働き方改革で、労働時間の短縮を図る動きが広がっている。
神戸製鋼所は会議の削減などを通じ、2017年4月から午後7時以降の残業を原則禁止する。
生産現場を除く全事業部門の職場が対象。
住友商事は社員一人ひとりが有給休暇の年間計画を立て、取得促進を促す。
人口減に伴い労働力不足が見込まれる中、女性や高齢者らが一段と働きやすい環境づくりを目指す。
「女性ら確保へ環境整備」
神戸製鋼は始業時間は変えず、原則、自宅へ仕事を持ち帰ることも禁止する。
残業する場合は事前に申請し、上司の許可が必要。
神戸製鋼単体の約1万1千人のうち4500人が対象となる。
2015年度から先行実施した機械事業部門では残業時間が前年度比2割減った。
時間内に仕事を終えるため業務を効率化。
会議では「結論を確認せず終了しない」、「基本50分最大80分」などの10のルールを決めた。
今年度中に会議の量(時間数×参加者数)を2割減らす。
メールや社内文書の効率的な作成も促す。
メールは件名に期限や返信の要否を記すようにする。
議事録や資料のひな型を用意し、全事業部で文書の作り方を統一する。
こうした取り組みを通じ、2019年度までに入社15年以上の女性総合職の退職率を半減させるほか、総合職の女性採用比率を倍増させる。
イトーキは東京で試験的に導入していた朝の勤務を促し、午後8時以降の残業を原則禁止する制度を7月から全社に拡大した。
試験期間中は午前5~8時までの時間外手当を支給、朝食代を負担していた。
全社展開に伴い支援策は再検討する。
住友商事は2016年から有休休暇の年間計画を立てる制度を導入、取得を促す。
毎月の有給休暇の日数を決め、職場の管理者が取得状況をチェックする。
社員の自主性に任せていたが「周囲に配慮し、取得がなかなか進まなかった」という。
同社は有給休暇を最大20日取得できるが現状は10日程度にとどまる。
年12日以上の有休を取る社員の比率は15年で46%だったが、16年は100%にする。
達成できない部署は人事部門と人員増などを協議する。
西武ホールディングスは16年度から西武鉄道やプリンスホテルなど主要子会社に有給の育児休暇制度を導入。
前の年度までに消化できなかった有休を年5日まで使える。
子どもが急な病気になり保育所に預けられないときなどに使ってもらう。
「制度設計、具体的に」
厚生労働省によると、2014年に約6587万人だった労働力人口は2030年には12%減の5800万人まで減る見通し。
労働力人口対策として、育児や出産で職場を離れた女性の復帰や、高齢者の活用が重要となる。
今後は親の介護をしながら働く中高年なども増える。
こうした人たちが能力を十分に発揮するためには働き方の改革が欠かせない。
だがトップの掛け声だけでは変わらない。
無理せずに労働時間を短縮できるような具体的な制度設計が重要だ。
例えば、いち早く朝型勤務を導入した伊藤忠商事。
午前5~9時まで働く場合に深夜と同様の割増賃金を支給するよう改めた結果、むやみに長時間働く傾向が弱まり、時間外勤務の月平均で12%、残業手当も7%減った。
「育児中の社員が周囲の目を気にせず夕方に帰宅できるようになった」(同社)
安倍晋三首相も経済対策の一環で働き方改革を掲げる。
労働力不足に直面する日本が持続的な成長を続けるためにも、労働時間短縮につながる働き方改革が欠かせない。
(平成28年7月16日付け日経新聞より)
これまでは時短の掛け声だけが多かったので、まずは進み始めたことを見守りましょう。
具体的な制度設計を構築するのはもちろんのことですが、ひとり当たりの仕事量についても把握して、特定の人だけが忙しくならないようにする必要があると思います。
神戸製鋼所は会議の削減などを通じ、2017年4月から午後7時以降の残業を原則禁止する。
生産現場を除く全事業部門の職場が対象。
住友商事は社員一人ひとりが有給休暇の年間計画を立て、取得促進を促す。
人口減に伴い労働力不足が見込まれる中、女性や高齢者らが一段と働きやすい環境づくりを目指す。
「女性ら確保へ環境整備」
神戸製鋼は始業時間は変えず、原則、自宅へ仕事を持ち帰ることも禁止する。
残業する場合は事前に申請し、上司の許可が必要。
神戸製鋼単体の約1万1千人のうち4500人が対象となる。
2015年度から先行実施した機械事業部門では残業時間が前年度比2割減った。
時間内に仕事を終えるため業務を効率化。
会議では「結論を確認せず終了しない」、「基本50分最大80分」などの10のルールを決めた。
今年度中に会議の量(時間数×参加者数)を2割減らす。
メールや社内文書の効率的な作成も促す。
メールは件名に期限や返信の要否を記すようにする。
議事録や資料のひな型を用意し、全事業部で文書の作り方を統一する。
こうした取り組みを通じ、2019年度までに入社15年以上の女性総合職の退職率を半減させるほか、総合職の女性採用比率を倍増させる。
イトーキは東京で試験的に導入していた朝の勤務を促し、午後8時以降の残業を原則禁止する制度を7月から全社に拡大した。
試験期間中は午前5~8時までの時間外手当を支給、朝食代を負担していた。
全社展開に伴い支援策は再検討する。
住友商事は2016年から有休休暇の年間計画を立てる制度を導入、取得を促す。
毎月の有給休暇の日数を決め、職場の管理者が取得状況をチェックする。
社員の自主性に任せていたが「周囲に配慮し、取得がなかなか進まなかった」という。
同社は有給休暇を最大20日取得できるが現状は10日程度にとどまる。
年12日以上の有休を取る社員の比率は15年で46%だったが、16年は100%にする。
達成できない部署は人事部門と人員増などを協議する。
西武ホールディングスは16年度から西武鉄道やプリンスホテルなど主要子会社に有給の育児休暇制度を導入。
前の年度までに消化できなかった有休を年5日まで使える。
子どもが急な病気になり保育所に預けられないときなどに使ってもらう。
「制度設計、具体的に」
厚生労働省によると、2014年に約6587万人だった労働力人口は2030年には12%減の5800万人まで減る見通し。
労働力人口対策として、育児や出産で職場を離れた女性の復帰や、高齢者の活用が重要となる。
今後は親の介護をしながら働く中高年なども増える。
こうした人たちが能力を十分に発揮するためには働き方の改革が欠かせない。
だがトップの掛け声だけでは変わらない。
無理せずに労働時間を短縮できるような具体的な制度設計が重要だ。
例えば、いち早く朝型勤務を導入した伊藤忠商事。
午前5~9時まで働く場合に深夜と同様の割増賃金を支給するよう改めた結果、むやみに長時間働く傾向が弱まり、時間外勤務の月平均で12%、残業手当も7%減った。
「育児中の社員が周囲の目を気にせず夕方に帰宅できるようになった」(同社)
安倍晋三首相も経済対策の一環で働き方改革を掲げる。
労働力不足に直面する日本が持続的な成長を続けるためにも、労働時間短縮につながる働き方改革が欠かせない。
(平成28年7月16日付け日経新聞より)
これまでは時短の掛け声だけが多かったので、まずは進み始めたことを見守りましょう。
具体的な制度設計を構築するのはもちろんのことですが、ひとり当たりの仕事量についても把握して、特定の人だけが忙しくならないようにする必要があると思います。