東方不敗のつぶやき

ジャッキージャンキー

悪漢探偵

2005年12月04日 | 香港電影 1982
製作年度:1982
公司:新藝城
原題:最佳拍擋/ACES GO PLACES(MAD MISSION)
監督:エリック・ツァン
出演:サミュエル・ホイ、カール・マック、シルビア・チェン、ディーン・セキ、チェン・シン、曹達華、韓國財、施介強、ツイ・ハーク、ジョージ・ラム

一言:香港映画史に残る大ヒット作!80年代に入り設立された新興プロダクション新藝城(シネマ・シティ=CC)に初の年間興行収入ナンバーワンの座をもたらし、同社を一気に老舗の邵氏(SB)、嘉禾(GH)に対抗し得る存在へと押し上げた。さらには、当時の香港映画としては洗練された作風とテンポの良いコンテンポラリーなアクションは、それまで時代劇功夫とベタベタなコメディが主流であった香港映画界の流れをも変えさせた、エポックメイキングともなった。そして当然の如くシリーズ化され、各続編も軒並み大ヒット。一本ヒットすれば必ず続編が製作される香港映画界には、『警察故事』系列、『英雄本色』系列、『無間道』系列など傑作シリーズは数あれど、個人的には本シリーズが最も好きだ。
本編も開巻からして快調だ。オープニングタイトルまでのファーストアクションのテンポの良さと言ったらない。そして何よりキャラクターが魅力的。腕は立つがお調子者でどこか抜けてて憎めない大泥棒キングコング"サム"。アメリカ帰りのエリート警部、にはとても見えない、やはり抜けまくりの"コチャック"。男勝りで気は強いけど、実は堪らなく可愛いとこのある、今で言うところの"ツンデレ"を20年先取りした、女刑事"シルビア"。この三人のキャラクターがとにかく最高で、さすがは"最佳拍擋(最高のパートナー)"を冠するだけのことはある。そしてココでもサムの音楽は素晴らしく、"007"調の耳馴染みするBGMが作品と最高にマッチしている。全編にちりばめられたトリッキーなアクションは、それまでの香港映画を見馴れた目には新しく、現地での大ヒットも納得だ。
日本でテレビ放映された際には、シルビア刑事の声を研ナオコが吹替え、正直上手いとは言えないのだが、それが意外に悪くなくて私は好き。そしてサムとコチャックの声も合っていて、このシリーズはテレビ放映版も大好き。まぁケチを付けようと思えばいくらでも付けられるとは思うが、とにかくコレ大好きなのでそんな気にはならない。
本作が公開された1982年、当時の興収新記録を樹立。後にその記録は更新されることになるが、入場料金の変動を考慮すると、外国映画を含めて香港で公開された映画の最高興収は今でも本作になるらしい。そして驚くべきことに、同様の換算で見ると、2位が同シリーズ2作目の『最佳拍擋 大顯神通』であり、続く3位もシリーズ3作目である『最佳拍擋 女皇密令』となっている。正に本シリーズは香港映画界における金字塔だ。