マンションのペットライフ

限られた空間で、いかにして“家族”がまあまあ暮らせるか・・・、ない知恵絞っていこうと思います。

厳しい世界

2005年04月01日 | お仕事
今の職場になって、“ウィンドウズ3.1”というのがあるのを
初めて知った。98が主流の時だった。

私が働かせてもらっている職場の事業主は世間で言う、
“有資格者”もしくは“専門職”といわれている人である。
その専門職が使うソフトがその3.1に入っていた。
なんでも、その頃開業したての事業主、新しくそのソフトを
導入すると、○百万円してしまうということで、廃業する
同業者の方から○万円で譲ってもらったということだった。
ソフトひとつが“○百万円”、当時の私には信じられない
額だったりした。


そして、現在、XPのこの時代、3.1でがんばってくれた
専門職のソフトも時代の波に逆らえず、だんだん限界に
近づいていたりする。
開業したての当時○百万円だったソフトも時間とともに
値下がり、百○万円で導入できるようになったので、
新しく導入することを考え出した事業主であった。

そこで、タイミングよく現れたのがR社、“買って下さい!”と
いう、熱意が感じられ、本当に一生懸命だった。
ところがR社の不運は事業主が3.1で使っていたソフトとは
別会社ということだった。
熱心に営業するR社をよそに、現在使用中のソフト会社にも
見積もりを依頼する事業主。
個人的には、あんなに一生懸命で評判もよい、R社に決めて
あげればいいのにと思っていたが、私が使うわけではないので、
口には出せなかった。
事業主が以来したS社は、その業界でいう“老舗”だったりする。
当然、見積もりは高かった。

昔に比べれば安くなったとはいえ、百○万円の買い物である。
当然、事業主は悩んで悩んで悩みぬいていた。
何回も両社に交渉を繰り返して、見積もりを出しなおし
させたりもしていた。
それでも“老舗”のS社は高かった。そしてS社の担当者は
俗にいう“煮ても食えない”という表現がぴったりな
事業主とたいして年の変わらない、営業マンだったりした。
それに比べて、R社の担当者、“営業マン”なりたてほやほや、
いかにも“がんばってます”みたいなほんとうに一生懸命な
若者だった。

そして、今日、事業主が下した決断。
「S社にするから。」

R社の営業マンくんは、ほんとうによくがんばった。
誠意もあったし、一生懸命で、タイミングもいつも
よくって、腰が低くって、私からみれば、若いのに
偉いなあって、陰ながら応援していた。
事業主もその点は認めていた。
が、そこまでがんばったR社を選んであげられなかった理由が
“使い勝手”だった。
R社の熱意にほだされ、そのソフトのデモをしてみた事業主、
どうしてもそのソフトになじむことができなかったのだ。
こればかりは、本当にどうすることもできない現実だった。

その事を事業主がR社の営業マンくんに告げているとき、
私は顔を見ないように下を向いて伝票の整理をしていた。
私が逆の立場だったら、くやしくってくやしくってたまらないだろうと
思うと、正視できなかったのだ。
それでも、R社の営業マンくんは礼儀正しく立ち去っていった。

が、帰ってから事業主が私にいったひと言、
「下むいてたから、笑いをこらえているのかと思った。」
おい、おい、おい、おい、おい!!!!!
私って、私って、そんな非人情的な人間に思われているのかと
かなり、ショックな締めくくりであった。