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春日井市の絵画教室、あとりえPOPアートスクールの教室風景や内容を中心に、アートについて広く記事にします。

搬入す

2012-12-04 11:02:58 | アート紹介
恒森搬入す。

搬入~ス。

写真はお見せできませんあしからず。



どの作品を持ち込むか、事前に綿密なチョイス談義をしたものの、そのうち1点が、前日夜のトラブルにより展示不可能になりました。


それでも、残りを搬入し、展示の試行錯誤の結果、数点持ち帰る事となったのですが、もし、トラブルなく全てを持ち込んでいたとしたら、この状態には絶対にならなかったはずです。


この状態とは―

本日からはじまった「恒森将晃展」のラインナップ&ディレクション&ディスプレイ。

その完成の状態をさします。


◆AM9:00
恒森家で作品積み込み。出発。
◆AM9:30
ハートフィールドギャラリー着。
◆AM10:00
園部さんギャラリー着。搬入開始。
◆予め決まっていた一枚の壁に作品を配置。
◆他作品をランダムに置く。
◆隣接するもの同士の色、タッチを考慮して大まかに並び替え、イメージを作る。
◆観覧者の体と目の動きをイメージし、歩きながら印象を考える。
◆いくつかの定点を決め、そこからの視線の先の壁、展示パターンを練り、絶対に動かさない作品を決める。
◆出迎える作品。見送る作品は同じものになるため、最新の注意と、最大の想像力を発揮し、入口すぐの一番狭い壁作品を決める。
◆間を確認する。
◆作品を並べかえる。
◆確認する。
◆断腸の思いで違和感ある作品を外す。
◆決めた定点から、作品の高さを決める。
◆作品の間隔を決める。
◆3つの高さパターンを割り出し、その高さで狂いなく釘打ち。
◆作品を掛ける。
◆キャプションの位置を決めて貼る。
◆照明の数を決める。
◆作品に当てる。
◆光源の強さとパターンを調整する。
◆ハイタッチ

こんな作業でした。


トラブった作品がもしトラブっていなければ、その作品の、色々な意味での大きさ上、外す勇気はなかったと思います。

多分、違和感を抱えたまま無理やり展示し、納得していたのではないか。

良しんば外せたとしても「そこにあった、なかった」では、微妙に感覚が違うはずです。


展示を終え、この状態が間違いなくベストです。

割と重要だと思っていた作品の、強制退場により、こちらのたがは、始めから緩かった。


そんなツキから展覧会は始まっています。

観覧者からみたらわかりにくい、彼の大きな変化が、作品の流れの中で見える。

同じくわかりにくいだろう挑戦が見える。

何ひとつ期をてらっていない展覧会は、オーソドックスなスタイルで一見特徴はありませんが、そのように見せる方が、微に入り細の気を使うのです。


「1点の作品が支配する一番気持ちよい空間の集まりは、結果このような展示となりました」

という展覧会の準備を終え、今から1時間後、本日12時から「恒森将晃展」は始まります。


思えば私のもとに、彼がお母さんとやってきたのは12年前。

それからずっと一緒でした。

美大には行っていませんが、もし挑戦した最後の年に入学していたら、今年は社会人1年目の24歳。

比較はできませんが、すでに自分で稼ぎ、自分のペースをしっかり築いて、画家としての道を歩んでいる恒森君。



最後にプロフィールを置きました。

1988年生まれ。
東邦高校美術科卒。

福井サムホール美術展佳作。
はるひトリエンナーレ入選。

だらだら回数こなして長くなった私のプロフィールとは違い、たった3行の画歴。

この下に「個展:名古屋ハートフィールドギャラリー」が加わるのは次回です。

作品ファイルも出来上がるでしょう。

ここから彼の画家としての発表の履歴が重なっていく。

万感の思いです。

自分が作ったアナザー・ワールドが、何も変わらない日常の中に出来上がる。
そこの突き当たりで人を待つ。


至福の時間を楽しみなさい。
そこでたくさん想い、感じて考えなさい。
これから繰り返されるであろう時間の始まりを経験しなさい。

君の素晴らしさは、絵を描くために他の生活があり、描きはじめたらどこまでも、いつまでも作品に没頭できることです。

そして、名声や売れる以前にある、本当に大切なものに執着できることです。


一足先に発表を始めた鳥居純子さん。
今回はじめの一歩の恒森将晃君。

手塩にかけた、まったく違う個性の二人の教え子が、私に追いつき追い越す日は、そう遠い未来じゃなさそうですが、こうやって後押ししながら切磋琢磨できることは、この上ない幸せです。

ファインアートを志す人間がめっきり少なくなった昨今。

臆せず共に棘の道を歩もうではないか。


最後に。
初個展の後押しをしてくださったハートフィールドギャラリー園部さん。
素敵な案内ハガキを作ってくださった押味さんに感謝致します。



※本日から始まる恒森将晃展は9日日曜日まで。
彼は木曜日以外は在廊します。
作品を前に人と接することで、またひとつ大人になるのでしょう。
どうか皆様、ギャラリーで彼と会い、話をしてやってください。
物静かであがり性ですが、これも勉強。
成長のお手伝いをして頂けたら幸いです。

最終日午後5時からは、クロージングパーティーが行われます。
こぞってお出かけください。
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10 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
なるほど (P‐tan)
2012-12-04 16:27:16
ギャラリーでの展示模様がよくわかりました。
観にいけませんが、また報告を楽しみにしています!
返信する
搬入おつかれさまでした (鳥居)
2012-12-04 20:37:30
恒森君がハイタッチをしている様子が想像できませんが(笑)、
気持ちではハイタッチするくらいだったと想像します。
先生はいつもおっしゃっていましたね、
「初個展がとても大切」と。
今は何となくその気持ちがわかります。
恒森君の初個展はこの先の画家人生にいいスタートを切れたんだろうなと想像します。
日曜にクロージングパーティーの日にお邪魔します!
返信する
恒森さん (大吉)
2012-12-04 20:52:39
愛されてますな。
まぁナカムラミオ。世話し始めたらとことんですから。
彼は幸せだな。
返信する
絵のことは (といぷー)
2012-12-04 21:27:19
さっぱりわからん。
でもミオ君がな。
そんだけやるのは生徒だからもあるけど、きっといい絵を描くんだろうな。
見たいなぁ。
返信する
恒森 (Utai)
2012-12-04 22:13:18
将晃さんを検索すると、似顔絵が出てくるね。
鳥居ちゃんの元同僚さんかな?

久々鳥居ちゃんとこ覗いてこよっかな。
次の記事(笑)
返信する
いつぞやの記事 (金魚主)
2012-12-04 23:03:04
銀座でお会いしたという謎の男性とのお話を思い出しました。
ふらりと現れた後、「これ外していいよね?」とかなんとか言って
作品を会場の外に出しちゃった人の話。
名前は確か、、、

そうだそうだ思い出した、「しいたけお」さんだ(違
返信する
初日に^^ (miki-t)
2012-12-04 23:30:52
本日お邪魔してきました♪

ミオさんが恒森くんの描き方(制作プロセス)が私と同じだと仰っていたそうですが、、、
でも仕上がりは私とは全く違って繊細で、落ち着きのある、それでいて静かだけど強い恒森君ワールド^^

いい空間。
だということに、さんざん長居した帰り際にぐぐっと強く感じました。
「いい空間でしょ」とは向こう(作品)からは決して主張してこない、でも居心地のよさにいつの間にか居る(きっとドアを開けた瞬間からだったんでしょう^^)

搬入の流れをブログで拝見しながら、今日の展示風景がフラッシュバックされています。
返信する
前半の皆様 (ナカムラミオ)
2012-12-05 08:13:26
おはようございます。
コメントありがとうございました。

《P‐tanさん》
終了次第作品及び会場風景を記事にしますね。
展示が終わった瞬間が大好きです。
Pさん春にやるんでしたっけ?

《焼鳥居酒屋さん》
恒森君ハイタッチするする。グータッチもします。たまに胸をぶつけたりも余裕です。NBAばりですよ。(^_^)v

初個展が大切です。
ここ次第で変わってしまう。
だから、僕が携わるに限り、手抜きと妥協は許さない。
適当にやる人はいつまでも適当ですからね。
初子展なら別によいですがね。

《大吉》
おせっかい爺にならないように、少しずつフェードアウトすることと、あくまでも相手個人を尊重し後ろにいること。
がこつ。
返信する
後半の皆様 (ナカムラミオ)
2012-12-05 08:27:47
《Utaiくん》
そうそう。
彼が一人立ちする際「絵に携わる」「絵を描く時間を持てる」が条件でした。
鳥居ちゃんにはお世話になりましたね。
鳥居ちゃんやめちゃいましたが(笑)
覗いたってちょ。

《キンサマ》
そうそうしいたけお(笑)ってちゃうちゃうってよく僕の記事なんか覚えてますね!
その記憶力をもってしてなぜ556やわさびの在処がわからんかったり、ブリーフをテーブルの上に忘れるのかがわからん(?_?)
あ。ブリーフケースか。

《miki‐Tさん》
いや。本当に似てると思うんです。
画面の構築の仕方。
それを引っ張ってくる場所も似てるんじゃないかなぁ。
当然イメージの内容と性格が違いますから作品は変わりますけどね。
真摯な所もそっくりです。
弟子にしてやってください。
だって恒森君。
これだけ付き合い長いのに、僕の影響まったく受けないんですもの(^_^;)
返信する
似てるのかな~~ (miki-t)
2012-12-06 01:09:04
えーっと。。。
恒森君にはきっとドンピシャです、「真摯」
でも私は真摯とは、、、程遠いですわ><

弟子入り!? ^ ^;
私がやらかした事の後始末で苦労させそだわ。。。

彼はきっと何者(物)にも影響されなさそうですね^^

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