カラスの異称。
「慈」は「いつくしむ」。「愛する。かわいがる。大切にする」という意味がある。あのカラスが慈しむ鳥? 日ごろゴミ集積所を荒らされている人には、「冗談じゃない!」という記述だろう。
しかし、「からす(烏・鴉)」の項目には気になることが書いてある。「古来、熊野の神の使いとして知られ、また、その鳴き声は不吉なものとされる」というのだ。3本足の八咫烏(やたがらす)は、神武天皇のガイド役として熊野から大和へと案内した、と記紀神話にはある。神の使いであると同時に、不吉な鳴き声の鳥だったのだ。昔の人も、たんにありがたがったわけではない。「慈鳥」という呼びかたには、敬して遠ざけるような気持ちも含まれているのだろうか。
もうひとつ考えられるのは、カラスがわが子をかわいがるので「慈鳥」と呼ぶのではないかということ。野口雨情が作詞した童謡「七つの子」では、カラスの鳴き声を「可愛 可愛」と聞き、山にかわいい7つの子がいるからだといっている。ぼくも、子育て中のカラスが、巣を取り払おうとした庭師を襲っているのを目撃したことがある。
「慈」は「いつくしむ」。「愛する。かわいがる。大切にする」という意味がある。あのカラスが慈しむ鳥? 日ごろゴミ集積所を荒らされている人には、「冗談じゃない!」という記述だろう。
しかし、「からす(烏・鴉)」の項目には気になることが書いてある。「古来、熊野の神の使いとして知られ、また、その鳴き声は不吉なものとされる」というのだ。3本足の八咫烏(やたがらす)は、神武天皇のガイド役として熊野から大和へと案内した、と記紀神話にはある。神の使いであると同時に、不吉な鳴き声の鳥だったのだ。昔の人も、たんにありがたがったわけではない。「慈鳥」という呼びかたには、敬して遠ざけるような気持ちも含まれているのだろうか。
もうひとつ考えられるのは、カラスがわが子をかわいがるので「慈鳥」と呼ぶのではないかということ。野口雨情が作詞した童謡「七つの子」では、カラスの鳴き声を「可愛 可愛」と聞き、山にかわいい7つの子がいるからだといっている。ぼくも、子育て中のカラスが、巣を取り払おうとした庭師を襲っているのを目撃したことがある。