Vばら 

ある少女漫画を元に、エッセーと創作を書きました。原作者様および出版社とは一切関係はありません。

新作エピソード ロザリー編 (5)

2018-02-06 21:04:18 | つぶやき

 新作エピソードは、気づけばもう9作が発表されている。個人的には「あちゃ~。」な痛い作品もあるが、今回の「ロザリー編」は、第1話からミステリータッチで勢いがあり、そのパワーが衰えず最後まで継続した気がする。

↓  第4話の扉絵。「ベルばら」といえばやはりこの3人。アンドレがいないのが残念だが、本編でもオープニングはこの3人の紹介から始まり、ラストページは3人の誕生日を記して完結している。「ロザリー編」ではオスカルは回想シーンのみの登場だけど、「最終回の扉絵に彼女を欠くことはできない。」との池田先生のご判断かな?

 1791年6月20日のヴァレンヌ逃亡事件失敗を境に、フェルゼンは『生きる屍』と化す。まるで時計が止まったかのように。「ロザリー編 第3話」までまったく登場しなかった革命後の彼が、今回晩年の姿(54歳)で現れる。「えぇ!これが54歳のフェルゼン!?」現代の54歳と比較してはいけないのだろうけれど、まるで70歳近い高齢者のよう。見ていて苦しくなる。

↓  彼の最期を描いた1ページは、不動明王と見間違えた。ホラー漫画を読んでいるようで「ここまで描くのか。」と思ってしまった。(46年前だったら、もう少し美しく描いたのだろうか?)

↓  アントワネットが人生の最後の時間を過ごしたコンシェルジェリーで、ロザリーがお世話係をしていたことをフェルゼンは知っていた。そのことについてフェルゼンがロザリーに感謝を述べるシーンがある。彼は当時の様子をもっと詳しく聞きたかったのでは?本当なら自分の命に代えてもアントワネットのそばを離れず彼女を守り、運命を共にしたかったはず。しかし生き延びてしまった彼の余生には、喜びも輝きもない。彼にできるのはただ美しかった時代を思い出すこと。

↓  そんな回想シーンに「アンドレ登場か?」と思いきや、ベルナールでした。

↓  新作エピソードを発表するようになってから、池田先生はたくさんオスカルを描いてきたけれど、今回の「ロザリー編 第4話」の絵は、これまでのエピソード編の中でもぐっと線がきれいで凛とした感じが出ている。

 少しずつ感想を綴っていきます。拙い文を読んでくださり、本当にありがとうございます。



4 コメント

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Unknown (オスカー)
2018-02-07 07:23:58
おはようございます。
ジェロさんの秘密に(*゜д゜*)となりました・・・! フェルゼンの最期、哀しいものがありました。王妃さまやオスカル様は、生き抜いたという充足感があったように思いますが、彼は心身ともにくたびれ果てて黄泉路を行くことに・・・誰かを真剣に愛したことが罪になってしまうのかと、考えてしまいました。
オスカルさま、フェルゼンにロザリーの話をしたこともあったのかなぁと思ったり・・・これで本当に『ベルばら』は完結なんでしょうね。
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オスカーさま (りら)
2018-02-08 19:21:24
 コメントをありがとうございます。

>ジェロさんの秘密に(*゜д゜*)となりました・・・!

 いやぁ、あれは驚きましたね。『そう来たか』と思いました。まさか他の漫画家の作品とのコラボになろうとは!

>フェルゼンの最期、哀しいものがありました

 実在するフェルゼンの最期は知ってはいるものの、改めてあのように描かれるとショッキングです。

>オスカルさま、フェルゼンにロザリーの話をしたこともあったのかなぁと思ったり

 時折ジャルジェ邸で見かけていたかもしれませんね。ロザリーが突然ジャルジェ邸を出ていった時、オルカルはフェルゼンのもとを訪れ、「もしもロザリーが訪ねてきたら…」と言う場面もありました。

>これで本当に『ベルばら』は完結なんでしょうね
 
 池田先生にしてみれば、46年前に描きたかったけれど描けなかった内容が、今回ほぼ執筆できたのではないかと思います。
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心に残る最終話でした (まい)
2018-02-10 00:47:16
りらさま
大変ご無沙汰しておりますが毎日拝見させて頂いておりました。8月に転職して以来、人前での演奏の機会が増えてしまってレパートリーも増やすために毎晩2時間以上は練習、今年の冬の寒さは格別で更に毎週㈮の1時間の演奏と 67歳おじさまの個人レッスンの緊張感も加わり 肩こりが一層酷くなって毎週鍼灸院に治療に行っており本当に苦痛でした(今も)。
寒すぎるので、春の訪れが待ち遠しいですね!
少し前のエピでは納得行かないものもあって「ロザリー編」も最初から購入する気になれずコミックスになったら買おうかな~買わないかもしれないな?くらいの気持ちで、りらさまの感想を拝読させて頂いておりました。 ところが、今回の記事に魅了されて、最終話だけでもどうしても読みたくなり今日仕事帰りに残り少なかったマーガレットを買ってきました。「凄さ」「切なさ」と同時に「ただ春風のような やわな脇役的存在ではなく、生き字引としてのロザリーの逞しさ・役どころとして重要な位置付け」というのをまざまざと痛感させれれて 今までのエピの中では一番惹き込まれたような感じです。りらさまが仰るように まさに「不動明王」そのものでしたね(・・;) 「生きる屍」と化したフェルゼンの最期、あまりの切なさに涙が出てきましたよ・・・。ロザリー編を最初から読みたく14巻発売日をカレンダーにメモしたので今から楽しみにしています。
こうやって一生「ベルばら」に魅了されて私も生きていくんだろうなと思いました。
まだまだ寒さ厳しき折、りらさまも どうぞ御身体を御自愛くださいませ(^-^) 


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まいさま (りら)
2018-02-11 09:30:11
 コメントをありがとうございます。

>8月に転職して以来、人前での演奏の機会が増えてしまって

 まいさまの演奏を待っていてくださる人がいるのは幸せなことですね。特にこの時期は寒いので、外出するよりも、暖かい家の中で過ごすのを選ぶ人も多いはず。肩凝りはつらいですね。でもまいさまのレッスンそして演奏を楽しみにしておられる方のために、どうかお体を労わりつつ、お仕事をお続けくださいませ。

>今までのエピの中では一番惹き込まれたような感じです

 同感です!ようやく池田先生、昔の勘を取り戻されたかと感じました。池田先生ご自身も、かなり気合いを入れて取り組まれたのでないでしょうか?もうしばらく新作エピは描かない気がします。(あるいはこれで最後かもしれませんね。)

>やわな脇役的存在ではなく、生き字引としてのロザリーの逞しさ・役どころとして重要な位置付け

 すべてを見届けてきたロザリーが、第9話の真の主人公かもしれません。そう思うとロザリーは本編より、新作エピのほうが、活躍の場が広がったようにも思えます。

>こうやって一生「ベルばら」に魅了されて私も生きていくんだろうなと思いました

 色褪せない永遠の名作ですね。あの時代だから生まれた。平成のマンガ家さんたちも頑張ってほしいです。

 まいさまもどうか風邪などひかぬよう、お体を大切にされてください。
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