59歳「じージ」の癌治療日記

2005年11月、胃がんと診断された3人の孫を持つ59歳男性の治療記録

アメリカからの客人

2006-04-22 14:37:10 | Weblog

4月21日(金曜日)
昼間は病院でとても良い治療経過を聞いてきて、さらに今夜はアメリカで私の下で一緒にエンジニアリング部門の面倒を見てくれていたマネージャが日本に来ているのでみんな(米人2人、日本人3人)で一緒に会食した。
会った時には懐かしさと私の病状への気遣の両方で握手だけではなくハグ(抱き合う挨拶)までしてしまった。
わたしの今日の検査結果を話すとみんながとても喜んでくれた。
気持ちを前向きに明るく生活することが大事だねとみんなに励まされる。
会社の仕事も組織異動や今後の仕事の日米分担など色々と大変な時期では有るが、今日で日本での仕事も一区切りで、明日アメリカに帰るといった開放感で、みんなうまそうにビールを飲み干していた。身体の調子がいいせいか、私も一杯呑みたい気持ちではあったが、ここで気を緩めてはいけない、これからが大事だと自分に言い聞かせて我慢した。
今夜は楽しい話題で楽しいお酒をみんなで飲めてとても良い時間を過ごせた。
なにか楽しいことがあるといつも思う、癌になったおかげでみんなとこんなに楽しい時間が過ごせる、ありがとう! と。
髪が薄くなったのでハンチングをかぶっていったら、帰り際その帽子を褒めてくれた。
帰りにはまた駅前で”ハグ”をして再会を誓って分かれた。
きっと良くなって、もう一度アメリカに、仕事でなくてもプライベートでも行くと自分に誓う。


治療結果

2006-04-22 07:03:15 | Weblog
4月21日(金曜日)
今日は待ちに待った、治療結果が分かる日だ。
朝一番から病院へ行き、まず血液検査用に採血、次に皮膚科に行き背中の発疹が良くなったことを見てもらう、その次がいよいよバリウムのレントゲン、
レントゲン室には主治医が待ち構えていた。通常はレントゲン技師だけなのに・・・
バリウムを飲んで撮影開始、昔よりバリウムの量は少なくなったが、この検査はやはりあまり好きではない。
モニターを見ながら主治医がオペレータの女の子(技師かな?)に指示を出している。
検査が終わると主治医が私のところに来て「モニターで見る限り随分良くなってますよ、早めに診察室で話しましょう」とニコニコしながら言ってくれた。
1時間後くらいに診察(面談)が始まり、17日(月曜日)に撮ったCTの写真と治療前の写真を見比べ、ペン先で指しながら、「大動脈近くのリンパ節はこんなに小さくなってますよ、他のところもほとんど腫れが分からないくらいになっています」
次に、今日のレントゲン写真を出して治療前の写真と見比べる。幽門近くの癌によって胃の内壁がくびれていた部分が滑らかな曲線に変わっている。癌自体も縮小している証拠だ。
ある程度自覚症状で良くなっているとは感じていたが、こうしてはっきりと写真で確認できて本当に嬉しい。
先生も喜んでいる。
「確実に抗がん剤は効いています、もうしばらく同様の治療を続けましょう」
と言うことになった。
点滴を受ける時のBEDがなかなか空いていないので、来週1週間はお薬をお休みとし、5月1日から第5回目を開始することにした。
私は5月19日が60歳の誕生日で、定年になる。このブログで以前にも書いたが、こうして癌を患うことが無ければそのまま3,4年は勤めるつもりで居たが、いまはとりあえず定年で一区切りをつけて、ゆっくりと療養するつもりになった。
定年、還暦のお祝いと癌がよくなっているお祝いを兼ねて、旅行に行きたい旨先生に相談したところ、二つ返事でOKが出た。
「定年後はゆっくり休んで、旅行でも何でも楽しんできてください」
「実のところ私も今の生活には幾分くたびれています、正直休みたい気分です」
と私には本音を漏らしてくれた。私が入院中も朝の7時前には病室に状態をチェックに来てくれるし、治療方法の相談をすれば夜の9時頃から話し合ってくれる。それまでは会議や何やかやで時間が取れない状況、確かに日本の医者は過労状態だと思う。
婦人科医がマスコミや患者から色々とたたかれているが、本当の医療ミスと患者の我侭がごちゃ混ぜになっている、こんな状態では日本の医療制度自体が近いうち崩壊するだろうと言っておられた。主治医の友人に産婦人科医もいるが、彼らは医者になってから私用で泊りがけで遊びに出かけたことは一度も無いそうだ。それほど4,6時中大変だということ、すでに地方では産婦人科医が不足しているとの事。
医者と患者の信頼関係が築かれて、こうして本音も聞かせてもらえる。
これも、あれも、みな治療が順調で癌が縮小しているおかげだ。
とにかく私は定年後旅行(出来ればハワイ)に行くことを一つの目標にこれから頑張ることが出来る。
今日は本当にいい日だった。