きょうも映画館通い by Banzong

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2017.12.7 ユーロスペースでアキ・カウリスマキ監督『ル・アーブルの靴みがき』を観る。幸せな気分になれる映画。

2017-12-07 | 映画レビュー
ユーロスペースで『ル・アーブルの靴みがき』を観る。フィンランドの巨匠アキ・カウリスマキ監督の新作『希望のかなた』公開にあわせて、評判の前作を1週間限定で特別上映しているのです(8日まで)。新作公開に合わせて旧作をプログラムするのは名画座の役割でしたが、最近はこういう形で公開館が限定的ですが上映してくれる、とてもいいことだと思います。

なぜか観逃していて、今回初見の『ル・アーブル…』、ハートウォーミングな人情ドラマでした。こんなことがあればいいな、映画を観終わるまでそんな気分がつづきます。

舞台はフランス、大西洋に面したノルマンディーの港町ル・アーブル。ここで靴磨きをする初老の男が主人公です。愛する妻とつつましい暮らしをする彼が、不法難民の黒人少年と出会い、彼をかくまい、無事に家族のもとに逃すというお話です。
男の過去、妻とのなれそめ、妻の病気、彼をとりまく町の人々のくらしがたんたんと描かれます。さりげない善意、がこの映画のテーマのように感じました。2011年の作品ですが、いったいいつの物語かと思えるほど、のどかで、浮世離れしています。ネットもスマホもない、テレビはちらっとでますがラジオの方が出番は多い。だからこういう話が成立するのですね。

カウリスマキ、今回も音楽と、わんちゃん(ライカといいます)がいい。難民を追う刑事もいい雰囲気で。バーにいくといつもカルバドスを注文します。この設定がラストに絶妙に活きてきます。

このあともう一本と考えていたのですが、余韻を楽しむため、今夜はここまで。道玄坂に出て、酒のデパート、やまやさんでカルバドスを、のれん街でフランスパンを買って帰りました。パンとサラダとワインで夕食をすませ、カルバドスをちびちびやりながら書いていたら、こんなに長くなってしまいました。


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