Vばら 

ある少女漫画を元に、エッセーと創作を書きました。原作者様および出版社とは一切関係はありません。

1770年5月16日…アントワネットとルイ16世の結婚式

2016-05-16 23:53:21 | つぶやき

 1770年5月16日、ヴェルサイユ宮殿内の礼拝堂でアントワネットとルイ16世が、結婚式を挙げた。この時期のフランスは、爽やかな気候でばらが咲き始め、結婚式を執り行うには最適なシーズンだったのでは?

 結婚した時アントワネット14歳、ルイ16世15歳。現代の感覚からすると、まだまだ子どもである。中学2年生と3年生が夫婦になる。何だかなあ。でも敵国と婚姻関係を結んで領土を広げたかったマリア・テレジアにしてみれば、アントワネットの体が少女から大人になれば、いつでも政略結婚をアレンジしたかったのだろう。しかしいくら体は大人になっても、精神的にはまだまだ未熟。権謀術数が渦巻くフランス宮廷を、うまく泳ぎ渡る智恵などあるはずがない。

↓ アントワネットのお気に入りデザイナーといえば、ローズ・ベルタン。劇画「ベルばら」とは違って、とてもふくよかな女性だったらしい。

↓ ローズ・ベルタンが初めてアントワネットと出会ったのは1774年なので、アントワネットのウェディング・ドレスはベルタン作ではない。けれどこのドレスはベルタンの作でアントワネットが着用したとみなされており、現在ロイヤル・オンタリオ博物館が所有している。

↓ 正面から見たところ

↓ 後ろ姿

↓ 見事な刺繍

 14歳でフランスに嫁いでから、一度も里帰りしなかったアントワネット。マリア・テレジアもまた、娘の花嫁姿はもとより、嫁いだ後も末娘がフランス宮廷でどんな様子なのか、実際に自分の目で確かめようとフランスにやってくることはなかった。(代わりにアントワネットの兄ヨーゼフ2世が視察に来たが。いつまでも真の夫婦になれない二人を心配し、ルイ16世にある手術を勧めるため、やってきた。)若い花嫁が15歳の夫に、男の包容力を求めるのは到底無理なこと。ハプスブルク家の政略結婚は、軍事費を抑えることはできたかもしれないが、そのために姫君たちは過酷な犠牲を強いられることになった。

 読んでくださり、ありがとうございます。



3 コメント

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衣装のこと (フロレル)
2016-05-17 11:10:51
ベルばらの絵や宝塚の衣装を見て私は、リボンやお花やレースが3Dで服に付いていると思っていました。どうやって馬車に?クシャクシャだよ~なんて。それともベルタンのデザインはシンプルなのかしら?現代のオートクチュールに続くのがわかります。刺繍は和服の帯みたいですね~とても綺麗で重そう。淑女はいつの時代も大変なんですね。
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勘違い (フロレル)
2016-05-17 11:22:34
ベルタンのドレスではないのですね。おバカで失礼しました。
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フロレルさま (りら)
2016-05-17 23:02:46
 コメントをありがとうございます。

 フロレルさま、私の言葉が足りずすみませんでした。この記事にアップした写真のドレスは、ローズ・ベルタンがデザインしたものです。アントワネットが結婚した後、二人は出会ったので、ベルタンはアントワネットの婚礼衣装は作っていないのです。

>それともベルタンのデザインはシンプルなのかしら?現代のオートクチュールに続くのがわかります

 同感です。アントワネットって意外とあっさりとしたものを好んだのではないかと。それは彼女お気に入りのプチ・トリアノンのインテリアに、よく表れているように感じられるのです。

>刺繍は和服の帯みたいですね~とても綺麗で重そう。

 そうですよね。どこか和風な感じがします。豪華であればある程、重いはず。ロココの貴婦人は、体力がないと務まりません。
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