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ゆるゆるしなやかに♪ ベルマダがいく!

2011年4月からベルギー生活をはじめました。
ベルギーでの生活等々、ゆるゆる綴っていきますね。

Trouville-sur-Merで海鮮盛合せを食べたが、、、蟹が入ってなかった(泣)

2012-11-03 22:28:05 | Normandie(フランス)
さて。。。私的なこの旅の2大目的の一つ、Trouville-sur-Mer!

ここは、かの有名なヨーロピアンリゾート地のひとつ、ドーヴィルの対岸にある海辺の町。

ここには何があるか、、というと、私の尊敬するイラストレーターのうちの一人、
レイモン・サヴィニャックが晩年を過ごした町で、
彼の作品がたくさん残っているのである。

ドーヴィルとは対照的でひなびた漁村・・・・のイメージだったが、、、
意外も意外、たくさんの人でぎっしりびっしり!


駐車場を探すのにかなり苦労するほどの混雑ぶり!
そして、埠頭には、どどどどどーーーん!とカジノが居座っていた。

こんな港っぽいモニュメントも!


これは、市庁舎かな。



とりあえずチェックインを済ませ、お部屋でのんびりした後、夕方の街を散策しに出かけてみた。

まだちょっと時間が早いのでレストランのテラス席は人がいない。
窓のカモメの絵がちょっとカワイイ。


お!フィッシュマーケットがあるよ!


わーっ。美味しそう~!
海の幸満載っ!


おうちでホームパーティーなのかな?
キレイにラッピングしてあって、お持ち帰りしている人も多い。


うに発見!うまそう~!


オマールやエビがおしりを向けてキレイに並んでいる。。。ぷぷっ。


ホタテの焼き立てが食べられるみたい☆


そう、ここは、魚市場だけど、ちょっとしたテーブルがたくさん出ていて、
そこで直接「これを焼いてほしいんだけど」とか、「刺身で食べたい!」とかいうと食べさせてもらえるらしい。
うわーっ。よだれダーダーな感じです(笑)

でも、目はお腹が空いても、実際のお腹はまだ空いていないので、、、
街の路地?に入っていく。。。
ものすごい人が多い。
そして、すでに時間は18時を過ぎているのに、フツーに店がたくさん開いている。
観光客目当てだけではなく、フツーの八百屋さんや、衣料品店なども。
たくさんブロカントやアンティークのお店もあり、ウィンドウショッピング的にかなりイイ。
人が多くて気さくな感じなので、じっくりウィンドウを覗いても遠慮しなくていいし、
気軽に入れる感じの店が多いのもすごくイイ。

おっ。この店は缶詰屋さん?


店内には、カワイイパッケージの缶詰が山ほどあって、どれも美味しそう~!
中央のところには、今日のおススメ的な缶詰がティスティング出来る。
うーん、このツナのオリーブ漬け、うまいっ!

すっごい感じがいいお店で、おもわず、フィッシュスープの詰め合わせ等を購入。


町のあちこちにSavignacのこんな看板が。


あー、なるほど、このイベントがやってるので、駐車場がイッパイなんだー。
じゃぁ、もう少ししたら、車の量も減るのかな。

そろそろお腹が減って来たので、メイン通り沿いのブラッセリーでも入って海の幸を満喫しましょうか!

入ったのは、このお店。


そう、サビニャックがよく通っていたというお店で、このメニューの表紙も彼のイラスト。

席は、店内が予約でイッパイだったので、テラス席へ。
外は寒いけど、ストーブがたくさん並べてあって、上着を脱いでも平気。
しかし、、、このテラス席、びっしりテーブルが並べてある・・・苦笑。
私達のお隣は、どちらもカップルで、先に来ていた方は、
すでに食べ始めていて、ドデカイ蟹が2杯乗っかったドドーーン!って感じの海の幸の盛合せをガツガツ食べている。
これ、美味しそう~!でも、多いかな~。
とか思いながらも、とりあえず、スターターとして、
フィッシュスープとエスカルゴをオーダー。





どちらも美味しい♪
フィッシュスープって、やっぱりウマイ。海の旨味がギューーーーーっって入ってる感じ。
チーズを入れて、特製ルイユをパンにつけて。幸せ~♪

ワインはシャブリ!

で、スープ飲みほした後に、おもむろにお皿を載せるスタンドと、
食べるための道具?がやってくる。


そして、オーダーした「海の幸の盛合せ」がやってきた!


んん?お隣と同じ蟹がいない?
どうやら、私達が頼んだのは、一番小さいプレートだったので、お隣のとはスケールが違っていたらしい。
蟹はいるにはいるけど。。。上海ガニの小さ目なサイズ。
しまった。間違えた?!笑

しかし、これがまたかなりウマイ!
もう、何も言わずにモクモク食べてしまうw
蟹やエビの下には、巻貝がたっぷり盛られていて、それを針金のような器具でほじりだして食べるのが
ほんと美味しくて!
もちろん、エビも蟹も美味しかった!

隣りを見ると、、、、
どでかい2杯の蟹のうち1杯がまだ残されていて、全く手をつける様子がない。。
うーん、あのデカイ蟹の蟹爪の肉がうまそうだ。。。と、じーっと見つめてしまったら、
ダーリンに注意されるw
ほんとうに食べないの?じゃぁ、私に頂戴!!と、言いたくなるほど美味しそうだったんだもん。
思わず日本語で口に出してしまうよねー(苦笑)
いかんいかん、胃袋暴走中っす。

で、ひとしきり楽しんでワインもすっかり空いて、ゴキゲンな二人。
お隣さんは、結局最後にその大きな蟹に手を付けてましたが、、、
すっかりオナカイッパイだったのか、「えっ。そこが美味しいのに!」というところを
食べずに殻入れに捨てている。
やっぱり私にくれるべきだったんじゃ?笑

明日、もう一度蟹を食べようと心に決め、お店を去った。
2人で90€。お得だな~!!!
一番高いのはシャブリであった(笑)

ゴキゲンなダーリンは、
「日本人だからさぁ~、もう一軒いこうよ!」と、
わけのわからないことを言いながら、私の袖を引っ張り、
ホテルの目の前のブラッセリーに連れて行かれる。

ぷぷ。確かに、「もう一軒」って、日本人っぽい発想かな。
先日のターブル・ドットゥのように、最初から最後までじっくり同じ場所で堪能する~ってのが
こちらの人のスタイルだよね。

そんなこんなで夜は更けていく。

明日は、Savignacの作品に会える!!!













チーズの道を走る走る走る!

2012-11-03 17:56:53 | Normandie(フランス)
さて、、、次は、「チーズの道」を北上しまーす!

チーズ農場?などをめぐり、見学やティスティングしながらチーズを買う!
そう、ブルゴーニュのワインドメーヌ訪問的な感じ?

Figaro Voyageに紹介されている感じだと、チーズ街道にはたくさんチーズ生産農家の看板がでているらしい。

でも、本当にあるのか?(非常に疑い深い私である)
ちょっと不安になって、調べてみるものの、、、、
あまりインターネット上にはあまり情報がない。特に日本語だと。
France語で調べてみるが、、、「おおっ!これこれ!」というサイトもあまりない♭

まぁ、街道いけばなんとかなるかーと、まずは、一路、カマンベールへ!


カマンベールの中心地をナビで設定し、走っていく。
おおっ。のどかなこれぞノルマンディって感じの風景。
いいねいいね~


延々と続く。丘陵地帯。

目的地に着く前に、農場の看板を発見!


そうそう、これ、Figaroに載ってた看板☆

いかにも、農場って感じ。
とりあえず、入ってみると、、、中には、一人マダムがいた!




でも、テイスティングとか出来る雰囲気ではない。
見学も出来ない?
扉に書いてある文字をみたら、どうやら見学の時間は終わっている・・・・?

・・・・と見回していたら、いきなり人が一人入って来て、
カマンベールチーズを買い求めていた。
マダムは笑いながら、「また買うの?」とか言って対応している。
どうやら、先ほど一つ買ったベルギー男性がもう一度入って来て、もう一つ買い求めたらしい。

っていうか、気が付いたら、ショーケースの中には、カマンベールチーズは一つしかないではないかっ。
ヤバイ。

とりあえず、その一つを購入。
向こう側に製造している場所がありそうだったので、「見学できる?」聞いたら、だめだという。
そっかぁ。まぁ、買えたのはいいけど、見れないんだー。
・・・と残念がっていたら、
「裏に回ると見れる」的なことを言ってくれて、連れていってくれた。

なんと!製造過程や貯蔵してあるところが裏側の窓から見れるのだ。
一応、見学者向けの製造工程まで説明してある。

中では、丸い筒にチーズになる前の塊をせっせと手で注いでいる男性がいた。




おおっ。これがカマンベールになるのね!

そして、これが熟成しているところ。


なるほどー。およそ20センチぐらいの高さから水分がどんどん出て行って
結局3~4センチの高さになるのかー。
面白い~!

けっこう堪能したので、次の農場はないかと思いながら中心地へ。

しかし、、看板は一つもない。
着いたところは、中心地というか、、、これは村役場なのか?という建物と、



カマンベールの博物館?があり、カマンベールの形をした建物があった。




しかし、、、どこも閉まっていた。
どうやら、基本的に見学できるのは、10月末までらしい。
しかし、11月の始めである今は、午前中は特別に開いてたらしいが、閉まってしまった後のようだ。
残念~♭

まぁ、生産農家をめぐりたかったから、別に博物館はいーんだけど、、、
といいながら、その道を行こうとすると、いきないカマンベール村は終了?!
ち、ちっちゃすぎね?


うーん、よくわからん。カマンベールのAOC取得した生産者はわずか5つと本に載っていたが、、、
そもそも5つもあるのか?発見出来ない。ぐすん♭

しょーがないので、次の目的地、Livarotに向かう。

しかし、、、、街の中心についたけど、街が死んでるように静かだ。。。。
うーん、よくわからんが、街を走っていたら、
博物館的なものがありそうだったので、そっちに行ってみるが、、、


こちらも同じで、つい先ほど閉められた。あーあ。
そして、Livarotをふらくも、生産農家らしきモノはよくわからない。


またしてもしょーがないので、次の目的地のPont l'Evequeを目指す!
ここは、一つだけ生産者の場所の目途がついていたので、ナビに設定するが、
詳しい住所がないので(汗)、とにかく行くしかない感じ。

とりあえず、目標となっていた教会を目指す。
あったあった!



そして、教会の向かい側に確かに農場らしき建物が?


でも、人の気配が全くない。
「本当のここなの?」といぶかしがるダーリンと一緒におそるおそる敷地に入ろうとした時、
道路から長靴を持って入ってきたムッシューというかオッチャンが一人。

早速声をかける。
Bonjour!
見学とテイスティングしたいんだけど、出来きますか~?と聞いたら、
あー、見学とテイスティングは出来ないよ~。と言われてガックリ肩を落とした。
が、オッチャンの「買うことは出来るよ!」というウィンクしながらの笑顔☆
やったー!

ってことで、四角いチーズのポン・レヴェックをお買い上げ~☆

ここ?ここで売ってるの?という感じの農場というか作業小屋の傍らに招かれる。


おっちゃんが、「いつ食べるの?」と聞いてくる。
「えーっと、いつまでが消費期限なの?」と聞きたいが、うまくフランス語で言えないので、
側にかかっていたカレンダーを指さしながら会話をする。
どうやら、食べごろにあわせたチーズを提供してくれるらしい。
なるほど~。じゃぁ、一つは、5日以内で、一つは2週間以内に食べるよ!と言うと、
「よっしゃ!」的な感じで、
これがすぐに食べる方で、これが2週間以内に食べる方。といって、
貯蔵されていたチーズの違う箱からそれぞれ取り出して、
木箱に詰めて、その場で箱の外シールも貼ってくれて、新聞に包んでくれた。



ふと、奥を見ると、貯蔵箱がたくさんあるので、チラッと見せてもらう。


箱にそれぞれ3ケタの数字が書いてあるので、「あれはなんの数字?」と聞くと、
製造日なんだという答え。製造日から考えて、出荷する日を決めるので、大切な情報らしい。
興味深くフムフムと聞いていたら、「興味があるなら、そのあたりの農場を見て来ていいよ」と
行ってくれた!
わーーーーい☆

建物のすぐ近くには、子牛のケージがあった。
かわいいぃぃ~♪


そして、キレイな池?も。


その向こうには、成牛が飼育されている。


自分で育てた牛で作るんだね~。すごいよ。
感動して、さっきのところに戻り、お礼を言おうと思ったら、
おっちゃんの姿はない。どうやら、用事があったらしく、ササッとどこかに行ってしまったらしい。

これって、、、すごいラッキーじゃない?
だって、彼がそこにいた時間は、わずか15分程度。
アポも取らずに行っちゃったので、いなくても当たり前だったってことだよね!

そうかぁ~、まぁ、ワインのドメーヌもそうだけど、ほんと個人でやってるところは、
「いつでもWelcome!」ってわけじゃないから、事前に確認した方がいいよね。

でも、満足だった~☆

ホクホクとしながら、次なる場所は、Saint-Bnoit-d'Hebertot!
ハート形のチーズを買うんだ~♪と張り切って出発!

しかし、、、いけどもいけども見当たらない。。。
うむ?
困ったなぁ~と思っていたら、さっきのオッチャンの農場にもあった「生産農家」を示す看板を発見!


よし!とにかくこれを追いかけてみるか!

主街道を外れて、どんどん小さな道を中に入っていく。
しかし、まだまだ農場の姿は見えない。。。。
まだ?と思うとまた同じ看板が。
進んでいき、まだ?と思うとまたまた看板が。
いったいどこなの?
しかも、この看板「生産農家」とは書いてあるが決して「チーズ生産農家」とは書いてない(笑)
そう、ひょっとしたら、豚かもしれないし、ひょっとしたら野菜かもしれない。
もちろん、シードルやカルヴァドスの可能性も高い。
どきどきしながら、野菜しかなかったら、野菜買って帰るのかな~と思っていると、、、
着いたッ!


しかし、、、完全に「誰かんち」である。
そして、またまた「人気がない」・・・・笑

お店らしい扉があるので、とりあえず、入ってみた。


Bonjour! 誰もいないお店は、むっちゃチーズのニオイが蔓延していて、
カルヴァドスなんかが置いてあった。
えーっと、誰もいないのかな?
・・・と思っていたら、違う扉(たぶん、家とくっついている扉)から
一人のおじさんが出てきた。

え?何が欲しいの?カルヴァドス?シードル?
と聞かれたので、いやー、フロマージュが欲しいんだけど、、、というと、
窓際の網で囲われた昔の蠅帳のような(いや、たぶん、マジで蠅帳なんだろうな)
棚みたいなところから四角いチーズを取り出した。

あるよ!いくつ?二つ?みっつ?
早口のフランス語で追及されてるようであるw

えっと、ひ、ひとつください。
はいよ!
というなり、新聞でくるんでポンっと渡される。

うーん、これは、確実にPont-l'Evequeのチーズだよな~。
もうすでにさっきのところで買ったので、どうしようかと一瞬思ったが、
どう考えても「やっぱりいらない」とは言えないシチュエーションであった。
日本人の私には。(苦笑)
まぁ、生産者違いだし、いいかも。と、購入。

はぁ~っ
ドキドキした5分間だったw

そのおっちゃんは、私達が帰るとおもむろにお店の扉の鍵をかけていた。
もう自分の中では、今日の営業は終了だったに違いない。
ごめんね、そんな時に押し掛けてしまって。

外では、豚が鶏が、ウサギがその辺を駆けずり回っている。
たぶん一応「飼われて」いるんだろうが、、、、
向こう側には、野菜畑らしきものもある。
すごい、ここで、何もしなくても食べるものにはありつけそうだ。
「今日何にする?ウサギにしとく?」
「そーだね、じゃぁ、ウサギ一匹絞めといてよ、アンタ!」とかいう会話がなされてそうである。

興奮気味にその農家を後にして、もうチーズの道めぐりは終了~。

やっぱり、ドメーヌ訪問もそうだけど、事前にきちんと個々の訪問可能な農家を見つけて
アポを取っていかないと、ムリだってことだよね~と、実感。

だって、訪問できた農家って、結局「チーズ街道」と言われる道沿いではなく、
しかもかなり離れていたりするから(笑)、
この街道を走ってるだけでは、意味がなかったりするわけですね。ハイ。

今回はちょっとしか訪問出来なかったけど、、、かなり楽しかったので、
今度は、オンシーズン(夏か?)の時期にしっかり予習して訪れたいと思います。


さぁ、じゃぁ、チーズ抱えて次は、最終目的地の「Trouville」だっ!!!



=========
◆カマンベールの家(博物館とテイスティング、販売所)
 http://www.maisonducamembert.com/en/index.html

◆カマンベール、ポン=レヴェック、リヴァロチーズのAOPのwebサイト
 http://www.fromage-normandie.com/
 ※このサイトで、AOP取得チーズを見学できる場所(博物館や製造販売所、見学OKの生産農家)や
  買える場所の詳細が調べられる。
  webフォームから問い合わせメールを送れるところもある。
  これをもっとじっくり調べて確認しておけばよかった。。。(反省)

◆今回訪れたAOPカマンベールチーズの生産販売所
 Nadia, François et Nicolas DURAND
 Ferme de la Héronnière
 61120 CAMEMBERT
 Tél. 02 33 39 08 08
 fromagerie-durand@nordnet.fr
 月曜日~土曜日: 9h30 ~12h30 、15h ~17h ※要確認
 地図:http://goo.gl/maps/eopSg
 ※カマンベールの家(La maison du Camember)からD246号線に入り南西方面に2.5kmぐらい。


◆今回訪れたAOPポン=レヴェックチーズ生産農家
 Jérôme et Françoise SPRUYTTE
 Ferme du Bourg
 14130 ST PHILBERT DES CHAMPS
 Tél. 02 31 64 71 99
 pl.spruytte@orange.fr
 月~土:9時~18時、日曜日:9時~12時 ※要確認
 ※D264a号線沿いで、教会の向かい側。
   ST PHILBERT DES CHAMPSのエリアに入ったら、教会を屋根が見えてくるので、
   それを目指していくといい。
  地図:http://goo.gl/maps/szrj0


◆追っかけて行った「生産農家」マークの発行元はここ。
 これも先に調べて行くといいかも。
 http://www.goutezlepaysdauge.fr/



 




林檎の礼拝堂をみて静謐な力を感じる

2012-11-03 12:57:45 | Normandie(フランス)
今日は、今回の私個人的にかなりなメインイベントである、
「林檎の礼拝堂」を見に行くんですっ。

Falaiseという町から3kmほど離れたSt-Martin-de-Mieuxという村があり、
日本人アーティスト田窪恭治さんが10年以上の歳月をかけて修復をした小さな礼拝堂があり、
「林檎の礼拝堂」と呼ばれています。

ここは、Faliseの観光局が管理していて、
6月~9月までは、午後14:30~18:00まで開いていて見学可能らしいのですが、
その他の期間は、基本的にClosedされているらしく、
webで見た時は「えーーーっ♭見れないじゃん、むっちゃ残念~(泣)」と思ったのですが、
よくよく読んだら、「その他の期間は、相談に応じます」と書いてあったので、
メールで問あわせしてみました。

フランス語は、アクセント記号を表記するのに手間がかかるので、
ささっと英語で2行ぐらい書いて送ったんですが、、、
返事がフランス語で来た!?しかもかなりカジュアルな感じのフランス語。

まぁ、いいんだけど、、、
で、開けるのは問題ないよーっといってくれて、ただ、時間を指定して欲しいと書いてあったので、
午前11時にFalaiseのインフォメーションセンターに行くから一緒に行ってほしい。と
返事をしたら、返事がやたら遅い。。苦笑。
とうとう、当日の朝になっても返事が来ないけど、、、と、ちょっと不安になりながら、
インフォメーションセンターのあるFalaiseに着いたのが10時過ぎ。
あ!?メールが来たよ。今頃(笑)

一安心で11時に行ったけど、案内役のマダムが電話を一本かけてくれて、
「あー、今から(別の)マダムがくるからちょっと待ってて」と言われ、待つこと20分。

やってきたのは、Mireiileという感じのいい気さくなマダム。
60歳ぐらい?に見えるけど。

彼女の車に乗せてもらい、牧場の続く道を走り抜ける。
彼女は何も話さないので、「英語を話すの?」と聞いてみたら、
「ほとんど話せない」とのこと。
えー、それでよく観光インフォメーションセンターに勤めているなぁ~と思ったら、
なんと、ボランティアの人で、この林檎の礼拝堂の案内を専門でやってるらしい。
そーいえば、彼女の車のトランクに牛乳とか買い物かごが乗っかってたけど、、、
あれは、待ち合わせの前にFalaiseのマルシェで買い物してきたのかな?

とか妄想してる間に、ついた!

ポツン。
という言葉が似合いすぎるほど似合う。



礼拝堂の前には樹齢500年以上の大きな樹があり、静かな生命力を感じる。

Mireilleがカギを開けてくれて、中に入ると、、、
そこには、ノルマンディー地方の特産である林檎の樹が一面に描かれており、
屋根に嵌めた色ガラスの瓦越しに柔らかい光が入って来ていた。









なんというか、、、とても静かにみなぎる力のようなモノを感じる。

彼が最初にここを訪れた時、この礼拝堂は廃墟の状態だったらしい。
1987年にこの場所でこの礼拝堂を修復することで表現をしたいと決めてからの3年間は、
村人達との協力を得るためにこの地に移り住み、理解してもらうところから、
フランスや日本との調整、資金集めまで非常に苦労の連続で、ようやく多くの協力を得て
作業に取り組んだようです。

この林檎の壁画は、鉛板の上に何層も塗料を塗り、一番上に白を重ねて、
そこを釘やノミのようなもので引っ掻き、下の色を出して描くというもの。
そこに平面ではあるが、色の奥行きを感じさせる独特の美しさが出ている。


屋根は、廃墟ではあったが、使える部分は使い、特注した色ガラスを独自に配置したらしい。





奥の、のれんのかかった小さい部屋には、
どのように田窪さんが改築したかを示す記録や写真が壁に飾られていました。




Mireilleは、田窪さん本人とも何度も会ったことがあるようで、
彼は3人の子供を連れてFalaiseに住んでいたんだよ。と教えてくれた。

これは、礼拝堂の扉。


資金を出してくれた人たちの名前が刻まれている。
ほとんどが日本人の名前に見えたので、Mireilleに質問したら、
「そうなの。この礼拝堂は、日本の人のお金で修復できたのよ。」と。
後から調べてみたら、3億円ほどの資金を調達したそうだ。
額面から見ても、その大変さは想像を絶する。


初めてみた時にインスピレーションを感じてから着手までに3年。
その後10年余りをかけて完成。

自分が「やりたい」という思いをそこまで貫き通した力がここに詰まっている。

ふと、自分はそんな強烈な気持ちをそんなに長く貫いたことがあるのだろうかと振り返る。

やはり、「天才は、努力しつづける才能を持った人」をいうのだろうか。



彼のインタビュー記事をwebで見つけた。
http://www.ntt-f.co.jp/fusion/no30/tokusyu/tokusyu.htm

その中に「世過ぎしのぎ」という言葉があった。
そう、普通に世過ぎをしてくのが悪いこととは全然思わないが、
このインタビューを読んだ後、
ふと、簡単に日々さらさらと時を過ごしていき、
うまく世渡りしていくことばかりに自分が囚われているのではないか、
何か自分が自分で自分らしく大切に人生を生きているのかを問われている気がした。

そして、林檎といえば、、、ドイツの神学者ルターの有名な言葉を思い出します。

「明日、地球が滅びようとも 今日、私は林檎の樹を植える」

この礼拝堂の中にいると、希望を持ち続けることの凄さと辛さ、そしてその素晴らしさが
色とりどりの光とともに、自分に降りかかってくるようでした。


さぁ、あなたにとっての「林檎の樹」はなんですか?




=====
◆FalaiseのOffice de tourismeの該当サイト
http://en.falaise-tourisme.com/Saint-Vigor-Chapel,2,16,79.html