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ぽよ熊さんのテレビ観戦記

活字好きはどうぞ!「昭和後期」(新命名)にTVと蜜月期を送った元女の子(笑)で、かつてのバブル世代が死語満載で送ります

だめんず・うぉーかー 敗因分析

2006年11月24日 | だめんず・うぉーかー
実は前回ぐらいからかなりきつくなって来て、とうとうもうこれ以上無理。っていうか、なめんなよって感じになって来た(なめ猫ポーズ!)
これまでずっと感想書いてきたけど、しかたないので、すみませんが今回で基本的にリタイアすることにします。
でも第6話も最後まで見ちゃったし、これで突然やめるのは「もったいない」から、なぜこのだめんず・うぉーかーが低視聴率で終わったか(十中八九そうなる計算)、それでも見ていた(あたしのような)視聴者までなぜ離れていってしまうのか、あたしなりの分析をして、このドラマについてのレビューは幕を閉じたいと思いまーす。

そう、「もったいない」という感情がわきあがることからいっても、あたしはもともと、ダメでも元はとりたい「ダメ元女」(だって、主婦だしー)。
だからたぶん、その意味ではだめんず女じゃない。
だめんず女=だめんず・うぉーかー、って結局、寛大な女だよね。
男に費やした金と時間と労力が無になっても気にしない、そういうぜいたくができる女。
ある意味、気持ちが裕福な女なのよ。
シングル貴族の証でもあるかも。
もちろん、シングルの女が全部こうだってわけじゃないし、主婦が全員ダメ元女ってわけじゃない。
だいたいどんな女も(そしてたぶん男も)、その両方の要素が少しずつ合わさっているもの。

ところが、このドラマは前者一辺倒――自分の投資が全て無になってもオッケー、のだめんず・うぉーかー女ばっかり登場。
これが、あたしの考える敗因その一。
リアリティがないんだよねー。
倉田真由美ことくらたまの原作漫画「だめんず・うぉーかー」は、それでいいかもしれない。
だって、読み終わるのに数分かからないような短いマンガだから。
読者をちょっと、くすっと笑わせて、それで終わり。
でも50分間余、読者をひきつけなければならないテレビドラマでは、それじゃすまない。
リアリティに欠けただめんず・うぉーかー一辺倒の話では、視聴者はそのうち、もう十分ですだ、代官さま、になっちゃうよ。

その結果、どういうことになったのでしょうか。
ここで敗因その二。ドラマの中の話の流れが、予想どおりの展開に終始。
例えば「ウソつき男編」とか「ナルシスト男編」とか銘打った時点で、もうそれ以上の発展はないことは、みえみえになってしまった。
いいかげん山田優がだめんず男に振り回された後、藤原紀香がその男にビンタをくらわして、最後はみんなでレトロバーに集結、やけくその飲み会とカラオケ熱唱。
パターン見えすぎて、ただその筋を消化するために視聴者はつきあわされている感じ。

さらに藤原紀香、IT社長、だめんず男ブルースの三角関係にしたって、進行具合が遅すぎるし、今後どうなるのかな、と楽しみにするようなネタもない。
まだ2話残っている段階であたしが撤退を決めたのも、別に残りを見てもたいした結末にはならないんじゃ、となんとなく先が見えちゃったから。

全体として、これはやっぱり、15分か30分の長さのアニメとかでやるような話のパターンではないだろうか。
一時間ドラマ8話にするなら、もうちょっと違うストーリーラインを持ってきて、その長さに足るような組み立てをしなきゃいけなかった。
だから、単に原作を踏襲したようなお膳立てではだめで。
そこそこ知名度のある原作に、寄りかかりすぎた。

そして、そこからさらに、敗因その三、が導き出されてくるんだけど。
原作の人気に期待したのはいいけど、漫画の方の購読者層と、ドラマの視聴者層を完全に読み間違えた。
だって、この漫画が連載されているのは「SPA!」でしょ。
「SPA!」も以前はけっこう(って十年以上前の話だけど)、現代の先端情報をつかむために、手を伸ばすような雑誌だった。
でも今や、あたしに言わせれば、女性が店頭で手に取るのは一瞬ひるむような見出しも並ぶ、中年男性向け週刊誌的部分がそのまま若年層に移行したようなテイスト。
極論すれば、男性にとっての「下流」「だめんず」的な志向をおもしろおかしく加工し味つけした雑誌と言ってもいい。

だから当然、女性の読者を意識した雑誌の作りには全くなってない。
それを考えれば、基本、若い男性が読んでおもろしがっていた漫画「だめんず・うぉーかー」が、現実の女性たちにそのまま受け入れられる、というわけじゃないんじゃ。

あたしが思うに、この漫画「だめんず・うぉーかー」って、数年前ベストセラーになった酒井順子の本「負け犬の遠吠え」とは、いろいろ違う(まず、この本は女性読者を念頭に書かれてた感じだし)。
もう内容あまり覚えてないけど、確かあの本の中に出て来る「負け犬女」って、年上のおじさまたちに、(若い男の子たちにはどう頑張っても無理な)セレクトされたお店に連れて来てもらって、セレクトされた料理の品々に舌鼓を打っているような女。
そうやって楽しい時を過ごしているうちに、あーら、こんなお年になっちゃいました、ってある種、竜宮城に行った浦島太郎になったようなお話だから。

この手の「負け犬女」って一見、「だめんず・うぉーかー女」よろしく、そうやって費やした時間が無駄になったかのように見えるけど、でも金は払ってないのよー。
労力にしたって、若いからちやほやしてくれる男相手だから、別に彼らに対して、そんなに大したことはしていない。
そして、そのうち”お一人さま”になっている自分に気づいて、こうなったらもう手持ちの金は自分自身への投資につぎこもう、っていうんだから、かなりリーズナブルな発想。
だからどちらかといえば、「もったいない」が信条の、「ダメ元女」の方に近い。
つまり、こうした負け犬女たちは、だめんず・うぉーかーとは別人種。
だめんず・うぉーかーのストーリーなんかに、さして興味はない。

だから・・・要はこのドラマ、一体誰に見てほしかったのか、もうひとつターゲットがはっきりしなかった。
もちろん、「SPA!」の読者である若い男の子たちが、こうした女性向けテレビドラマを見ないのは、さっき言った通りだし。
つまり、もともと雑誌購買層とドラマ視聴者層がクロスしてないうえ、シングル女性の複雑な志向性も、ちゃんと分析されていなかった。
「のだめカンタービレ」のように、マンガの読者がそのままドラマも見てくれそうな、そんな単純な構造じゃなかったのに。

そして、最後に敗因その四。
そうした分析をなおざりにしたまま、安易に配役でカバーしようとした。
女性に人気のある藤原紀香を主役にし、今、旬の青木さやかや、売出し中のキャン・ガール山田優を持って来れば、その話題性でなんとかひきつけられるのではないか、と思ったのか。
そのうえ、現在人気ナンバーワン歌姫の倖田來未の歌まで主題歌に持ってきた。

しかし、残念ながらこれも当たりませんでした。
青木さやかは演技でみんなの足を引っ張るし、山田優も特に目をひきつけるようなオーラがない。
藤原紀香も、(あたしは悪くないと思ったけど)、やっぱりチェ・ジウと日韓親善大使をしていた頃のようなキラキラ感は、小泉政権の終わりと同時になくなってしまったのかも。

ということで、好き放題書いてしまったけれども、これまで何度か感想に書いてきたように、面白いところがなかったわけではありません。
個人的には、さくらママのいるあのレトロバーのセッティングは大好き。
あーいうホストもゲストも若い女性が主体のところなら安心だし、調度類もかわいいし。
一人で好きに歌いまくれるカラオケ・スペースがあるのもグッド。
オヤジギャルなんていわれていた時代、あんな店があったら、若い頃のあたしは絶対しょっちゅう行ってたな、と思いました。

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