Vばら 

ある少女漫画を元に、エッセーと創作を書きました。原作者様および出版社とは一切関係はありません。

18世紀 一般女性の身支度(ヨーロッパ)

2018-01-28 11:58:33 | つぶやき

 ロココの時代、王族や貴族の女性たちは、コルセットとパニエで体を締め上げ、蝶のようにドレスを広げて闊歩していた。オペラやお芝居を見る時、盛り上げた髪と横に大きく広がったドレスが後や左右に座っている人に対して邪魔になり、トラブルが生じたことも少なくない。では庶民の女性は、どんな身支度をしていただろう?

↓  パリで母、姉と暮らしていたころのロザリー。髪を後ろで束ね、質素な身なりをしている。

↓  18世紀、庶民階級の働く女性たち。基本的に女性は人前に出るとき、髪を束ねキャップに入れることになっていた。

↓  18世紀、働く女性の着付けが動画でアップされている。(英語 約5分半)よろしければご覧ください。

https://www.youtube.com/watch?v=nUmO7rBMdoU

 shiftと呼ばれる洗濯可能なリネンでできた肌着を身に着けて眠る。shiftは最低2枚、持っていたらしい。目覚めると簡単に洗顔し靴下を履く。シンプルなガーターベルトで靴下を留め、ヒールの低い実用的な靴を履く。このあとペチコートを何枚か着けるため、先に靴を履いてしまうのがポイント。

 shiftの上に、stayと呼ばれるコルセットに似た堅い芯を着ける。これはウエストラインを整えるというより、胸をしっかり支えるのが目的。stayを着けると前かがみや猫背にならず、姿勢が良くなるかも?次はバッグ代わりにもなる大きなポケットを、しっかりと腰に巻く。奥方から預かった手紙など人目に晒したくない大事な物は、ここにしまい込んだのだろう。それにしても大きい!

 ペチコートは2枚の長方形の布を縫い合わせて作る。紐でウエストに固定するのでフリーサイズ。妊婦さんなど誰でも着用可能。更にもう一枚、厚地のペチコートを履く。エプロンは上着やペチコートの汚れを防ぐためと、野菜や薪を運ぶ時(日本の風呂敷のように)、品物を包む目的がある。上着の袖丈は、仕事しやすいように肘下とまり。左右の身頃を合わせるために待ち針で留める。

 冬は寒さ対策、夏は日差しよけにフィシューと呼ばれるネッカチーフを首元に巻く。巻いた先はstayの中に押し込む。髪は後ろで縛ってリネンでできたキャップに入れる。ロザリーがキャップを被った姿を見たことがないけれど、まあこれはこれで良いということで…。

 秋冬の外出には外套を羽織る。18世紀、イギリスの田舎では赤い外套が流行った。

 働く女性たちはもっと楽な支度をしていたと思っていたが、stayを着けたりshiftやペチコートを履いたりと、彼女たちには彼女たちの身支度流儀があった。しかし…ポケットの大きさに驚いた。かばん代わりでもあったろうが、なぜあんなに大きくする必要があったのか?そこだけ膨らみ、かえって目立つようにも思えるのだが…。

 読んでくださり、本当にありがとうございます。



2 コメント

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おれんぢぺこさま (りら)
2018-01-30 22:32:21
 コメントをありがとうございます。

>ローブのデザインや人手の数が違うだけで。大変さは大差ないんですね

 本当におっしゃるとおりです。でも当時の女性たちは、そういうものだと思って受け入れていたのでしょうね。彼女たちが現代のジーンズやTシャツを見たら、どう思うでしょう?私も20~21世紀に生まれて良かったとつくづく思いました。
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うふふ☺ (おれんぢぺこ)
2018-01-29 22:52:21
またまた、素敵なネタ提供。ありがとうございます(^o^)v
でも、ホント(@ ̄□ ̄@;)!
以前のマドモアゼルのお着替えと、ローブのデザインや人手の数が違うだけで。大変さは大差ないんですね(゜_゜;)
あれを、毎朝(-ω- ?)
生まれる時代間違えなくて良かったぁ(-_-;)
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