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中学校教師 生き残り術

平凡な中学校教師が、中学校現場の「小技」「知恵」「うまくいったエピソード」「失敗例」を紹介します。

(267)男性教師を避ける女子は正しい 2019年2月10日

2019年02月10日 | 生徒指導
★はじめに
 この記事は、2020年から2021年にかけて閲覧回数が上位5位入ることが多いです。
 この記事は「女性とはこういうものだ」という偏見や差別のために書いたのではありません。
 むしろ、男性教師として女子生徒との距離感の取り方を、自分自身を含めた男性教師への助言(戒め?)の意味で書きました。
 執筆の意図をご理解ください。
 令和3年1月9日に表現の一部を修正しました。

★本文
 親しくさせていただいている先輩(男性)からお話を聞きました。
 若い時に、女子中学生の指導に苦労されたお話です。
 その先生が廊下を歩いていると、女子生徒が隠れたとのこと。

 別の先輩(男性)からも、若い時に女子中学生の指導に苦労されたと聞きました。

 私(男性)も歩いていると、女子生徒が離れていく経験があります。
 ベテランと言われる今でもあります。

 男性学校職員の多くが同様の経験していると思います。

 20代の私は女子生徒たちに避けられると悲しい気持ちになっていました。
 (男女を問わず)生徒たちに囲まれて楽しく過ごす教員像を描いてこの仕事に就いたのですから、仕方がありません。

 今なら、男性職員と距離をおく女子生徒の行動を理解できます。
 私は、それを女性(とりわけ10代女子の)正しい防衛本能と理解しています。
 生物として身を守る正しい行動だと思います。

 誰とでも社交的に接する女子の方が、見方をかえれば危ないと言えます。

 男性職員を避ける女子生徒の行為に、傷つかない方法をあげてみます。

○男性を避ける女子の行為は、女子の正しい防衛本能だと理解する。

○男性である、こちらからも適切な距離をとる。
 放任している、無視をしていると誤解させないために、挨拶、さりげなく褒めること、間接的に褒めること、ノートのコメント等で、こちらが当該の生徒を気にしていることを伝える。
 爽やかで、清潔で、頼れる大人として振舞いましょう。その姿を生徒は見ています。

○男性は女子生徒を言葉やふざけでかまいたくなる気持ちがあるが、そこを冷静になり我慢する。
 とりわけ、社交的な女子に対してふざけたり、かまったりしてしまいがちですが、そこをグッと我慢。
 その行為がひいきしていると捉えられ、他の女子生徒との関係を悪化させます。
 当たり前のことですが、生徒には平等に接する。

○男性職員自身の加齢とともに、女子の避ける行為は無くなっていきます。
 結婚すると、避ける行為は激減します。(結婚するしないは個人の自由です。)

○そもそも、男性職員は女子生徒にちやほやされようと思わないことです。学校へは仕事で行っているのですから。

 女子中学生に避けられる時期が終わった職員は、今、女子中学生の指導に苦労してる同僚を励ましましょう。
 「男性職員の誰もが通ってきた道です。」と。
 そして、女子生徒への指導をサポートしましょう。

 女性生徒への指導では、女性職員の力が必要です。
 苦労している若手職員をサポートしていきましょう。

(251)夏休み終盤 夏休み明け 子どもの自死を防ぐ

2017年08月20日 | 生徒指導
 県教育委員会のデータでも、夏休み終盤、夏休み明けの子どもの自死が多かったです。
 昨年か、一昨年に、この事実は報道され、話題になっていたと記憶しているのですが、意外にも知らない人が多い。
 保護者も知らない人が多い。
 学校関係者でも知らない人が多い。
 この事実を保護者に周知するだけで、ご家庭でお子さんの様子や変化に目を配っていただけます。
 この事実を職員間で共有するだけで、夏休み前の指導、そして夏休み中の対応も違います。

 子どもの自死を防ぐためにできることをあげます。

(夏休み前にできること)
・6月下旬にQUや自作アンケートを実施し、それを元に7月に個別懇談をする。生徒が深刻な事例について話してくれなくても、個別に話をするだけでもよいのです。生徒が「この先生は、自分のことを気にかけている。」と感じてくれればOKです。
・夏休みの宿題を軽減する。夏休み前に宿題への助走として、学校で取り組み始めさせる。問題集を採用している学校は、解答例を配布する。
・PTAの会合で夏休み終盤に、自死が多いことを周知する。
・終業式の日、学級担任として、「始業式に日に、顔を見せてください。」と語る。私は「宿題が不十分でもいいから。」「忘れ物があってもいいから。」とまで言います。

(夏休み中にできること)
・部活動等で会った生徒に、「元気でやってますか?」と笑顔で声をかける。
・夏休み終盤に、気になる生徒に電話をかける。または家庭訪問をする。
・宿題サポート。私は部活動の中で実施しています。私の県では、公民館などで宿題サポートボランティアを実施している事例もあります。


 夏休み明けの登校日が近づいています。
 気になる生徒がいたら、電話一本を入れましょう。

 「しばらく、会ってないので電話をしました。元気でやってます?」

(追加)
 私の勤務校には、在校生全家庭へ一斉送信するシステムがあります。
 まだ具体的な文言案はないのですが、自死を防止するための保護者へのメッセージ、または生徒へのメッセージを一斉送信することも考えられます。
 自死は、周囲が気にしていない時、周囲が忘れている時に、周囲が無関心の時に起こるように思います。
 縁起でもないと思われるかもしれませんが、それを話題にして、気にしていることで、自死のいくつかは防げるように思います。

(249)バレンタインデーが近づき、学校にチョコレートを持ってこさせないための語り

2017年02月06日 | 生徒指導
 初任地で先輩に教えていただいた語りです。
 「もうすぐバレンタインデーですが、学校にチョコレートを持ってきてはいけません。
 本当にチョコレートを渡したい人がいたら、家に帰ってから、届けたい家に行き、「お願いします。」と渡しましょう。」
 私は20年以上、バレンタインデー前には、このように生徒たちに語っています。
 目の前にいる生徒たちの状況で、言い方を少しずつ変えています。
 
 チョコレートを渡したい気持ちを否定するでもなく、でも学校のルールは守りましょうと伝えている点で、私はこの語りを気に入っています。
 「家まで行って、「お願いします」」のところで、生徒間から笑みが出ます。
 
 私はバレンタインデーの10日前か、1週間前には、生徒にこのように話します。
 チョコも用意して、渡す気満々の女子に「持ってきてはいけません」と言っても、ブレーキをかけられないような気がするからです。

 生活指導は、事前指導、先取り指導が大切です。

(248)問題行動を起こした生徒の反省を促す3つのステップ

2016年12月29日 | 生徒指導
 同僚が生徒に語っていた言葉が、とてもよかったので、紹介します。

 問題行動をしてしまった生徒がするべき3つのステップ
 この3つのステップに導くのが、教師の指導だと思います。

1 事実を潔く認める。
 ・事実を語る。
 ・事実を書く。自分の気持ち、反省を書く。これからの生き方を書く。

2 迷惑をかけた人、心配させた人に謝る。
 ・教師が謝罪を強要してはいけない。謝罪するかどうかは当事者の生徒に決断させる。

3 これから正しく生きる
・「あの時失敗したけれど、今はこんなに良い生活を送っている。あの時反省して、よかったね。」と周囲の人に認められる生活をする。 
・反省が心に残りにくい生徒には、学校生活のはじめに「今日頑張ること」を言わせ、放課後に「今日の成果」を言わせます。成果に対し、褒めます。これを数日続けます。

(234)遅刻生徒への言葉 登校指導

2014年08月09日 | 生徒指導
 ここ数年、始業時間に学級の生徒全員が朝読書を始めている状態です。
 4月の出会いから指導(「しつけ」と言う方がよいでしょうか)を続けていますが、生徒のおかげだと感謝もしています。
 さて、この状況、つまり朝読書でしーんとしている教室に、遅刻をして入室する生徒がいます。
 さて、どうるすか。
 
 原則として、遅刻をした生徒は私にその報告することになっています。
 生徒「遅刻をしてしまいました。すみません。」
 私は、「はい」と返事をします。これでおしまい。
 生徒は席について、朝読書をはじめます。

 私に遅刻の報告をするときに、言い訳から始めようとする生徒もいます。
 私は、それを少しだけ聞いて、その生徒に特別な配慮を要する理由がなければ、途中で言い訳を止め、「「ごめんなさい」と言えばいいですよ。」と言います。
 これは私の主観かもしれませんが、言い訳を続けると報告される側はあまり気分がよくないように思います。
 それよりは潔く「すみません。」と謝罪の言葉を言える習慣を身に付けた生徒の方が、その生徒が社会にでて愛されるのではないかと考えています。

 生徒に遅刻の特別な事情があることもあります。
 「どうしたの、○○君らしくないじゃないか」と理由を尋ねることもあります。
 こうして「遅刻をするのはあなたらしくない、あなたは遅刻をしない人」と、プラスイメージを生徒に伝えています。
 これをラベリングと言うそうです。
 言葉は難しいもので、「なんで遅刻したの」と尋ねると過去の失敗原因の追及になってしまいます。
 これをアドラー心理学で「原因論アプローチ」といい、原因論では問題解決にならないようです。

 別の例です。
 昨年まで欠席が多い生徒がいました。
 その生徒も月に2、3回遅刻をします。
 彼が教室に入室しました。
 数回目の遅刻です。
 私は彼に「廊下に出なさい」と落ち着いた口調でいいます。
 私の一言に教室内に緊張感が走ります。
 彼と私で廊下にでます。
 私「報告」
 彼「遅れてしまいました。・・・・すみません。」
 少し間を置き、私「・・・よく来た。」
 私は彼の背中を軽く叩いて、教室に入れます。

 この指導がうまく機能しているかわかりませんが、私は「休まずによく来た」と心から思っています。
 同僚からは、○○君は今年ずいぶん変わったと言っていただいています。
 
 私が遅刻者を減らすために心がけていることをあげます。
・4月から始業時間に朝読書を始めるしつけをする。朝読書がなければ、短学活(朝の会)を始業時間に始めます。
・朝読書は学級担任がいなくても時間通り始めることが、目標。そのために、学級運営委員や図書委員を働かせます。
・最初遅刻者を上記の通り、丁寧に指導します。
・3人以上遅刻がある場合には、特別な対応をします。
 廊下に立たせて、毅然とした口調で指導。
 学年職員など複数で指導に当たる。
 それでも改善が見られなければ、家庭に協力をあおぐ。
・遅刻者を増やさないために、学級担任以外の職員が生徒玄関で挨拶をしながら生徒を迎えるような日常活動も大事だと思います。私の同僚は、生徒玄関で生徒を迎えてくれています。

 登校指導は、学校生活の第一歩の大事な指導です。

(192)クラスの事件発生 事実確認をどうする

2012年02月11日 | 生徒指導
 例えば、クラス内で喫煙やお菓子を食べている等の指導が必要な出来事の情報があり、教師がその事実をつかむときどうするか。
 学級担任の性格や経験年数や、生徒達の事態により対処方法を変わるはずです。
 しかし、これまで先輩教師達の経験から、使える策はあります。それらの策を数多く知っていることは、自分が対処する局面を迎えたときに策になるはずです。
 今私がそのすべての策をあげられることはできませんが、私の経験の知っている策をここにあげさせていただきます。
 今後ここに策を付け加えることで、先生方の生徒指導の対応策の参考になれば幸いです。

 では、事件発生。事実確認をどうするか。

1 学級集団に対しての策

(1)正直にみんなの前で名乗り出るよう言う。名乗り出るまで待つ。なかなか難しいか。
(2)学級指導の後、「このあと、私のところへ正直に名乗りでてきてください」という。学級担任は別室で、名乗り出ることを待ちます。学級担任が当該の生徒名をつかんでいるときは、生徒の良心を信じてこの策をうつことがあります。
(3)学級の生徒全員に知っていることを書かせる。
(4)学年職員で手分けして、生徒一人一人から事情聴取をする。
(5)荷物検査をする。捨て身の戦法である。よほどの覚悟が必要である。
(6)学級に正義の目を自覚させる。正義の目を育てる。
   私は次のように生徒に話すことがあります。
   教師「今回の○○の件について、学校の集団生活の中であってはいけないと思う人は手を挙げなさい。」
   学級全体に正常な雰囲気はあれば、全員が挙手をします。
   教師「周りを見ましょう。これだけみんながクラスがよい方向に向かって欲しいと思っています。
   もし、何か知っていることがあったら先生にそっと教えてください。
   問題だなあと思うことがあってその場で注意できなくても、友人や先生に相談することで問題が解決することがあります。
   一番いけないことは、見て見ぬ振りをすることです。問題に対して傍観者でいることです。」



2 個人に対しての策
(1)信頼のおける生徒や、情報通の生徒から聞き、情報をつかむ。男子のことは女子に聞き、女子のことは男子に聞くとよいと、先輩に教えていただきました。



 事件が重い場合は、学年職員がチームで動いたり、生徒指導主事とチームで動いたりする。職員が集団で動いていると、問題の当該生徒も重大な事態を感じ取り、そのときは事実が明らかにならなかったとしても、その後同じことを繰り返しにくくなります。

 このテーマについても書き足していきたいと思います。

 ほかにも策がありましたら「コメント」で教えてください。
 上記の「荷物検査」のようになかなか実施しにくい策でもよいです。
 多様な策を共有したいのです。
 多様な策をあげることがここでの目的ですから。

(182)トイレ清掃の生徒へ一言 生徒指導

2011年04月27日 | 生徒指導
 トイレ清掃を担当する生徒に、このように言っています。
 「トイレはイタズラや破損が多い場所なんだ。
もし、イタズラや破損やいつもとちょっと違うという様子を発見したら、先生に教えてください。」

 すると数日後にトイレ清掃の生徒が私にところにかけて来ました。
 「先生、トイレの部品がありません。」
 一つの便器だけ、ある部品が一つありませんでした。
 生徒の話によると、昨日まではその部品があったそうです。
 私が変化を教えるようにお願いしてあったので、よく見ていてくれたのでした。
 私はすぐに生徒指導主事に連絡をしました。

 学校の荒れは、トイレに出るものです。
 トイレが汚れていたり、破損を放置している学校は黄色信号だと思います。
 学校の荒れを予防するために、トイレ清掃の生徒に、変化を報告するように指導しています。

 これは、トイレに限定しなくても、荒れの予防のために良い手立てですね。
 「イタズラ、破損、変化があったら、先生に報告する。」

(179)破損発生!落語「厩火事(うまやかじ)」から学ぶ

2009年11月11日 | 生徒指導
 生徒から窓を割ってしまったとの報告がありました。
 あなたは、次のうちのどの用に対応しますか?

  A: 割ってしまった理由を聞く。
  B: 破片などを片付け、応急処置をする。
  C: その他

 つい先日、窓を割ってしまった生徒が私のところに来ました。
 私は、破片を一緒に片付けながら、割ってしまった理由を尋ねていました。
 すると、私の学年のセンスのいいM先生が来ました。
 そして、こう言ったのです。

 「けがはなかったですか。」

 私は頭が下がる思いでした。

 表題の落語「厩(うまや)火事」はこういうお話です。
 夫に家を追い出された妻が、実の兄から2つのエピソードを聞きます。
 
 1つめのエピソード。
 孔子が留守中に、馬小屋が火事になりました。その火事で、孔子が大切にしていた白馬が死んでしまいました。弟子たちは、孔子に叱られることを覚悟で、馬小屋の火事と白馬の死を伝えました。すると孔子は弟子たちに、「けがは無かったか。」と尋ねたのでした。そして白馬のことをとがめなかったのです。
 
 2つめのエピソード。
 ある殿様が、一枚のお皿を大切にしていました。ある日、殿様の妻がその皿を持っているときに、足を滑らせて転んでしまいました。殿様は「皿は大丈夫か。割れていないか。」と尋ねました。皿は無事でしたが、その後奥さんの姿が見えなくなりました。奥さんは、殿様と離縁したのです。

 この落語では、兄は追い出された妻に入れ知恵をします。家に帰って、夫の大切にしているどんぶりを割ってしまいなさい。夫がどんぶりを心配したら、離縁しなさい。妻を心配したら、夫の愛情が分かります。さてその結果は・・・。落語CDなので、お楽しみください。(先日、公立図書館に故三遊亭圓楽師匠のCDがあり、「厩火事」の味わいある一席を楽しみました。落語もいい物ですよ。)

 話は戻ります。

 破損などがあった場合、まず「けがは無かったか。」と尋ねられる教師でありたいと思いました。
 次回、同じような場面があったとき、自分が生徒をいかに大切にしているか、問われるような気がします。
 
 もう一言。
 教師が人として自然にわき上がる感情を表出することも大切だと思います。
 私は「けがは?」と言えるようになりたいと思っていますが、破損を見てその不快感や腹立ちを生徒に対して表す人も必要だと思います。
 物わかりのいい教師だけでも、きっとよくないような気がします。
   

(171)事件発生 保護者に謝罪を強要しない

2009年07月13日 | 生徒指導
 生徒指導で、保護者が謝罪をするべき場面があります。
 このとき、学校側が保護者に謝罪するように求めないことです。
 これは、先輩から教えていただいたことです。
 暴力、けが、破損などの事件で、当然保護者が謝罪すべき場面でも、「学校が謝罪を求めた」形にしないのです。

 「謝罪はご家庭の判断でしていただく」が、学校の基本的立場だと思います。
 
 学校が謝罪を求めた場合、うまくことがおさまればいいのですが、そうでない場合もあります。
 例えば、加害者が複数の暴力事件があったとします。
 加害者4人のうち、3人の保護者は学校からの指導を受けて被害者に謝罪したとします。
 加害者4人のうち、1人の保護者は「謝罪について納得がいかない」と謝罪をしないこともあります。

 この場合、2つ問題が発生する可能性があります。

 一つめは、被害者が「学校側の加害者への説明や指導はどうなっているのか」との不満や怒りを抱くことがあります。
 「学校としては、丁寧に説明と指導をしたのですが、○○さんのお宅ではそのように判断されたのですね。残念です。」
 表現はこれでベストとは思いませんが、このような立場を学校側としては取りたいと思います。

 二つめはこれです。一軒のお宅でも謝罪をしないと、すでに謝罪をしたお宅は次のような不満を持ちかねません。
 「学校に謝罪させられた。」
 このことがのちのち、泥沼状態に落ちいるきっかけになります。

 謝罪の強要は避けましょう。
 私は保護者が謝罪をすべき場面でも、言葉を選びながら慎重に話します。
 まずは、状況をお話して、「では、どうされます?」と質問をします。
 「これは社会通念上、謝罪に行くでしょう」と判断する状況まで、説明して尋ねるのです。
 そこで保護者が「謝りに行った方がいいでしょうか?」と言っていただいたところで、「それはよい考えだと思います。」と言います。
 保護者が選択し決断させるのです。

 謝罪という発想のない方もおいでです。
 私はこういう場合があります。
 「このような場合、その日のうちにお子さんを連れてすぐに謝罪に行かれるお宅が多いです。○○さんはどうされますか?」
 決定は保護者に委ねます。

 ポイントは、保護者に選択し決断させることです。
 

 この保護者に謝罪を強要しない原則は、正しいかどうかわかりません。
 私は気をつけています。

 このような考えの私も、事件に質によっては、自分の立場が苦しくなるとしても、「・・・すべきです。」ときっぱりと言うこともあります。

(166)生徒の座席 教科指導の席は教師が決める

2009年04月13日 | 生徒指導
 4月学級組織編成が終わりました。
 授業が始まっていることと思います。
 担任をする学級の座席表を作成しました。
 これを見て思ったのですが、私の勤務校ではこの座席表を使用する教師は3人だけでした。
 道徳、学級活動を指導する学級担任。
 国語科教師。
 社会科教師。
 それ以外の授業はすべて移動教室になるのです。

 今日の本題は授業での座席です。
 上記の3人の教師以外の多くの方は、生徒の座席について検討します。
 私は、名簿順に座らせています。
 名簿順が大事なのではありません。
 教科担任が決めていることが大切なのだと思います。
 4月のスタート時には、生徒は先生の言うことに従います。
 「座席は私が決めます。」という教師の姿勢は、授業の主導権は教師が握っていることを生徒に示すことになるのです。

 生徒と作り上げていく授業、生徒が主役の授業も理想であることは理解します。
 それは教師の授業コントロールが大前提だと思うのです。
 生徒が好き勝手をしていたり、反乱している授業では、いい授業つくりのスタートラインにも立てないと思うのです。

 生徒の意欲や自主性に任せて座らせている教師もいます。
 この場合、授業の主導権を生徒が握りはじめ、教師による授業のコントロールが できなくなっている例をよく目にしています。

 4月の授業スタート時に、教師がキッパリと座席を示すことで、教師の権威を生徒に示しましょう。

(160)トイレ清掃担当の生徒に一言

2009年03月08日 | 生徒指導
 トイレ清掃担当の生徒にこう言います。
 「学校が荒れる時には、トイレにいたずらをされたり、物が壊れたりするんだ。
 だから、何かいたずらがあったり、物が壊れたりしたら、すぐに先生に教えてください。
 それが学校をよくすることにつながるからね。
 責任重大だよ。
 頼むね。」

 これを最初に言っておくと、生徒は清掃中に気づいたことを私に知らせてくれます。
 そのおかげで、便器にペーパーをつっこむ、ドアの破損、室内にペーパーをまき散らす等の問題に、すぐ対応することができます。

 これも、生徒指導の一策になると思います。

(159)トイレの照明

2009年03月07日 | 生徒指導
 「トイレを見れば、学校の様子がわかる」と言う教職員がいます。
 指導に困難な学校のトイレは、汚かったり、破損が目に付きます。
 私の勤務する学校も、ドアや備品の破損があります。
 教師が監視の目を緩めると、汚くなったり、いたずらがあったり、破損があります。
 そのうちの一つのトイレの蛍光灯が新しくなりました。
 その蛍光灯が、他の蛍光灯に比べて白色の明るい色でした。
 電気のことはよくわかりませんが、ワット数が大きいものだと思います。
 その明るいトイレに一歩踏み入れて、私は思いました。
 「この明るさは、破損やいたずらを激減させるかもしれない。また、清掃の成果が際立つので、生徒は清掃のやりがいがもてる。」
 蛍光灯を換えるだけで、見違えます。
 ちょっとの改善で、荒れを止める一策になるのなら、試してみる価値はあると思います。
 校内のトイレの蛍光灯を白色で明るいものにすることを、校内で提案してみたいと思います。

(150)歩いて話す

2009年01月13日 | 生徒指導
私のクラスの男子生徒、和人君(仮名)が授業前に、学校を飛び出したとの連絡を受けました。
たぶん家へ帰ったのだろうと、私は彼を追いかけます。

私は普段自動車で通勤しているのですが、この日は電車を使ったため、車がありませんでした。
勢いよく職員室を飛び出した手前、「車がありません。どなたか車に乗せてもらえませんか?」と言えず、徒歩で和人君の家へ向かいました。
和人君の家は徒歩12分くらいのところにありました。
予想通り彼を発見し、彼をつれて学校へ戻りました。

いつもなら車に生徒を乗せて、2,3分後には学校に着いているのですが、この日は二人で歩きました。
その間に、今回飛び出したこと、また部活動のことなど、ゆっくり話すことができました。

歩きながら話すことのよさを発見しました。
以前もこのブログで書きましたが、何か行為をしながら話すと穏やかな気持ちで、意外に本音を話すことができます。
話すことだけに神経を集中しないからでしょう。
また、話の間も不自然ではなくなります。
なぜなら基本的に歩くと言う行為と周囲の景色が、空白時間を埋めているからだと思います。
さらに二人は進行方向を向いているので、正対する緊張感がありません。

歩いて話せる選択肢があれば、今後も利用していきたいと思います。

(149)懇談場所 かつては車内が使えた

2008年12月31日 | 生徒指導
 若いときの私は、生徒と正対して話すことが苦手でした。
 問題を起こした生徒や、欠席の多い生徒と話すために、自動車内を利用していました。
 ブログ読者の皆様も、車の中は話しやすいと思いませんか。

 車中は対話する者どうしが進行方向を見ているので、正対する緊張感がありません。
 目に飛び込む景色と雑音が、空白時間を埋めてくれます。
 そして密室であることもようのかもしれません。

 私は生徒とじっくり話したいときに、用事を作って生徒を車に乗せました。
 不登校の生徒は、「洗車に行こう。」と言って乗せました。
 実際に洗車をさせました。
 洗車の作業と、その往復が懇談の時間になるのです。

 しかし、現在では使えない手法です。
 交通事故の心配、さらに密室で生徒と二人だけになることの問題など、社会通念が変ってきているからです。

 車内で懇談してうまくいった経験を生かして、新たな懇談スペースを探したいと思います。

(148)配慮を要する生徒に役目

2008年12月30日 | 生徒指導
 私は、クラスの中で一番配慮を要する生徒に役目を与えました。
 一番配慮を要すると言っても、今、このブログの読者の皆さんが受け持っておられる生徒に比べれば、問題の少ない生徒だったかのもしれません。
 10年以上前の山村の学校で、茶髪で登校したり、気に入らないと帰宅してしまう生徒でした。
 私はこの健君(仮名)に「連絡係」を命じました。
 「教頭先生が毎日発行されている日報を職員室までとりに来て、そこに書かれていることを朝の学活で連絡してほしい。」
 彼は引き受けてくれました。
 彼も認められたい、人の役に立ちたいとの思いがあったのでしょう。

 この仕事には、いいことがあります。
 毎朝、健君は職員室に日報を取りに来ます。
 職員室で、先生方に声をかけてもらいます。
 「おはようございます。」の挨拶や「頑張ってるね。」の励ましの言葉をもらい、彼から笑顔がこぼれます。
 私は彼が職員室に来る前に、日報に掲載されている様々な情報から連絡してほしい項目に印をつけます。
 赤ペンで囲むだけの簡単な準備です。

 健君は朝の学活で、私が赤ペンで囲んだ連絡を読み上げます。
 ヤンキー文化に憧れを持っている健君です。
 健君が前に立つと、クラス全体に緊張感が出て、私語をする生徒はありません。
 クラスの生徒も、健君のために協力しようとする気持ちがあったと思います。
 健君が必要事項を連絡してくれるので、学級担任の私の話が短く住むというメリットもありました。

私は健君にファイルを持たせ、日報を綴らせました。
彼が仕事を積み重ねた分、ファイルは厚くなっていきました。
きっと、彼も自分の日々の積み重ねを感じていたことでしょう。
足跡が目に見えるということは、勉強でも、仕事でも、スポーツでもやりがいを感じさせる大事なキーワードとなることを私は実感しました。

数年後、彼と成人式で会いました。
卒業生の中で、一番私と話してくれたのは彼でした。