久しぶりの大雪に雪かきを思い立つ
一昨日夜半から降り出した雪が昼過ぎから吹雪混じりになり昨夜半まで降り続いた。都心でも27㎝というが、この辺りも結構積もった。
夜が明けて、玄関口に吹き込んだ雪をキレイに片付けた所で車のことが気になり、行ってみると道路もさることながら車の取り囲むように雪が積もっており、風が吹き寄せた所為もあるが、50㎝ほどの壁になっている所もある。この路面状況では走らない方が無難でもあるし、取りあえず出かける用もない。とはいえ、この雪の壁が夜中に固まってしまうとしばらく厄介なことになりかねないので、車が出入りできるだけの3坪ほどの雪かきをしようと思い立つ。
伝家の宝刀、30年来のシャベル
30年来のシャベルを持ち出して雪かきを始める。30年来というのには訳がある。それまでは関西で住んでいたので、庭仕事用にスペード型のスコップは持っていたが、石炭や砂利を扱うことはないので先の真っ直ぐなショベルは必要がなかった。
仕事の関係から東京で済むようになり、最初の冬から雪の洗礼を受けることになったが、家の前の雪を除去するのにスコップでは効率が悪く、やむを得ず求めたものがこのシャベルだ。途中で、プラスチック製で先だけを金属で補強した大きめの雪かき専用のものを買ったこともあったが、一度に掴む雪の量が多すぎて、濡れた雪などには重すぎて反って使い難い。
ということで、30年間、雪かき専用に使ってきたのが伝家の宝刀とも言うべき、このシャベル。マンション住まいになって、スコップは不要になったが、シャベルは廊下の雪かきにでも残しておいたのが、図らずも本日お役にたったということだ。
朝、目が覚めると枕元に雪が積もっていたと いう話
久しぶりの雪かきをしながら、雪かきにまつわるいろんな話を思い出していた。
このシャベルを買って最初の雪かき、家の前の道路の雪かきをしているとご近所の方々もめいめいに作業をしている中で、一軒だけ参加されないお宅があった。皆がそれぞれに頑張っているのにとの思いもあったが、それぞれに事情のあることと思っていたが、たまたま、そこのご主人と話をする機会があって合点がいった。
ご夫婦とも東北のご出身であったが「朝方、眼が醒めてみると、枕元に雪が積もっていることもありましてね。今の家屋と違って、昔の家は風通しが良いように作ってあったのですね」「毎日、雪の中で暮らしていたようなもので、この辺の雪などは雪の内に入りませんよ」と。そうなんだ。
雪かきの雪を保管しておくための土地も必要という話
20年ほど前の11月のシルバーウイークに部下の結婚式の媒酌人をすることになり、秋田の大館に向かった。丁度紅葉の頃でもあり、奥入瀬渓谷を経て十和田湖で一泊し、そこから大館に向かうことにした。
奥入瀬の紅葉を観ながらの十和田湖に向かう途中、途中でタクシーの運転手がガイドをしてくれたが、こんな話も。
「この辺りで30歳過ぎて家の一軒も持てない男はどうかしていますよ。土地は安いし、材木も間伐材で安く手に入るのだから…」「東京の人が50坪ほどの土地に家を建てるというのが信じられませんよ。どう考えても、50坪くらいじゃ、雪かきをした雪を置いておく場所がないのだから」。
言われてみれば、その通りで、除雪した雪の保管場所も必要だ。
四半世紀ほども前の話だが、除雪した雪の処置という点では今も同じだろうと思う。
一軒家に住むのも大変という話
千葉に住んでいた社員が福井支店に転勤になってから暫くたって顔を合わす機会があった。「福井へ転勤したお陰で一戸建ての家に住めて、子供達も喜んでいます」と大変な喜びよう。そして、一冬を越した春、会議で上京してきた彼がしみじみと言うには、「雪かきが大変、屋根の雪などは一人じゃできないし。人手を頼むと費用が大変。マンションにすれば良かった」と。
今はどうなっているか知らないが、あの頃は給料に寒冷地手当という項目があった。暖房をとるための石炭や灯油などの燃料費が主だろうが、雪かきの費用も含まれていたのかも知れない。
13年ぶりの雪かきを無事に終えて
昨日、大雪のまっ最中に娘が電話で「東京都の大雪警報は13年ぶりだって。あの娘が産まれて、間もなくのことだったよね」と話していたのを思い出した。それから暫くしてマンションに引っ越したので、あの雪が最後の雪掻かきになった。それ以来だから、今日が13年ぶりの雪掻きと言うことだ。
いろいろと思い出している内に作業が終わった。2時間ほどの力仕事になったが、幸いゴム長靴だけに痛む足の甲への負担もなく、リュウマチの手首も落ち着いている。筋肉痛が出てくるのは2~3日後になるだろう。久しぶりに汗をかいて良い気分だった。
=良い気分の折、浮かんだ腰折れを孫娘に=
お粗末とは思いながらも、孫娘が13年の間に可愛く育ち、勉強に部活に頑張っていることが嬉しくて、感謝を込めて…
「 雪かきは13年ぶり 孫娘生まれた年の冬のことなり」
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