59歳「じージ」の癌治療日記

2005年11月、胃がんと診断された3人の孫を持つ59歳男性の治療記録

長野からの来客

2006-08-16 20:57:35 | Weblog

8月14日(月曜日)
今日は思いがけない人が遊びに来てくれた。
10年かあるいは7,8年か詳しくは覚えていないが、それくらい前にここ城山から長野に引っ越していった友達Iさんだ。
一緒の会社でもあり、テニスを一緒に楽しんだ仲間でもある。

久し振りに会った顔は、日焼けして元気そうだった。
田舎暮らしのゆったりとした雰囲気がなんとも言えず良い。

引っ越した理由がちょっと変わっている。変わっているというと本人には大変失礼であるが、当時、私は本当にそう思っていた。

2人の女の子のお子さんがひどいアトピーであった。
この病気をよくするには生活環境、特に水や空気や食物を変えるしか無いと判断し、長野に引っ越して自然食品の自家栽培を始めた。
特に奥さんは熱心だった。(と思う)
その当時私は聞いた。「長野での仕事は決まってるの?」
仕事は決まってないけど行けば何とかなる。そんな感じだったと記憶する。
仕事も決まっていなくって、身内も居ない知らない土地によく引っ越せるな、と当時は心配しながら見ていたものだ。
きっと自分にはできないだろうな、と思っていた。

でも、現在私はこうして癌を患い、色々と治療経験を重ねるうちに、当時の彼ら夫婦の決断が正しく、、また行動に移すことがどれだけ大変で、実際に行動した事がどんなに素晴らしい事かが分かってきた。
2人のお子さんずれでたずねて見えたが、2人とも真っ黒に日焼けして、アトピーのかけらも見られない。田舎暮らしの純真さと素直さが見え、そして何より生き生きと見えた。

今では時々は誘惑に負けて美味しいものも食べているそうだが、それでも基本的には自分達で野菜など栽培したものを食べているそうだ。
蕎麦を作る仲間に入り蕎麦作りにもチャレンジしているそうだ。
今度行ったら美味しい蕎麦を食べさせてもらう事を約束した。

人の行動にはその人なりの深い理由があり、周りの人には理解しがたい事も、本人にとってはとても重要であることを私は病気になって始めて思い知らされた。そして当時のIさん夫婦の決断力と、実行力に感心することしきりである。