中学校教師 生き残り術

平凡な中学校教師が、中学校現場の「小技」「知恵」「うまくいったエピソード」「失敗例」を紹介します。

(290)奈須正裕先生の著書「個別最適な学びと協働的な学び」(東洋館出版社)

2022年01月30日 | 授業

奈須正裕先生の著書「個別最適な学びと協働的な学び」(東洋館出版社 2021年12月25日初版発行、税込2,200円)を読んでいます。

前回の投稿で、教員不足と教職志願者の減少について触れましたが、その解決の手立ての一つを、この書籍から見つけました。

 

それは「自学・自習」です。

子どもたちが授業を進める、先生ごっこです。

子どもたちが、自分たちで協働的に学びを深める授業です。

「自学・自習」の経験を重ねて、授業を協働的に創り出していくことの面白さを知った子ども達の中から教師志望者出てくることを期待できます。

子どもたちを管理、統制することや、部活動指導に魅力を感じて教師に志願する人を減らすことにもつながります。

 

著書の読みすすめていくと、早速実施してみたい授業がありました。

「マイプラン学習」です。個別最適な学びです。

「マイプラン学習」とは、「一単元分の学習時間をまるごと子ども一人ひとりに委ね、各自が自分に最適だと考える学習計画を立案し、自らの判断と責任で自由に学んでいきます。」(著書p.039から引用)

2月中旬に本年度の定期テストが終わります。この定期テスト後の単元を、「マイプラン学習」にします。まだ、頭の中だけのプランですが、ここに書いてみます。

第1時に、次の事項を生徒に伝えます。

①「マイプラン学習」を実施する目的 自分で学ぶことができるようになる。自分にあった学び方を見つける。

②単元の目標と評価方法

 学習成果を提出するか、教師の前で発表(プレゼン)する。

 学習の振り返りレポートを提出する。

③単元の時間

④単元導入と単元の俯瞰として、参考になるビデオを数分見せると思います。

 

失敗するかもしれませんが、どんな学習になるか楽しみです。

 

本日も、訪問していただきありがとうございます。

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(289)教員不足の今、一人の教員としてできること

2022年01月29日 | 教職員の働き方

教員が不足しています。

教職志望者も減っています。

さまざまな生徒や保護者への対応の難しさ、家庭と社会からの学校への要望や期待、教職員の労働環境など、教員不足の理由は明らかです。

教員不足は教職員の資質の低下につながり、それは日本全体の教育力低下につながり、ついに国全体の衰退に至ります。

私は、一人の教員として、若い世代の教職員希望者が増えるために何ができるかを考えて仕事をしています。

「働き方改革」の点でも、自分の立場で職場の働きやすさを提案して、できることを実行しています。

そして何より、目の前の中学生の中に、教員の仕事に魅力を感じてもらえるように仕事をしようと努めています。

それは、教員の仕事の魅力を宣伝したり、植え付けたりすることではありません。

一言で言えば、「よい授業」をすることだと思います。

生徒が、教科の面白さを知ったり、達成感を味わえたりする授業です。

 

教員の授業力に ABCDの評価をつけてみました。

A:生徒が担当の教科を社会で使いたいと思う。生徒が担当の教科の教職を目指す。

B:生徒が担当の教科を好きになる。卒業後も学び続けたいと思う。

C:生徒が担当の教科を嫌いではない。

D:生徒が担当の教科を卒業後に、もう学ばなくてもいいと思う。

 

私の指導力が未熟な時、3年生の最後の定期テストを終えたある生徒がこう言いました。

「もうこれで英語を勉強しなくていい。」

授業のゴールが高校入試のペーパーテスト対策であると、このように感じる生徒がしばしば現れます。

「もう勉強しなくていい」と思わせる授業ならば、授業しない方がよいと言えます。

簡単なことではありませんが、上記のCやBを目指して、お互いに指導力を高めていきましょう。

私はベテランと呼ばれる経験年数を経て、ようやく上記Aのような生徒が見られるようになりました。

このような積み重ねで、教職志望者が少しでも増え、少しでも日本の教育力低下を食い止めることにつながればと思います。