中学校教師 生き残り術

平凡な中学校教師が、中学校現場の「小技」「知恵」「うまくいったエピソード」「失敗例」を紹介します。

(222)先取り挨拶

2013年11月19日 | 授業
 「先取り挨拶」
 小学校の先生に教えていただいた言葉です。
 こちらから挨拶をすることなのですが、すっきりとした名前です。
 私の尊敬するH先生から「活動には名前をつけろ」と教えていただきましたが、「先取り挨拶」はすっきりとした名称です。

 「先取り挨拶」について学級の生徒に話しました。
 翌日の挨拶で私は生徒より先に挨拶をします。
 私が生徒より先に挨拶をすると、「勝った」と言います。
 生徒は「あ、先取り挨拶か」と気づきます。
 大したことではありませんが、こうした遊び感覚もいいものです。
 自分から挨拶をすることが習慣になれば、その習慣はその生徒にとって人生よりよくするアイテムになるはずです。

 形を教えて心を育てる教育もありだと思います。
 形は心を作ります。行動は心を作ります。

 「先取り挨拶」すっきりした、とってもよいキャッチフレーズです。

(221)校則違反をした生徒が、感謝される方法

2013年11月17日 | 授業
 学校にゲーム機を持ってきた男子3名。
 校舎の陰で遊んでいるところを私が発見しました。
 きちんと叱り(最近は怒鳴りません)、反省文を書かせ、家庭に連絡。
 生徒たちも反省しているようです。
 彼らの私はこう言いました。
 「私にあなたの反省が分かるような具体的な行動を見せてごらんなさい。」
 「今日中に私に教えてください。」

 数時間後、生徒たちは私のところに来ます。
 「明日から宿題をきちんと出します。」と生徒。
 「あたり前」と私。

 「清掃を時間いっぱいやります。」
 「当たり前」と私。

 私はこう続けます。
 「朝掃除をしている先輩もいたよ。昇降口とか。」
 「掃除をします。」と生徒。
 「それは自分で決めたのですね。」
 「はい。」

 それから一週間、昇降口の朝掃除が始まります。
 朝8時に集合。3人の生徒はほうきを持ってはき始めます。
 学級担任の私は8時前から、黙って掃いています。
 清掃は10分。8時10分に集合をかけ、「お疲れさまでした」と言って解散。
 
 一週間続けていると、そばを通られる学校職員に褒められます。
 「ありがとう」と感謝の言葉もいただきます。

 約束の一週間目の朝。
 メンバーを集め、「卒業!」を伝えます。
 生徒の表情には満足感があります。

 ある年は教頭先生が私のところにお礼を言いに来ました。
 私は「生徒は反省中です」と話しました。
 するとこの教頭先生は、昇降口掃除について感謝状を送ると言われました。
 ある日の帰りの会(ショートホームルーム)で、教頭先生は手作りの感謝状を持って教室においでになりました。
 そして表彰式。
 校則違反をした生徒たちが、照れながら感謝状を受け取りました。

 素敵なエピソードだと思いませんか。
 

(220)「よく来た。」

2013年11月15日 | 学級経営
 夏休み、冬休みなど長期休業明けの登校日。
 「今日から学校かあ」とため息をついて家を出た生徒もいたことでしょう。
 定期テストの日。
 重い足取りで登校した生徒は少なく少なくないでしょう。
 休み明けの登校やテストなどの重圧に負けて休んでしまう生徒もいます。

 私は登校している生徒たちを見て「よく来たなあ」と思います。
 登校している生徒たちに向かってこう言います。
 「よく来た。」

 長期休業明けに宿題を提出できないことを気にかけてる生徒もいるかもしれません。
 私はこう言います。
 「教科担任の先生にすみませんと頭を下げて、数日以内に何とかすればよい。」
 援助がいるのであれば、学級担任が一緒につきあえばいいのです。

 登校して教室に座っている生徒たちの中には、家庭で両親が口論していたり、DVがあったり、経済的な問題があったり、さまざまなことを背負っている生徒もいます。
 30人学級であれば、切ない思いをしても平静を装って登校している生徒は一人二人はいることと思います。

 教室に座っている生徒を見て、「よく来ているなあ」と思い、ときどき言葉で伝えます。
 「よく来た。」