないが、香港の大物女性歌手ポーラ・ツイ。関係ないけど確かこのポーラは、"Gメン75"の香港版主題歌を歌ってたらしい。
で、映画の方だが、新藝城(後の東方)お得意の旧正月映画のような賑やかな顔触れの出演者と、ホノボノとした展開でなかなか楽しめる。まぁこういうのは、ストーリーよりも登場人物の顔触れを楽しみ、彼らの演じるキャラクターが魅力的ならもうそれだけで結構満足な感じ。本作も脇を固めるアイドル達、ロレッタ、レスリーなんかがイイんだわ。レスリーが自身ブレイクの要因となった"モニカ"の1フレーズをサラッと歌うとこなんて、特にイイよ。また『皇帝密使』でもカール・マックの息子役で出ていた"小光頭"クンがココでも芸達者なところを見せ、楽しませてくれる。そして本作最大の見所は、後に『マトリックス』で世界を席捲することになるユエン・ウーピンの怪演だ!あまり他では役者なイメージのないウーピン師だけど、オイオイこの弾けっぷりは一体何なの?丁度コレを撮った直後くらいに、『女デブゴン 強烈無敵の体潰し!』TV放映PRのために来日し、"カンフーおもしろ大全集"なんかにも出ていたが、あそこでは物静かで真面目そうなオッサンだったけど・・・
レスリーの死後日本では次から次へと過去の出演作がリリースされたが、本作はいまだ未公開。まぁ私はCSスタープラスで英語版を見ることが出来たが、どうせレスリーの映画を出すなら、こういうファン以外が見ても楽しめる作品を出した方が一般受けすると思うし、レスリーファンも喜ぶと思うけどなぁ・・・

皇帝密使

2005年12月22日 | 香港電影 1984
製作年度:1984
公司:新藝城
原題:最佳拍擋 女皇密令/ACES GO PLACES 3(MAD MISSION Part Ⅲ:OUR MAN FROM BOND STREET)
監督:ツイ・ハーク
出演:サミュエル・ホイ、カール・マック、シルビア・チェン、王嘉明(小光頭)、リッキー・ホイ、ジョニー・シャム、曹達華、リチャード・キール、サンダー杉山、チャーリー・チョー、ロウェール・ロー

一言:新藝城(シネマ・シティ)が誇る大ヒットシリーズ第三弾。本作も地元香港では公開されるや大ヒットとなり、一作目がマークした興行記録を上回り、再び興収新記録を達成した。
本作が公開された1984年と言えば、香港返還が正式に調印された年。嘉禾(ゴールデン・ハーベスト)が擁する"ゴールデン・トリオ"、ジャッキー、サモ、ユン・ピョウが協力タッグを組み、質の高い娯楽作を連打。また新たなプロダクションである徳寶(D&B)が設立され、新藝城VS嘉禾の覇権争いに割って入ろうと、もはや落日の老舗邵氏(ショウブラ)を蹴落とす勢いで第三勢力として急激に台頭してくる。さらには、80年前後に相次いでデビューした"ニューウェーブ"と称される、外国帰りの若手気鋭監督達による作家性の強い野心作が次々発表されていた。そんな、大充実の香港映画界にあって、こうしたライバル達が寄ってたかって挑みかかっても、新藝城"最佳拍擋"の牙城は、全く揺るぎないものだったのだ。
本作『皇帝密使』は、前2作と較べいささかティストは異なっている。監督が"ニューウェーブ"派の雄ツイ・ハークに変わったことに起因するのか、随所に特撮を用いた大スケールの見せ場が配され、さらには海外ロケを盛り込み、国際色豊かなキャストを起用することで、作品全体の大きなスケールアップを果たしている。そしてもちろん"最佳拍擋"な主演三人は今回も魅力的。加えて、シリーズ2作目で結婚した"コチャック"と"シルビア"には本作で子供が誕生しており、この子供を絡めたお笑いシーンも面白く、新たな見せ場となっている。
私もコレは大好きな一作で、もし『悪漢探偵』シリーズからどれか一本選べと言われれば、迷いながらも本作を上げる。また、欧米向けに編集された『MAD MISSION』を基にした日本公開版と香港版『ACES GO PLACES』とでは中身がかなり異なる。明らかに地元香港の観客を意識したと思われるドタバタギャグが多い香港版も個人的には捨て難いが、よりテンポの良い日本公開版の方が完成度は上に思われる。しかし出来ることなら、この二つのバージョンを同時収録したDVDの登場を是非期待したい。そしてその際には、"ゴールデン洋画劇場"版の日本語音声収録も実現してもらいたいものだ。