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中学校教師 生き残り術

平凡な中学校教師が、中学校現場の「小技」「知恵」「うまくいったエピソード」「失敗例」を紹介します。

(143)中学校教師が知っておく「パーソナリティー障害」

2008年10月08日 | 生徒指導
前にどうしようもなく手におえなく中学生がいました。
触法行為をするわけでもなく、不良、ヤンキーといった雰囲気とも違います。
この生徒のすることといえば、嘘をつく、自虐的行為や自傷行為をする。
言い換えれば、この生徒のする行為は、周囲の中学生徒や家族や職員を振り回す行為でした。
保護者の同意の下、医療機関に診ていただきました。
医師から「中学生の段階では診断名はつけられませんが、」との前置きに続いてでてきた言葉は、これです。
「人格障害」
私はそれ以来、「人格障害」「パーソナリティ障害」について調べました。

「人格障害」傾向のある生徒が、周囲の人たちを混乱させることや、学校においては学級崩壊や、職員のメンタルヘルスを害する可能性のあることを知りました。

次の2冊が、理解の助けになります。

「パーソナリティ障害(人格障害)のことがよくわかる本 (健康ライブラリーイラスト版)」 (講談社)

「パーソナリティー障害」岡田尊司著(PHP新書)

(131)中学校 生徒指導 校内喫煙所へ行こう

2008年08月14日 | 生徒指導
私は喫煙をしませんが、職場の喫煙部屋へよく行きます。
喫煙する同僚とふれあうためです。
この喫煙場所での会話が、面白く、ためになり、勤務校の情報を知ることができます。
また、このブログを読まれてお分かりになると思いますが、私は頭が固い傾向があるので、喫煙をしている同僚の余裕や懐の広さを学びに行きます。
学校の喫煙場所が、学校の作戦会議の場になっていることを、明治大学の諸富先生も著書に書かれています。
さて、喫煙をしない私は何をしているか。
私はコーヒーカップを持って、喫煙場所で休んでいます。
私は会話がそれほど上手ではないので、同僚たちの会話を笑顔を聞いていることが多いです。
それでも、その場にいる価値はあります。
喫煙をしない方も、喫煙場所へ行ってみましょう。

(130)中学校 生徒指導 使っている表現 「周りを見なさい」2

2008年08月13日 | 生徒指導
「周りを見なさい」の白井君(仮名)の続きです。

白井君の担任と話す機会がありました。
私は、彼の特徴から「周りを見なさい」をキーフレーズにして、彼に指導していることを話しました。

ある日、学級担任が白井君に説教していました。
その中で学級担任は白井君に静かに次のように語りました。

「白井は、自分が周りを見ていないことを自覚していかなければいけないんだ。」

学級担任も私の「周りを見る」のフレーズを使ってくれたことにより、白井君はそのフレーズが私(筆者)の独りよがりの捉え方でないことを知ります。
「ジョハリの窓」で言う「自己盲点」(自分が気づいてないが、他者には見えている部分)を複数の人からの指摘されることにより、気づくことが期待できます。

また、この学級担任の先生の一言は勉強になりました。

「…を自覚しなさい」

特徴は治らないかもしれません。
しかし、自分の特徴を自覚し、トラブルを軽減し、生きやすくすることはできます。

白井君をめぐるエピソードをまとめてみます。

・生きづらくしているその人の特徴を自覚させる。
・そのために、キーフレーズを限定して指導する。

(129)中学校 使っている表現「周りを見なさい」

2008年08月12日 | 生徒指導
私の所属する学年に白井君(仮名)がいます。
しばしば学級担任の先生にしかられています。

例えばこんなエピソードがあります。

白井君がほうきでゴミを掃いています。
先生に頑張っているところを見て欲しかったのでしょう。
先生の近くで熱心に掃いていました。
彼が掃いたゴミが先生にかかってしまいました。
白井君は先生に叱られました。

球技クラスマッチのときです。
コート上でプレー中の白井君に、学級担任が一言アドバイスをしました。
白井君は、先生の向いて「はい」と返事をします。
その一瞬の隙に相手に攻撃をされて、失点してしまいました。

彼の動きを見ていると、注意が一点に集中しやすい傾向があると思います。
言い換えれば、周囲の状況への注意が散漫になる。
このような彼の特徴は、学校生活に支障きたすというほどのことではありません。
ありませんが、白井君にもっと楽に生活をさせてあげたい。

白井君の教科担任である私は彼と接する時に、次のアドバイスを送っています。

「周りを見なさい。」

あえてキーフレーズを限定して、繰り返し彼に言っています。
限定したのは、いろいろなアドバイスを言っても、彼には残りづらいかなと思ったからです。

ゆっくり話せるときに、「『周りを見る」これができれば、白井君はいい男になるぞ。」と話しました。
彼がちょっと失敗したときに、「周りを見てた?」と尋ねる。
何かうまくいった行為に私が気づいたとき、「『周りを見てた』からうまくいったね。」

またかとうるさく思われない程度のしつこさと、さわやかさで伝えています。
彼の無意識の中に、インプットしていくような発想です。

つづく。

(127)中学校 生徒指導 使えるフレーズ「優しく言いなさい。」

2008年08月10日 | 生徒指導
友人に対してきつい言い方をする生徒に対して、私はこう言います。
「優しく言いなさい。」
同僚に教えていただいた表現です。

例えば、自己主張の強い男子生徒が級友にこう言います。
「お前が遅いだろ!」
優しい級友は、そのきついいいかたに我慢しています。

以前の私は、このような局面に対し何もしませんでした。
それは次のようなビリーフを持っていたからです。

細かいことをいちいち注意すべきではない。
中学生に時期は、荒っぽい言動があってあたりまえ。
子どもたちは、好ましいふれあいと好ましくないふれあいの両方を経験して、調和の取れた大人になっていく。

これらの考え方は、ありうると思います。
しかし、目の前できつい言葉を聞いて何も指導をしないことが、私自身のストレスになっていました。

「優しく言いなさい。」
冷静に、落ち着いて言います。
言われた生徒は、自分の行為がまずかったという表情をします。

私が「優しく言いなさい。」をキーフレーズとして、繰り返し言っています。
すると次のようなことも起こります。
きつい言動をした生徒を、私の近くに呼びます。
そして質問をします。
「今、先生は何て言いたいと思う?」
「優しく言いなさい。」と生徒。
「そう。行きなさい。」と私。
これで、指導が終わります。

この指導が生徒にすっと通う背景として、「攻撃的な言い方」「受身的な言い方」「アイメッセージ」などのロールプレイングの授業をしてあったことを付け加えておきます。

(125)中学校教師 話し合いのスタイル ブレーンストーミング、インシデント、KJ法

2008年08月08日 | 生徒指導
教職員研修で、話し合いの手法、問題解決の手法が紹介されます。
ブレーンストーミング、インシデントプロセス、KJ法、K13法などです。

従来の学校現場での会議や話し合いの負の面はこうです。

時間がかかる。
自己主張の強い人の発言だけで、話し合いが進む。
控えめな人の意見は反映されにくい。
批判的な意見が主流となり、問題の当事者(提案者)の精神のエネルギーを奪う。

「あるある」と頷かれる人もおいでのことと思います。

ブレーンストーミング、インシデントプロセスなど先にあげた手法は、従来の負の部分を解決するものです。
興味のおりでまだ体験されていない方は、教育センターなどでも研修の機会がありますから、学ばれると良いと思います。
私の勤務する地域では、若い教員の研修で必須の内容となっています。
話し合いの手法を学んだ教員が、年々増えています。
数年後には、話し合いがスピードアップされることを期待できます。

現実の問題発生時に、インシデントプロセス、KJ法、K13法をそのまま使えるとは思っていません。

現実の緊急な場面では、話し合いのリーダーが、インシデントプロセス、KJ法、K13法のパーツを用いることはできると思います。
例えば、現実の場面でインシデントのパーツを使うならば、
「○○先生、事件の概要を短く話して。」
「(会議に参加した人に)質問はありますか?□先生、△先生。」
ブレーンストーミングの手法で、次々に参加職員を指名する。
「では、今打つべき方策について、出し合いましょう。
同様に、指名して発言を求める。
「意見をありがとうございました。では、こうしたいと思います。…。」
緊急な場合は、このようにリーダー(学年主任、生徒指導係)が結論を出す。
結論を出すのに少しの余裕があるのであれば、リーダーと○○先生で結論について話し合う。
その後、結果を参加者に伝える。

私自身、学校現場でこれに近い話し合いができています。

(118)始業前の面談でうまくいっている

2008年05月27日 | 生徒指導
クラスでさまざまな問題を抱えてる生徒がいます。
このところ、学校が始まる前の時間に生徒と個別面談を行ってうまくいっています。
「おはようございます。」と朝の会のあいさつとともに、忙しい一日が始まります。
私の仕事処理能力では、なかなか落ち着いて生徒と話す時間を作ることができません。
そこで見つけたのが、始業前の時間です。
朝、7時30分に教室に入ると、登校の早い生徒がいます。
話したい生徒を呼び、面談します。
周囲に聞かれてもいい内容であれば、そのまま教室で話すことをあります。
先週は、7時30分から8時すぎまでに3人の生徒と話せました。

また、ちょっと重たい問題を抱えた男子生徒とも、始業前に話しました。
わずか20分の面談でしたが、本人は「元気が出た」と話してくれました。

始業前の短い時間ですが、面談で有効に使えます。

そのために、「面談は30分から1時間かけてじっくりするものだ」との発想は変えなくてはなりません。
私は、ものすごく重い内容でなければ短い時間の面談でも効果があると考えています。
実際に、今のところ10分から20分の面談で効果が出ています。

(117)「聞く」「話す」どちらが多いか常に点検

2008年05月26日 | 生徒指導
保護者と懇談を振り返ります。
ある日は、保護者の主訴や思いを聞きました。
しかし、懇談の後半は私がよくしゃべっていました。
学校でできることやアドバイスを話しました。
今振り合えると、頭に思いつくことをすべて話していたように思います。
私の感覚では、「聞く」40%、「話す」60%だったように思います。
しかしこういう場合、もっと「話す」の割合が多いのでしょう。

私は日常の会話でも、かみ合わなかったなと感じるときがあります。
振り返ると、相手の話している言葉を最後まで聞かずにこちらから話していました。

生徒や同僚との関係をよくするために、「話す」より「聞く」ことの割合を多くしなくてはいけないと思います。

『心の重荷をおろさせてくれる人、親身になって聞いてくれる人が欲しかったにすぎない。腹を立てている客、不平不満を抱いている雇人、傷心の友など、みなよき聞き手を欲しているのである。』
「人を動かす」D・カーネギー 創元社

なるほど。

(115)いじめの訴えがあったとき 状況把握の個別懇談

2008年05月24日 | 生徒指導
わたしはまず状況把握をすすめます。

第1に、学級生徒全員にアンケートをとります。

第2に、上記アンケートをもとに、個別懇談をします。

問題が重く、緊急の場合は、授業時間に全員と個別懇談を行います。

この場合、学校の先生方、教科担任の先生方、生徒、そして保護者に、事の緊急性をご理解していただく必要があります。

このとき学年職員などの援助者が必要です。
学年職員が分担をして、懇談する場合もあります。
また学級担任の授業の補充や、生徒を呼びに行くなどの働きが、学級担任にとって大きな助けとなります。

授業時間の全員個別懇談は荒療治です。
決心して始めたら、徹底的にやる覚悟が必要です。
この懇談で全容が明らかになるだけで、解決に向けて大きく前進します。

全員個別懇談をするほどではない場合は、授業時間以外の隙間時間に個別懇談をしています。
問題が軽度の場合は、これで解決しました。(と、思います。)

このブログで紹介していることがベストとは思いません。
選択肢の一つとしてお読みいただき、実行についてはご自身の責任でご決断されてください。

(113)保護者の問い

2008年05月22日 | 生徒指導
「先生は、クラスにいじめがあると思いますか。」
保護者との懇談の場で、保護者から問われた質問です。
教職経験の中で、何度か直面する質問です。

学級担任のいじめ認知度を計る質問ととらえるとあまり気分のいい質問ではありません。
うちの子供がいじめられているかもしれないとの心配を抱えた保護者が、いじめの話題に入るきっかけのための質問と思うと冷静に受け止めることができます。

さて、この返事が重要です。
「いじめを認識しています。」と答えると、認識しているのになぜ放っておくのかと保護者に不信感を抱かせるかもしれません。
「認識していない」と答えると、この先生は子どもを見てないと不信感を抱かせるかもしれません。
いずれの答え方をしても、そのあとに誠意ある言葉を続ければ、よいのだと思います。

ここでは第三の答え方を紹介したいと思います。
保護者「先生はクラスにいじめがあるとお思いですか。」
教師「どうしてそのようにお思いになったのですか。」
こうして保護者の主訴を聞く。

この方法がベストだとは思いません。
「先生は答えをはぐらかせている」と保護者を怒らせてしまう場合もあります。
したがって、保護者をよく観察して答え方を選択しなければなりません。

答え方のバリエーションを一つでも多く持っていることは、懇談を成功させる確率を上げることになると思います。
①「いじめを認識している。対応中です。」
②「(潔く)認識していない。(訴えを教えてください。)これから対応します。」
③「どうしてそうお思いですか。(主訴を聞く)」

(110)上司に報告する

2008年05月19日 | 生徒指導

生徒が学校でけがをしました。
病院に行くかどうか家庭に判断を委ねました。
今回の件では、病院へ連れて行かず、様子を見ると家庭は判断しました。
学校で起こった事故なので、私は事故の説明と謝罪の家庭訪問に行きました。
ご家庭では「けがは生徒自身の責任」とおっしゃってくれました。
家庭訪問を終えて、学校へ戻ると夜になってしまいました。
まずは、教頭に口頭で報告をしました。
また、すでに帰宅された学年主任に電話連絡をしました。
大事故と言うほどのことではないので、学年主任への連絡は明日にしようか迷いましたが、電話連絡をしました。

私は、何かあったときの上司への連絡を重要に考えています。
理由はいくつかあります。
第一に、問題を一人で抱え込まないためです。
第二に、もし問題が発展したときに、上司に問い合わせがあったが上司は何も知らなかったでは、組織としての信用が失われます。
第三に、上司と部下との信頼関係を深めるためです。

 

補足:2021年8月11日

 けが、事故、問題が起きた時に、その事実を校長がいつ知ったかが大事になります。

 校長が知る時間はできるだけ早い方が良いです。

 この投稿では「上司への報告は重要」と書きましたが、校長、教頭への報告は早急に必須です。


(109)生徒指導 反省を生徒に想起させる

2008年05月18日 | 生徒指導
数年前、ある未成年更正施設を見学させていただきました。
そこにキレやすい生徒、A君がいました。
施設職員はA君に次のことを課していました。
「キレない」と自分で書いた決意文を毎日同じ時間に読ませる。
決意文は施設の壁に張られていました。
毎日同じ時間に、A君は決意文の前に行き、それを読むのです。
施設職員はA君がその行為をしているかどうかを見守っていました。

この行為には意味があると思いました。
単なる罰ではないと感じました。
キレやすい生徒、暴力をふるってしまう生徒、腹を立てて器物破損をする生徒は、事後そのことを反省するのですが反省した気持ちを忘れてしまうことがあるように思います。
反省した気持ちを忘れてしまう生徒に対し、毎日、反省した気持ちを想起させることは理にかなっていると思います。
また、毎日同じ文を読み上げることは潜在意識に決意文を注いでいる行為なのかもしれません。
著書「思考は現実化する」を読んで、そのような考え方を持ちました。

私自身は毎日決意文を読ませる指導を実践していません。
当該生徒の同意があれば、近日中に実践しようと思います。

(108)生徒指導 事情聴取では当該生徒に書かせる

2008年05月17日 | 生徒指導
問題行為について教師は事実確認をします。
当事者から聞き取りをします。
聞き取った内容をメモします。

メモを取っているのですが、複数の生徒から聞き取りをしていると、私は事実関係が混乱し始めます。
優秀な方はそうではないと思いますが、私は混乱してしまいます。
当該生徒の状況にもよりますが、私は当該生徒に事実を書かせるようにしてます。
これが事実整理で大いに役立ちます。

生徒指導では複数の職員であたることがよいです。
しかし、当該生徒数より少ない職員数で事情聴取をしなければならないのが、現実です。
生徒に書かせる指導で、少ない職員数でも対応することできます。
「○○について書きなさい。」と言い、その場を離れ別の生徒の指導にいく事ができるからです。

また、書く行為自体が、反省を要する生徒に自らの行為を振り返り、頭の中を整理し、反省することになる思います。
そんなこと当たり前と指摘されそうですが、私は20代のときは「反省文」を書かせることの意味がわかりませんでした。
罰として書かせるなら意味がないを思っていたのです。

書く行為は頭の中の整理する行為と気づいてから、書かせることを大切にしています。

(101)「話を聞いてくれてありがとうございました。」

2008年05月10日 | 生徒指導
 学校に行きたくないくらい悩んでいる生徒、智一君(仮名)がいました。
 まず保護者から学級担任の私に相談がありました。
 翌日、智一君を呼び、話を聞きました。
 「最近、元気がないようだけどどうした。」と私。
 彼は、ある教科担任の指導の仕方について悩んでいました。
 教科担任は彼の能力が高いと思っているので、活躍させてたいと思っていたのです。
 「○○先生(教科担任)に、先生から言おうか。」と私。
 智一君は、「いえ、大丈夫です。」と答えました。
 ほんの少しだけ、私からアドバイスをして相談を終えました。
 わずか5分10分の相談でした。
 とりあえず話を聞いただけの相談だったので、私はすっきりしませんでした。

 その次の日。
 智一君の生活記録に次のように書かれていました。
 「先生に、話を聞いてもらったのですっきりしました。」
 その下に、母親からの感謝の言葉が書かれていました。

 予想外の反応でした。
 話を聞くだけでも、生徒はすっきりするのですね。
 今後も話を聞く姿勢を続けます。

(95)厳しい指導場面で「はい」と言わせる

2008年05月04日 | 生徒指導
問題行動など厳しい指導場面で私が心がけていることです。
私が質問をしたときに、生徒に「はい」と返事をさせます。

例えばこのような感じです。

私「○○君は□□君に△△と言ったのですね?」
生徒は小さな声で「うん」と答えます。
私「『はい』と言いなさい。」
生徒「はい。」
私「先生は、4月からからかいの言葉や悪口はいけないと話していたことを覚えていますよね。」
生徒「はい。」

「はい」は生徒を潔い気持ちさせる言葉だと思います。