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永江朗のオハヨー!日本語 ~広辞苑の中の花鳥風月

短期集中web連載! 手だれの文章家・永江朗が広辞苑を読んで見つけた自然を表す言葉の数々をエッセイに綴ります。

かきがあかくなるといしゃがあおくなる【柿が赤くなると医者が青くなる】

2012年10月23日 | か行
柿が赤くなる秋は天候がよいので病気になる人が少なく、医者は商売にならずに青ざめる。秋の快適な気候をいう。

 柿ではなくて、トマトじゃないの?

 ぼくの故郷の隣町、北海道・鷹栖町の名産品に「オオカミの桃」というトマトジュースがある。かなり濃厚で、ブラッディ・メアリーにしてもいける。このジュースの瓶のラベルに「トマトが赤くなると医者が青くなる――欧米のことわざ」と書いてあるのだ。

 ネットで検索すると、A tomato a day keeps the doctor away――トマトを1日1個食べると医者いらず――という言葉が出てくるから、実際にそういうことわざはあるのだろう(もっとも、tomatoじゃなくてappleで同じ言い回しのことわざがあり、こっちのほうがうんとメジャーなようだ)。

 でも柿のことわざと少しニュアンスが違う。柿バージョンは天候がいいので医者いらずだといっているのに対して、トマトやリンゴは、それそのものが健康にいいといっている。たしかに柿も適量ならからだにいいだろうけど、大量に食べるのは問題がありそうだ。英語のことわざのように、1日1個ぐらいがいいのかも。