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岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

ネジバナとハゼラン - ラン科と非ラン科

2022-06-29 06:00:01 | みんなの花図鑑
きょうはランの名が付かないけれどラン科のネジバナと、ランが付くけれどラン科ではないハゼランの話題です。


ネジバナ

まず、ネジバナ。ラン科ネジバナ属。
つい先だっても矢作川の河川敷のネジバナを取り上げましたが、これは豊田安城自転車道の草地の中。




ネジバナは土手や草地、ゴルフ場のラフや公園の芝地などによく生えてます。
要するに、腹ばいになって撮影するのにちょうどいい平坦な草地の上です。




ところで、ネジバナの花はなぜ、らせん状に咲いているのでしょう?




よく言われるのが、訪花昆虫が訪れる頻度によりねじれの度合いが変わるという説です。
すなわち、ハナバチの訪れる頻度の低い環境のネジバナは、ねじれを小さくして、沢山花をつけているように見せ、ハナバチが訪れやすくしているということです。



しかし、ねじれが少ないと花と花が近づいて訪れたハナバチが隣の花に移動しやすくなり、自家受粉しやすくなります。自家受粉では、結実率も低いそうです。
そのため、ハナバチが頻繁に訪れやすい環境では、ねじれを大きくして咲くことによって自家受粉しにくくしているというのがこの説です。




別の説もあります。
片側に花が一列に咲くと花の重みで茎が曲がってしまうのを防ぐため、花自身が調整して、らせん状に捻じっているのだという説です。







ハゼラン

いまではどこにでも見られる野草ですが、ハゼランは、熱帯アメリカ原産の1年草で、明治時代に観賞用として導入された外来種なのだそうです。




ラン科ではないのですが、何科だとお思いですか?




スベリヒユ科でした !(^^)!
スベリヒユという野草は

こんな野草で、これの園芸品種が

上のポーチュラカです。
でも、ハゼランのめしべは丸い子房がはっきりしていてそこからひょろっと柱頭が伸びているのに対し、スベリヒユやポーチュラカのめしべは子房が見えません。




それにしても、ランでもないのになぜ「ハゼラン」なのでしょう?
諸説あるようです。
花がはじける(はぜる)ように次々と咲く様子からという説。
秋になると直径1~3㎜ほどの小さな実が、「爆(は)ぜ」て周囲にはじけ飛ぶからという説。
赤い丸い果実を、はじける線香花火に例えたという説。

「ハゼ」のほうは上の説で分かりましたが・・・
「ラン」の名がついたのはなぜでしょうね?




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