天童温泉松伯亭あづま荘女将四季日記

天童温泉松伯亭あづま荘の女将が四季折々の出来事や感じた事を綴る日記

炉開きの季節

2012-11-28 22:47:45 | 茶道
昨日は予告も無く突然
わさわさと初雪が降ってまいりました
もう冬なのですね~
10月に入っても暑さが止まらなかった
今年の夏が何だか懐かしく
感じる今日この頃です
さて季節は巡り早いもので
今月は炉開きです
風炉から切り炉に替わりお道具も
冬仕様になります
先日茶友の室礼拝見してまいりました
お床の掛軸は休雪老師の味のある「雪・月・花」

その下の香合は蛤に白菊の細工を施した
時代物の清々しい一品 お花は椿でうす桃色の西王母

お薄器は表完の一閑張の押紅葉
茶杓は名が来復、何時もながら見事なお道具のバランスに敬服です
炉淵の赤が香合の白と相俟ってお祝いのお席に相応しゅうございました

クリスマス寒波

2011-12-30 22:05:39 | 茶道

二度目の冬を迎えたぷーたんとまーたんベランダに積もった雪に
足跡を付けて遊んでいます。
イブからわさわさと降り始めた雪で辺りは完全に真っ白です。

とても寒い25日のクリスマスは茶友の茶室で今年最後のお茶を楽しみました。

今年の漢字一文字に選ばれたのお軸・・・本当にこんな事が現実に在るのかと
思わせた今回の震災、家族の有難さや友人の暖かさが特別身に沁みた
今年に最高に相応しい漢字でした。
力強くも何処か温かい大玄老師様のお人柄が偲ばれる作でした
その下に置かれたのは梵鐘の香合
まもなく迎える年取りの夜
辛かった今年を見送る除夜の鐘
被災者の方のそれぞれの胸に重く悲しく
沁み込むように鳴り響くのでしょうか
こんな歳が二度と来ない様にしっかりと
見送りたいものです

さてメインはクリスマスに因んだバラの花のお棗
石原律枝作 女流蒔絵師ならではの
繊細で華やかな一品でした

さてさて今年もご覧頂きありがとうございました
本当に辛い一年でした
来る年が平和である事を心より願うばかりです

炉開き

2011-11-11 23:32:00 | 茶道
 
季節は否応無しに巡り今年も茶の湯の世界では冬を告げる開炉の時期です
震災以降こなふうに節目節目に何事も無かった去年を思い出してしまいます
久しぶりに聞く釜の湯の煮えたぎる松風の音 心が落ち着いてくるのがわかります。
茶室に入った瞬間もろもろの世間の事から解き放たれ別世界に来たように感じ一時だけでも
全てを忘れる事が出来る気がするのは私だけでしょうか・・・

今回のお軸はその名もズバリ「開炉』
お花は「今日の為に咲いてくれた」と亭主の茶友が愛おしそうに見つめる先には
椿の西王母に優しく包まれるようにあしらわれた可憐な小菊
お棚の水指は白磁に菊模様が浮き彫りになった清々しく開炉にふさわしい逸品でした

鉄釜で長時間沸かしたお湯は格別美味しいものです。何と三服もお変わりしてしまいました。
本当にご馳走様でした。茶友に感謝!



辛卯・初釜

2011-01-29 21:51:40 | 茶道

有難い事に茶友の初釜に今年もご招待戴きました
待合のお床の四海波と題された時代物のお軸に圧巻
又さり気なく置かれた茶杓の入れ物に書かれた名が高砂
お謡の一節が頭を過ぎります
「四海波静かにして~♪」とは四方の海が静かである事
それは世界平和を意味します
亭主の穏やかで幸せな一年であれという思いが伝わります
本席は立礼でこちらのお軸は
裏千家お家元の宝珠
神聖さに背筋がすーと伸びます
又勢いがある雲竜柳に卯年に因んだ躍動感を覚えわくわくしました
その下で今、花開かんとするぜんまいと黄水仙に春の息吹を感じる
とても心暖まるお席でした



初秋に一服

2010-09-13 23:10:00 | 茶道

九月も十日を過ぎた頃から
めっきり涼しくなってきた
みちのく山形です。
春の雨はひと雨ごとに暖かくなり
秋の雨は寒さを増していきます
西日本ではまだまだ猛暑が続いて
いるようですが、このところ雨が多い天童です。
今夏は日本列島を熱中症が
駆け巡り連日テレビ・新聞に
取り上げられ今までにない風潮でした。
あまりの暑さに暖かいお茶なんて
飲む気にもなれず、お風呂上がりの
冷たいビールが今年ほど美味しく
感じられた事がありません。
さて秋は茶の湯の季節、
涼風が吹くとやっぱり恋しくなります
そんな時タイミング良く茶友からお誘いの電話
「久しぶりに一服いかが~」

茶席は秋模様
掛け軸はすすき野に満々と照る十五夜
お花はもみじ葵、もみじの葉っぱは
赤ちゃんの手みたいだけど
こちらは細くて長い女性の手を連想させます。
ひとしきりお喋りして気が付いた時には
お花がしぼんでいました
一日花だから当たり前なんだけど
今しがたまで凛とした立ち姿で
茶席を賑わしていたのに・・・
この儚さを多くの茶人達が
愛してきたのでしょう

帰り道田んぼは小金色に実り確実な時の流れを感じます
早めの稲刈発令が出されたと聞きました
暑さが続くと乾燥しすぎて味が落ちるのだとか
米にして見ないと現時点では豊作か否か見当がつかないとの事でした

知事がトップセールスで命をかけてきたと言っても過言ではない新種米今季から一般に出回ります。
このつや姫の出来が気になるところです♪

新緑のお茶会

2010-05-31 23:10:00 | 茶道
 
茶友が準教授の資格を取得し、お披露目のお茶事にご招待頂ました。お花は青磁の花器にミチコ蓮華。大ぶりの葉っぱに白い蕾が清々しい美しさでございます。
皇后様のお名前が付くだけあって気品に満ち、咲いた風情も可愛らしいでしょ

お炭手前から始まり、まずお濃茶を頂きます。その後お席をあらため薄茶席となります
お茶って肩苦しく感じますが薄茶席は笑いあり、冗談ありでこんな会話も「T君仙台に行った彼女どうした?まだ付き合ってるの」流石に皆ギョ!返事に困っているT君・・・「まあまあそれは後でじっくりと質問しましょう」と誰かが助け舟、その後大爆笑。勿論よく知ってる仲間だからですが

さてお茶席には必ずたばこ盆が出されます
煙族が嫌われる時代、ましてや席中で所望する人も無くお飾り的存在なのですが無いと淋しいのです。
写真は火入れ(灰の中に小炭を埋め込みこれで火を付ける)   と青竹(灰皿の役目で水が入っている)
これにきざみたばこと煙管を添えます。元来精神修行として武士社会の殿方の間で繁栄してきた茶の湯だからこんな風習が残っているのでしょうね♪

節句の茶遊び

2010-03-23 11:15:31 | 茶道
節句の室礼のお茶席です。幾つになっても女性はお雛様に惹かれるもの毎度お馴染み茶友のお茶室です。
掛け軸はなんと上村松園の立ち雛ですよ。深みのある朱色にときめきました。今回は私達にとり大先輩のT先生を囲んでの立礼席。茶友も私も少々緊張気味、でも心地よい緊張で、数々の拘りの茶道具に一同感激でした。♪



初釜

2010-01-27 22:58:46 | 茶道
クリックすると拡大します
私の尊敬した茶道の師を喪ってから四年もとうに過ぎ去ってしまいました。季節に合わせた品の良い室礼、道具の組み合わせのセンス、和服の着こなしは憧れでした。それ以来日々の忙しさに感けて茶に接する機会も無いまま時が過ぎた気がいたします。そしてここにも時々登場する茶友が去年茶室を新築いたしました。それ以来何かと声を掛けてくださり先日初釜にご招待を頂ました。茶人にとって初釜の席は一番晴れやかなもの、今は亡き師は「一番派手な着物でお出でなさい」と仰っていたのを懐かしく思い出されます。お手前が進むに連れお香が匂ってきたり、炭がパチパチ鳴ったり、釜の湯が煮えたぎる松風の音が静寂の中を流れる過程がたまらなく好きです♪

送り干支

2009-12-31 00:14:09 | 茶道
今年もいよいよ終わりですね。毎年師走の月には一年を無事に過ごせた事への感謝と行く年丑年に別れを惜しみ今年の干支を飾ります。お花は11月に小春日和が続いたせいか、ほんのり先が赤くなった藪椿を大事に咲かせました。社員が持って来てくれた四季桜を雪の様な肌の唐津の花器に入れて、正に雪椿。お軸は別館光陰の為にテーマである「時」を、地元寒河江の書道家小野粋風先生に依頼し製作していただいたものです。癒しという言葉が日常的に使われ始めて久しくなりますが、やはり温泉にお出でになるお客様もそれを求め心身共に疲れきった方が多いような気がいたします。別館は多忙を極める現代人にゆっくりとした時の流れを感じて頂き、時空のなかの自分と向き合って頂ける部屋空間に拘ったつもりです。だから光と陰・・・「こういん」と命名いたしました。

今年もお世話になりました。ブログを始めた事は私にとりまして新たな挑戦でした。来年はもっと楽しい記事を皆様にお届け出来るようパソコン技術を磨きたいと思います。来る年寅年が皆様にとりまして良い年でありますように。♪


クリスマスイブ

2009-12-24 23:05:29 | 茶道
今日はクリスマスイブ世界中の人々が色々なイブの過ごしかたをしている事でしょう。私は茶友のクリスマスの室礼の茶席で楽しみました。お道具達が可愛くてついつい笑ってしまうそんな幸せな一時でございました。棗なんてりぼんが結んであって名は「プレゼント」・お茶杓はブルーの塗に雪だるま・蓋置きは煙突に登る一閑人のサンタクロース幼き日サンタの存在を信じプレゼントが届くのを心待ちにしていた頃が頭を過ぎりました。これから年末年始超が付くほど多忙を究める私に癒しの時間を頂き感謝です。♪